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オレがオレが

この時期、去年担任していた生徒の保護者から生徒指導上の相談が学校に入ったとする。自分が対応したい、と思う。例えば自分が学年主任だとしたら、組織論上は自分が対応しても構わない。しかし、それでは新しい担任を飛び越えて指導することになる。新しい学級は始まったばかり。長い目で見れば、新担任が対応したほうがいい。こうしたトラブルは新担任と生徒、新担任と保護者が関係を築くチャンスだからだ。自分が対応すれば、生徒も保護者も自分を頼るようになってしまう。理屈はそういうことだ。

それでも対応したい。一本電話を入れて話を聞きたい、聞いてあげたい、そう思ってしまう。

でも、電話しない。電話してはいけない。担任を飛び越えてはいけない。それが学年主任の務め。そういうときが実は一番苦しい。こういうのは上に立たないとわからない。

もちろん、担任の手に余れば、結果的には自分のところまで上がってくる。でも、そうなればいいのに…という話にはならない。担任レベルで解決されるのが一番いい。学年主任が出て、学年レベルで指導するのはあくまで加害者の側であって、相談してきた被害者の側ではない。被害者側は学年レベルにまで上がってくることなく、新担任との関係がうまく築かれて行くのが一番良いのだ。

オレがオレがとしゃしゃり出る旧担任、担任を飛び越えて指導する学年主任や生徒指導主事、トラブル電話に担任を飛び越えて対応してしまう管理職。どれもこれもみんなダメだ。でも、そういう旧担任や上司のなんと多いことだろう…。

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