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アトピー考 その16 ー掻く

アトピーについて考える。1つ目は身体の緊張とアトピーの関係について、2つ目は喘息とアトピーについて、3つ目は体温について、4/5つ目は感情について、6/7つ目と前回の14回目に脱砂糖について、8つ目に求められる即効性とタイムラグについて、9つ目では身体を振り返る、体調を知る方法について、10回目は着る服について、11回目はお医者さんとの関係について、12回目はカミングアウトについて、13回目については呼吸について、15回目はアトピーホルダーの理解者や応援者について私見を書いた。

16回目の今回は掻くという行為について考えた。

アトピーにおいて皮膚が痒いのは仕方がない。痒いと感じるときに掻いてしまう。そのこと自体はもはや避けられないと思う。

では掻いてしまうことに対してどう考えるか。掻くことを前提に対処することがまず第一である。対処対応なのだが、

・常に手の爪を短く丸く切っておく
・指の腹で掻く、皮膚に爪を直接当てて掻かない
・掻くことに罪悪感を持たない
・痒みのサインを知ること

痒みを感じると掻いてしまう。そのこと自体はいわば自然な反応である。なので掻くことで自分自身を痛め傷つけるとは考えずとも良い。罪悪感を感じずとも良い。大切なのはそこから身体が何を発しているのか。どんなサインを送っているのか。あるいはひょっとしたら身体が訴えている悲鳴を感じることだと思う。

また一方で、掻いても良い状況、掻いても皮膚を出来るだけ傷つけない様にする配慮も必要不可欠で爪を伸ばさない様にする。掻くときも指の腹の柔らかいところで掻く様にする。

痒みは身体が発する感覚である。それは打ち消し様がない。意識あるときは掻くのを我慢することも一時的には出来るだろう。しかし、24時間意識がある訳ではない。寝ているときは無意識が支配している(と思う)。起きていても常に意識がある訳ではなく無意識のうちに痒い箇所を掻いてしまうこともある。偶然ではなく必ずある。その身体の反応に抗うのは無理であるし賢いやり方とは思えない。負け戦に挑んで自己嫌悪に陥るのは分かりきっている。それならばむしろ痒みと掻くことは一体であり組み合わせと考える方が自然だと感じる。掻くことへの罪悪感を持つ必要はない。

いやむしろその様な自己否定は捨てて何故痒いのかという原因にフォーカスするのが問題解決指向の前向きな姿勢であろう。痒いと感じたときにはて何をしたから痒いのか。食べ物か、ストレスか、嫌なことがあったのか、などなど。自分を観察する癖を身につけること。そうすることで痒みの原因を突き止めていくことが重要になってくる。

自分は筋金入りの甘党だった。ふとしたきっかけで砂糖を採った2日後に痒みを感じることに気付いた。それまで甘いものは良くない。身体に良くない。アトピーには更に良くないと言われ続けていても砂糖入りのお菓子を食べまくっていた。身体が欲していると感じていたのだが今考えるとその身体の反応、砂糖を欲する脳自体が異常だったと考えざるを得ない。異常なのは客観的に異常であることを認識出来ないところにある。自分自身は正常だと思っている。思い込んでいる。なので砂糖を採って痒みを感じ掻いて皮膚を悪化させる。その繰り返しを何とも思わない。悪循環のループに入り込んでいるのに気付かない。気付けない。その悪のループを断ち切る。おや何かおかしいぞと感じる。何か変だぞと気付く。その出発点に少しでも早く立つ。そのことが大事で痒くて掻くことは自然の反応。何故痒いのかと疑問を持ち本当の理由に気付くことが大切なのである。

逆説的には砂糖の恐ろしさを知るきっかけを作ってくれたアトピーは有り難い病気なのかも知れない。物事はどんなことでも悪い側面だけではないのは確かだとつくづく思う。

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