濱田太陽

沖縄科学技術大学院大学でPh.Dを取得し, 株式会社アラヤで研究者. 脳とAIを結びつ…

濱田太陽

沖縄科学技術大学院大学でPh.Dを取得し, 株式会社アラヤで研究者. 脳とAIを結びつける好奇心について研究. Twitter @HiroHamadaJP

マガジン

  • 大富豪はなぜ研究財団を設立するか?

    大富豪は寄付をする。 それも莫大な額で。 研究機関にはそういった寄付に期待する人もいるだろう。 しかし, 慈善の心で寄付をするのだろうか? 何か偶然の巡り合わせなのだろうか? それとも他の思惑があるのだろうか? このマガジンでは, 大富豪が研究財団や機関に寄付してきた歴史や動機について解き明かしていく。

  • 研究小話

    研究の小話をしていきます. 生活とかキャリアとか, そういうところについてこぼれ話を書いておきます.

  • 研究の研究シリーズ

  • 【起業家精神, イノベーション, 研究】

    研究所の運営や財団, それらの歴史などの記事を安く購入できます. - 『理化学研究所三代目所長, 大河内正敏とは何者か?』 - 『高峰譲吉の夢: 国民科学研究所の設立の経緯』 - 『イノベーションの用語集』 - 『イノベーション関連の書籍紹介』 - 『起業家精神, 好奇心, そして歴史』

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最近の記事

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面識のない方が濱田に質問する際のお願い

最近twitterを通じて多くの連絡をいただきます。 多くの方に丁寧なメッセージを頂くのですが、そうでない場合もあります。 恐る恐る話してみると、高校生や学生の方であることもあります。 よく知らない方から一方的にメッセージを頂くのは私は怖いと思う人間なので、質問するのであれば以下のことを頭に入れておいてメッセージを書いて欲しいと思います。 メッセージを頂くことが増えてきたので、今後このことを考慮していないと思われるものについては、お返事できません。 ー 1. twi

    • 彼を知り己を知れば - あるいは35歳問題への私の応答

      昔村上春樹が書いた35歳問題について思うことを残しておきます。 つまり、35歳で「自分の限界がわかり、着地点もわかってくる」という問題です。私はこれを思想家の東浩紀の話から20歳ぐらいの時に知ったと思います。 また、利根川進先生の本に38歳程度で研究者は、生涯で最も顕著な成果を残す仕事をすることが多い。という言葉も、少なくとも35歳までにその準備をしておかなければならないという教訓として心に残っています。 私自身、(そして多くの野心がある人たちは) 20代前半までは、自

      • 人を繋げたがる人の胡散臭さについて

        誰かと誰かが繋がると何か面白いことが起こるかもなんて考えることがよくある。それが本当にうまくいくこともあるが、大抵は、変な人と出会って終わることが多い。 こう言うのが好きなお節介な人は、そこそこセンスがないと大体なんか動くけど面倒な人だなと思われる。 じゃ自分も胡散臭い人ではないのかと言われると、ある人から見れば胡散臭いし、そうではないということもある。文脈にも非常に依存する。 一般的に胡散臭い人になるためにはどんなコミュニケーションを取ると良いのだろうか7つを見ていこ

        • 日本でDeSciを進めるための現在の問題 ver 2.0

          約2年前に『日本でDeSciを進めるための現在の問題 ver 1.0』という記事を書いた。この時の記事は、日本でDeSciをやる可能性が明確ではなくDAOを中心に考えていた。 しかし、2年経ってさまざまな活動を経て、DeSciの可能性がより明らかになってきた。その結果が、2024年3月に『情報の科学と技術』より公開された論文に記してある。 この論文の成果としては、以下の3つであり日本のみならず世界的にみても DeSciをコンセプトと技術を最もよく整理した内容だと考えている

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        • 大富豪はなぜ研究財団を設立するか?
          7本
          ¥500
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          5本
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          3本
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        記事

          逆張りの慈善活動家: ジョン・テンプルトン

          ジョン・テンプルトンと聞いて、20世紀後半を代表する投資家としての彼を知っている人は投資家だろうし、研究者はジョン・テンプルトン財団を通じて知っているだろう. だが、彼が何者なのかその半生と共に知っている人は少ない. ジョン・テンプルトンはテネシー州で1912年に生まれた投資家・篤志家である. 彼の半生は、2022年にYoutubeにコントラリアン(="逆張り投資家")というタイトルであげられており、彼の性格そして活動をよく表現している. イェール大学に進学するとポーカー

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          逆張りの慈善活動家: ジョン・テンプルトン

          テイカーとギバーの自己認識が異なることで生まれる誤解がある

          テイカーとギバーには認識の違いがあることが最近わかった。 自分ではギバーのつもりで提案しているつもりでも、雑用を受けてあげているという認識の人もいる。そういう人たちにとっては、私がテイカーで彼らがギバーであるのだ。 その認識の違いがある場合は仕事がうまくいかないことが多い。うまくいっても長期的な関係にはならない。離れることでチャンスを自己認識させるまで待つしかないことが多い。 この感覚がわかる人はそれほど多くはない。だらこそギブとテイクで提案する必要がある。

