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ヒトはなぜ転職するのか?(UXデザイナー編)

はじめまして。

グッドパッチというデザインコンサルティング会社に入社して、約1年になるUXデザイナーの西村です。

現在の会社が4社目なので、転職を3回ほどしております。その経験(?)というか失敗を少しでも誰かの役に立てれば…

という高尚な想いではなく、単純に「はたらくホンネ」というサービスで時給2500円貰えそうだからという、邪な気持ちで、ヒトの相談に乗ったのがキッカケになります。

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その結果、なぜか素敵な評価をいただけたので、多分誰かのお役に立てそうだと思い、軽く記事を書いてみようと思いました。

では、転職というモノについて考えていきます。


ヒトはなぜ転職するのか、そもそも仕事って何だろう?

まず、転職や仕事という概念を整理してからの方が、考えやすいので、転職に紐付けられている仕事という概念について、歴史を遡って確認したいと思います。

古代中世におけるキリスト教の世界では、そもそも仕事は神の罰として作られたものという扱いです。つまり、人々が進んでやるもの、やりたいコトという概念ではありませんでした。

もう少し補足すると、労働という概念でと強いられるものだったので、皆さんがイメージしているよりも、人々に苦役を強いるという意味合いに近いです。

近代に近づくにつれ、神の偉大さを証明する天職であるとか、イギリスの哲学者であるジョンロックが掲げる自由及び幸福の追求の権利であるとか、仕事・事業は成功者になるための手段、つまりアメリカドリームであるとか、様々な仕事にまつわる概念や要求が出てきました。

つまり、仕事の役割が変わってきたということです。特に昨今では、自己実現の要素も含まれるので、仕事というものがややこしい概念になってると私は思います。

あくまで、私が3回ほど転職した経験に基づき定義させていただくと、以下3つの要素が絡み合ったモノだと思います。

①生命を維持するための命綱(つまり、お金を稼ぐ手段)

②人間らしさを保つための活動(つまり、社会的なつながりを得る手段)

③幸福感を得るための活動(つまり、ヒトの役に立つとか、自己実現のための手段)

この3つの要素のどこに比重を置くかは、一人ひとり異なります。また同じヒトであっても、何歳なのか、家族がいるのか、環境や価値観が変われば比重も変化します。

例えば、私の場合1社目においては①と②が強かったので、安定した大きめの会社に行きました。2社目は割と①は外せないけど、③を重視して転職しました。3社目は①の要素はほぼ無視して、③に振り切って転職した気がします。

今の会社は、私が大人になったのかはよくわかりませんが、①、②、③共にバランスが良い状態です。

つまり、ヒトの価値観や状況によって仕事に求める役割は変わるので、まずはそこを再定義すると、比較的満足できる転職がしやすいじゃないかと思います。


転職という手段は、なぜ必要なのか?

仕事を通じて、自分の求めるモノが得られ、隣の席に座る人、上司、お客様などの役に立て、かつ会社の利益にもつながっていれば、本来転職という行為は不要なはずです。

しかし、皆さんご存知の通り、転職という行動はたくさん行われてます。ここでは、仕事を変えるための手段である転職について深掘りしたいと思います。

転職の歴史をざっと調べてみたのですが、第二次世界大戦後ぐらいからの話しかなく、私が望むような歴史の情報を得ることが出来ませんでした。

そこで、転職に関係しそうな求人について調べてみたところ、1900年、ロンドンの新聞の片隅にアーネスト・シャクルトンはある広告を掲載したものが、世界最古の求人という情報を見つけました。

つまり、転職は比較的新しい概念だということしか分かりませんでした。なので、ここでは転職という定義を、仕事で得るための対価を最大化する手段、ぐらいにしておこうと思います。

一方で、この定義は本来の職を変えるような意味、営業からUXデザイナーになるとか、本来の意味を失っているのではないか、職場を変えるようなコトも容認してしまい、本質的な定義ではないという反論もあると思います。

その通りだなと納得する反面、そう定義してしまうと困るヒトがいるというか、私の過去の転職が職場を変えることに該当するので困ってしまうので、そうしたくないなという気持ちだけです。

余談になりますが、定義が正しかろうが、誰かの困りごとを解決したり、思考を加速させることにつながる定義や言葉でなければ役に立たないので、役立つカタチで定義したいなと、私は思います。

さて、先ほどの定義に照らして、転職する目的を考えてみたいと思います。

まず、自分自身の価値観や環境は絶えず変化します。そうすると、仕事に求める役割や価値が変化します。

それが繰り返された際、今の職場ではその変化に耐えきれない、あるいは耐え切れなさそうだな、あるいは対応できないし求めてもいけないと思った時に、悪く言えば脱出する、良く言えば挑戦するための手段が転職なのかなと思います。


結局、転職の決め手は?

子供が出来た、結婚したい、もっとお金が欲しい、仕事で充実感を得たい、成長したい、スキルが欲しい、社会貢献したい、ヒトに笑顔になってもらいたい、美しい製品作りたい、友達の会社を助けたい、チームで大きな目標を達成したいなど、色んな願いや想いがあると思います。

また、活躍できない、人間関係合わない、今の製品やサービスが肌に合わない、自分の力が活かせない、つまらない、いじめられた、働き方や労働時間に対する考え方が合わない、会社のビジョンに共感できない、キャリアプランが見えない、今の自分の力では会社の求める役割や期待に応えられない、心が苦しい、腹割って話せる相談相手がいない、孤独、寂しい、悲しい、辛いなど、色んな悩みもあります。

これらが複雑に入り混じり、あるとき転職しようという風になります。

さて、転職の決めては何か、いつするべきか?

