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読書の日々

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興味本位で手に取って読んだところ面白かった本を紹介していきます。(研究の一環として読んだものは「研究の日々」に挙げてます)
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この国は,明治時代から変わっていない……?

年末年始最後の読書はこれ。 (正確には他にも読んだけど,ブログで他の方々にぜひともお伝えしたいなと思った5冊目がこれ,という意味です) まず感想を言いましょう。日本史はそんなに嫌いというわけではなかったけれど,初めて本気で「日本史って面白い!」と思わされたかもしれない。 それくらい衝撃な本でした。 内容は,明治時代の政府の富国強兵策が,国民の暮らしぶりや意識に与えた影響をわかりやすく論じた本です。 ただ,著者の松沢先生が同書全体を通じて論じられていることの一つで印象的

「売上を,減らそう」?!

年末年始の4冊目はこれ。 著者の中村朱美さんは,京都で夫婦でステーキ丼の「佰食屋」を営む若手女性経営者。 衝撃的なタイトル。売上を減らすって,……ふつうみんなが必死こいて追求してるあれでしょ? なんて思いつつ。私実は,個人飲食店さんの管理会計を研究してたりするので,思わず手に取ってしまいました。 内容はその名の通り,この著者が実践されているビジネスモデル。ここで売上を「減らす」というのは,売上を「限定する」という意味です。飛び切りのステーキ丼を出す一方で,売上は1日10

数値評価は人のモチベを下げる?

さてさて,続いては,私の業界の人たちの間で話題になっていた(と私が思っているだけかもしれんが),この本。 従業員を数字で評価することへ一石を投じる本。自分の会社がだんだん大きくなってきて,自分の思いを理解してもらうためには従業員を何で評価すれば良いか,なんてことを考えている社長さん向けには参考になるかもしれない。もっとも,一般的な日本企業のサラリーマンがこの本の理屈通りの行動パターンを示すかどうかは,私もよくわからないです。 というわけで,この本は,納得半分,違和感半分。

アクティブ・ラーニングは必ずしもアクティブである必要はない?

年末年始の読書第二弾はこれ。 たぶん,どっちかというと初等教育を念頭におきながら,書かれた本。ですが,一応教育者の端くれとして,同年代の教育の専門家がどのようなことを考えているのか関心があったので,買ってみたしだいです。 著者の苫野先生によると,「公教育の本質は,すべての子どもが「自由」に,つまり「生きたいように生きられる」ための”力”を育むことにあります」(p.85)この観点から,同書では,公教育を画一的なシステム,画一的なプロセスの中で実践することの危うさに警鐘を鳴ら

役に立たないものほど役に立つ?

科研の申請やら愛娘の誕生やらありまして,しばらくnoteの更新が止まっていました。久々に更新します。 年末年始,久々に何冊か読書しました。それも研究に関係ないやつ。 といっても,「研究に関係ない」のは今時点でそう思ってるだけで,関係ないかどうかは死ぬまでわからない,というのが,ここでとりあげる一冊目の読書です。 それが,これ。 感想から言えば,のどに刺さってた魚の骨がスッととれた感じがした。 ざっくり私なりの解釈を述べれば,VUCA(不安定,不確実,複雑,曖昧)なこ

古民家カフェ万歳

久々に休みが取れたので,今日は半年くらい滞っていた古民家カフェ巡りをしてきた。 今日は,久々なのでドライブも兼ねてということで,安芸高田の「風のcafe fukumoto」まで足を延ばしてみた。 あまりネット等では宣伝していないそうですが,古民家カフェの特集雑誌で見つけて,あまりにも雰囲気がよさそうだったので行ってみたというわけである。広島市内の我が家から,54号線をひた走り,車で1時間半くらい。 店に入ると,まず左手にお座敷。ここは最近は使っていないらしいけど,昭和っ

イス取りゲームではなく「イスを増やす人」を応援すればいい?

今日は妻が美容院に出かけている間の待ち時間,COCO'Sで2ちゃんねる創業者のひろゆき氏の『働き方完全無双』(大和書房)を読みました。 ※写真のドラえもん人形は,そのCOCO'Sに置いてあったものです。 さて,同書は既成概念にとらわれない働き方についてひろゆき氏の持論が展開された本です。 数か月積読になっていたのを,ようやく引っ張り出してきて読みました。 感想は人により様々かと思いますが,私が特に興味深かったのは,著者の働き方の根底にある発想でした。 最も印象深かったの