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Oblivion

きみの記憶の残渣が
未だにぼくをえぐる
その声と眼差しが
ふとしたことで
網膜と鼓膜の内によみがえる
忘れようしても
ぼくはいつもきみを
ひきずっている

忘却は罪でもあり
そして救いでもある
いずれぼくも
忘れられた星屑のひとつとなり
この静寂の天蓋の下で
きみを忘れ
きみに忘れられる
そんな時がくる

でもきっと
この冷たい痛みは
数千光年離れたところでも
酵母のように降り積り
沈殿した多くの証の中から
きっと泡のようによみがえる
そう。痛みと悲しみは
永遠なのだよ
永遠なのだよ

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