『映画 えんとつ町のプペル』から学んだ3つのこと
※ !!!注意!!! ※
この記事には『映画 えんとつ町のプペル』のネタバレが含まれます。
これからご覧になる方、まだ見ていない方は、映画を見た後にこの記事を読むことをお勧めします。
※ !!!注意!!! ※
というわけで『えんとつ町のプペル』を2回見に行って気づいたことを3つに絞って記事にしたので、新たな視点として楽しんでもらえたらと思います。
恐怖の先に得られるものがある
映画の中で、もうひとりの主人公である人間の「ルビッチ」は高所恐怖症にもかかわらず、高いところに登ってえんとつ掃除の仕事をしています。
その理由は「星に一番近づくから」なんですが、その星を見るためだったり近づくためにはハシゴを使って高いところに登るという“恐怖”を乗り越えなければなりません。(星の重要性については映画を見たほうがいいです)
逆に“恐怖”の先には得られるものがある。と映画の中では重ね重ね語られているので、監督の西野さんも強いメッセージとして残したと思います。
ボク自身、大人になり不登校の目的がわかった後、当時の自分を体験してみると「もし、母親にとって自分は不要な存在だとしたら…」という“恐怖”があってストレートに聞くことはできなかったことでしょう。
価値観は見直す必要がある。
映画の冒頭のシーンで、空から心臓みたいな宝石のようなものがゴミの山に落ちてきて、竜巻のようにゴミを巻き上げゴミ人間「プペル」が生まれます。
これって人間に置き換えると、生命として誕生した瞬間に赤ちゃんは両親という他人に依存して命をつないでいくわけですが、それと同時に“地球”という環境や、”日本”という社会を生き抜くために必要な考え方。“価値観”をとにかく拾い集めて生き抜こうとします。
そして生き抜くために必要なその“価値観”というものは、自分自身が見つけて作り上げたものでもあるのですが、圧倒的に“他人の価値観”であることが多いのです。(“常識”というのもそれにあたります)
ボク自身で言えば「女性には手をあげてはいけない」という価値観があったために、女性には手をあげませんでしたが、自分自身は一体どういう価値観が望ましいのか?を考えてみると「女性だろうが男性だろうが暴力はいけない」という価値観に変わるわけです。
では一体誰の価値観なのかといえば、両親(特に父親)の影響なわけです。
このように自分が今持っている価値観というのは、社会において自分が生き抜けるように大切に持ってきた“虎の巻”の役割を持っていますが、自分でものを見てしっかり考えて言葉にできる今。自分の価値観と向き合ってバージョンアップさせる必要があると改めて気付かされました。
夢を叶えて困る人がいる
ボクにはこれがジワーっと響きました。それは2回目に見に行った時のことでした。
物語の終盤、ルビッチとプペルはえんとつ町の秘密に気づき、町を覆っている煙を一掃して煙の向こう側にある星をみんなに見せるという夢を達成します。
ですが、えんとつ町を仕切っているエルの血族と異端審問会としては、煙の向こう側があると町民に知られることはデメリットしかありませんでした。
ルビッチやプペルの目標や夢が叶うと、それに賛同してくれる仲間や友達はもちろんできますが、それと同時に、異端審問会などの”えんとつ町の平安を守る側”の人間にはすべての努力が無駄になるというデメリットが突き付けられます。
これは、太陽が昇ると影ができるように、ある種の「作用反作用」のようなものなのかなと思うわけです。
ですが、ここで重要なのはルビッチ達に“悪意”がないということが何よりも重要だと思うのです。
これがもし、異端審問会や町民に対して「もしボクたちが星を見せることができたら町を牛耳ってたやつらは罰を受けて苦しむ」。そして彼らを傷つけるために星を見せたのであれば、どんな動機であれルビッチたちに非があるという捉え方ができますが、それは全くありませんでした。
このように、100人に好かれたり良い結果を与えることが難しく、100人中2~3人がどうしても苦しんだり困ったりする人が出てくるのであれば、そこに悪意がない限りどうあがいても仕方のないことだと思うことも重要だと気付かされました。
まとめ
というわけで、まとめます。
【 恐怖の先に得られるものがある 】
→怖いからと尻込みすることがあるかもしれませんが、その恐怖の先にも得られるものはちゃんとあります。
そして、恐怖ってのは乗り越えてしまうと案外ちっぽけなものなのかもしれません。
【 価値観を見直す必要がある 】
→価値観は、この世を生き抜くためのいわば”虎の巻”ですが、周りの影響を大いに受けています。
経験や語彙力が培われた今、私たちにできることは『自分の価値観のバージョンアップ』です。
【 夢が叶うと困る人もいる 】
→太陽が昇ると影ができるように、素晴らしい夢や目標だとしても、それが達成されると困る人たちが存在します。
ですが、誰かを傷つけるという悪意がなければそれは仕方のないことなのかもしれません。
『えんとつ町のプペル』というのは、元は絵本です。そして、絵本というものは“子どもが読むもの”という認識が強いかもしれませんが、大人こと絵本を読んだほうがいいと思うのです。
なぜなら、子どもの時には表現できなかった感性が、今のあなたの経験や語彙力によって表現され気づくことができるからです。
それでは、素敵な一日を!
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