それは、会社の成長にも貢献できず、自身の願いや想いも叶えられていない時です。


前提として、会社や上司と合わず、かつ成果も出ていないときは、めっちゃ苦しいです。しかも、会社に貢献できてないと成果はずっと出ないので、より立場も苦しくなります。

それを続けるのはとても困難な道です。根性があれば大丈夫とかそんな意見もありますが、それが成り立ちやすいのは、会社が成長しているときだけです。会社が成長していると、ヒトも増え、チャンスも増え、色んな活躍の場も増えるので、苦しかったとしても、自分の居場所が見つかることがありますし、その確率が比較的高いです。

しかし、成長してないと、負のスパイラルを抜け出せる確率も低く、ただ大変な毎日を過ごすことになる。さらに、自分だけで済めば良いのですが、そんなネガティブな気持ちが他の人に悪い影響を与えることもあるので、より合わない上司や同僚と合わなくなり、最悪の事態になるだけです。

なので、何よりも1.5年ぐらい頑張ったのなら、冷静に判断して次の道を考えてみても良いと思います。

さて、話は戻りますが、転職の決め手は二つの要素を考えることが大事だなと思います。会社の成長への貢献と、自分の願いや想いが叶っているかどうか。

ぜひ、この辺り考えてみてください。


転職成功の定義ってあるの?

ヒトによって、成功の定義は異なると思います。

ただ、共通してありそうなものが見えたのでお伝えしますと、後悔のない前向きな転職、だと自分が思えたかどうかです。

私の失敗からお伝えすると、衝動的に転職を決めてしまったという反省があります。そしてこれは、結果的にラッキーな時もあれば、そうでないケースもありました。

そういった過去を反省し、前向きに転職しよう、というスタンスだけは間違ってなかったと思いました。

実は、さらに良い転職にするため、一度立ち止まって深く考えてから転職しよう、というのもあります。しかし、それは色んな失敗をした今だから思えることであって、私の場合はそんな言葉を当時投げかけられても無視していたでしょう(笑)

余談になりますが、ただ、この一度立ち止まって深く考えることをせずに、ずっと同じやり方でいくと、比較的いわゆるキャリアが傷付き、結果として50代以降に苦労してしまうなんてことも聞いたりしたので、改めてキャリアを考えること、は大事だと思います。

今の自分を振り返っても、4社目の転職活動は、2か月間じっくり考え、色んな友人や先輩に助けを求めたことにもり、将来のリスクを抑えることができたという感覚があります。ちなみにそれまでの転職は大体2週間ぐらいで決めていました(笑)

余談になりますが、まず日本で転職を一回でもするという選択をするということは、どこの業界や職種であるにせよ、自分の腕1本で生きていくという宣言にほかなりません。終身雇用制度が崩れてきているので、転職しなかったとしても変わらないという意見もありますが、新卒と中途では扱いが全然違うなと思います。

だからこそ、転職を決めるとき、自分が腕1本で生きていくために、自分も成長でき、かつ会社の役に立てるのか、それが両立できる、いわゆるWin-Winの関係性を築けそうなのか、こういったことを深く考えるのが大事だなと感じてます。


終わりに

そろそろ、話を締め括りたいと思います。

最後にお伝えしたいことは、転職は転職先の会社あってこそ成り立つものなので、自分の願望や欲望を満たす便利な装置ではありません。

転職先のことを深く知り、まずは自分から信頼し、歩み寄り、そして転職先のニーズを知る。その後に、自分の困りごとを真摯に伝え、要望も伝える、そしてお互いに歩み寄れそうだと思ったら転職するというのが、ベストだなと思います。

一方で、切羽詰まっていたり、自身の願いを明らかにできずミスマッチが起きてしまったり、相手(転職先)が嘘ついていたり、そんな悲しい出来事も起きたりし、思うような転職が出来ないケースもいっぱいあると思います。

そんなこと悲しい出来事に対する処方箋は、特効薬となりえませんが、本当に困ったときでも助けてくれる友達や家族、を大切にすることぐらいしかないと思います。

私が仲良くしてるもうすぐ50際になる経営者の方がいるのですが、その方が今も再度経営者としてチャレンジできているのは、前の会社を畳んで困り果てていたときに、その経営者の友人の会社ですぐに働かせてくれたこと、それがなければ大変なことになっていたというお話をしてくれたことがあります。

悩む内容は、若いとき、50歳前後、リタイアの時期など色んなことによって変わると思います。ただ、その悩んでいるときに、一歩を踏み出す手助けやキッカケを与えてくれるのは、本当に困ってるときに助けてくれる友人や家族だと思います。

私も、多くの人に助けら、幸いにも楽しい仕事をさせてもらい、今ではDX市場開拓という新たなチャレンジを会社でさせていただけるまでになりました。

もし何かコメントや感想などあれば、いただけると嬉しいです。特に誰かのお役に立てることができたら、何よりです。

Twitterもやってますので、追加で聞きたいことなどあれば遠慮なくご連絡ください!


追記(2020.10.11)

転職を決める際に、身の丈で生きる、という点も大事です。身の丈に合ってなさすぎるとチャンスをもらえる確率が低くなり、成長のスパイラルに入ることができず、会社にも個人にも良くないからです。

この教えは、7, 8年前に元Apple Japanの山元さんなら直接教わった108の教えのうちの一つです。今とても身に染みておりますが、身の丈に合わず、イノベーション、新規事業への挑戦は、レベルを上げずに魔王に挑むようなものです。

やはり、しっかりとレベルを上げてから、挑みましょう。そんなふうに最近は思います笑