大日本帝国の人びと④
橋爪 戦死者の内実ということなんですが、ふたつの考え方に反対したいと思うんです。
ひとつは、軍部が悪く、軍部が国民を操作し、国民を騙し、そして戦争に参加した人たちは騙されて戦場に連れだされて死んだ犠牲者であり、彼らに罪はないというもの。私は、こういう考え方はしたくない。なぜかというと、もちろんいろいろ情報が不備だったかもしれないけれど、彼らは精一杯に判断し、精一杯にコストを担うつもりで、主体的に積極的に戦争を担おうと思って戦場に赴いていると思うのです。そこまでの決意がなければ