          テイカーとギバーの自己認識が異なることで生まれる誤解がある

          ヴィジョンとパスと成果について

          最近考えていることにヴィジョンとパスの関係がある。 よくヴィジョンが大事という話があるが、ヴィジョンを説いても反応が悪いことが多い。 さらにヴィジョンから考えられるパス=道筋を提案し結果が出たらようやく反応が変わることが多い。 そこでようやくヴィジョンの価値が出てくる。このサイクルを何度も回していかないとうまくいかない。遡行的にヴィジョンの価値が出てくる。 つまり構想としては、ヴィジョン→パス→成果の順に思いつくが、 成果→パス→ヴィジョンの順に評価が伝播していく。

          ヴィジョンとパスと成果について

          DeSci Tokyo Conference 2023開催に向けて考え、動いたこと

          DeSci Tokyo Conference 2023 #DSTC2023 を4月15日、16日に開催すること ができた。私が一番作業をしたためCommittee Chairとして名乗らせてもらうことにした。 この記事は、理解してもらうためではなく記録として残しておくために執筆した。このような自由を許してくださったCEOの金井さんと、応援してくれた株式会社アラヤの方々には本当に頭が上がらない。 去年の5月には以下の記事を書いていたが、自分の手で実現させることになるとは思わ

          DeSci Tokyo Conference 2023開催に向けて考え、動いたこと

          一時の熱狂で冷めてしまう人にはそれなりの罰が下る

          ここ一年相談を受けることが多くなりました。 基本的には私はコールドメール/メッセージの方が好きです。 人脈なき人にとってそれがもっともフェアに繋がれる方法だからです。 一方で、コールドメールであってもサポートできないメッセージを送る人たちがいます。 大抵そのような人たちが提案するプロジェクトは似通っていて、仮説がはっきりしていない場合が多いように感じています。 その場合、他の関連した人たちに紹介するべきかかなり迷います。大抵優秀な人たちは忙しくその人たちに時間を作ってい

          一時の熱狂で冷めてしまう人にはそれなりの罰が下る

          【連載1】統合科学技術としてのニューロテック: ニューロツイン、分散型データ基盤、機械学習

          ニューロテックとは、Neurotechnologyの略称で、ブレインテックとも呼ばれ、脳の活動をモニタリングする技術や、脳を刺激し治療や能力向上をうながす技術、またこれらを支援する技術など、”ニューロサイエンス(神経科学)を応用した技術”の総称とされています [1]。 Neuralinkに代表されるように大規模な研究開発が進んでおり、ニューロテックが社会で今後どこまで受け入れられるか注目されています。 現在、脳の活動の信号を抽出するためのデバイスの開発競争が特に進んでいま

          【連載1】統合科学技術としてのニューロテック: ニューロツイン、分散型データ基盤、機械学習

          Neuralinkの発表をどう評価すべきか? [修正予定]

          2022年12月に Neuralinkから発表があったのは多くの人たちもご存知だろう。 この発表の目的はリクルーティングと最初に述べられており、素直に捉えれば、この発表の目的がリクルーティングに適したメッセージを送っていたのかを評価する必要があるだろう。 この文章では、この観点に立って、2022年12月14日行われるイベントのためのメモとして残しておく。 本発表とのちに出てきた報道に基づいて以下の三つの論点を中心に各論を展開したいと思っている。 目的とその目的にあった

          Neuralinkの発表をどう評価すべきか? [修正予定]

          Metascientiaで目指すもの

          Metascientiaは、「科学を再考する」をコンセプトに、世界の科学ニュースやディープテックスタートアップをメタな視点で紹介&考察していくメディアです。 2022年の10月から複数のメンバーと共に立ち上げます。濱田1人で運営するのではなく、複数のメンバーがそれぞれ放送したい内容を上げていくスタイルを目指します。 ■ Twitter https://twitter.com/meta_scientia ■ Anchor https://anchor.fm/ac6u1qr

          Metascientiaで目指すもの

          次の10年の覚悟

          1年半ぐらい前にこの文章を書いた。 この時は研究者として続けられる保証もなかったので、適度にトーンを落として文章を書いている。 今年になって5年は続けないといけない状況になったので、次の10年について自分が考えていることを残しておく。うまくいかなくても自分のアイディアは価値があると思っている。 細かい内容についてはわからないが、テーマについてはほぼ決まっている。しかも次の10年は研究者として、最も重要な時期になるという気持ちで臨む。これ以降はビジネス的な意味での挑戦が起こ

          次の10年の覚悟

          分散型サイエンスは新たなオープンサイエンスを可能にするか?(ポスター)

          https://www2.aeplan.co.jp/jaas2022/

          分散型サイエンスは新たなオープンサイエンスを可能にするか?(ポスター)

          自動徴税機としてのパブリックブロックチェーンが公共財を支援するロジック

          Filecoinを提供としているProtocol Labsは定期的に Funding the commonsというイベントを開催している。 そこでは、GITCOINのメンバーやRadical x changeの人たちも参加している。 よく「パブリックブロックチェーンは公共財だ」という宣言がされるがどういう意味か言語化されたのを見たことがなかった。 自分なりに整理できたので記しておく。 ETHやSolanaなどのパブリックブロックチェーンは、それ自体だけでは、意味がなく

          自動徴税機としてのパブリックブロックチェーンが公共財を支援するロジック

          DeSciガバナンスの関連情報 (収集中)

          分散型研究組織"の作り方。 クリプトにおけるガバナンス Quadratic Fundingなど Focused Research Organization 機関としてのDAO Radical x change

          DeSciガバナンスの関連情報 (収集中)