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ライティングのコツ|「長文」編|10
前回の記事「ライティングのコツ|「長文」編|9」までは、「言葉の引き出しを増やす方法について考えてみました。今回は「信じてもらえる言葉」について考えてみたいと思います。それでは始めてまいりましょうか。
6)信じてもらえる言葉を選ぼう
ではひとつ質問です
Q:あなたはどんな話なら信じますか?
失恋中のあなたは「誰も、何も信じられない…」なんて言いたくなるかもしれませんが、そこはまあ抑えていただいて(笑
いろんな意見があるとは思うのですが、私はこんな時、信じてしまいます。
A:その話をしてくれた人物自体を信頼している、または信頼できる根拠があるとき
そもそも信頼している家族からの話だったり、データや実例など確かな情報がある時、ですね。
でも広告の世界ではうまいこと、信憑性のありそうなデータや体験談を引用して作られてるケースって、よくありますよね。なぜそこまでして信頼にこだわりのか。それは
広告は、基本的に信じてもらえないから
だと思っています。広告に慣れてるんですよね、昔と違って現代の人々は。作り手だけでなく受け取る側の消費者も。だから美辞麗句だけ並べても、前回の記事で書いたように、使い古された言葉で書いても響かない。
だから信じてもらえる情報を集める。それには事実を伝える。これが一番強いんだろうな、と私は思っています。
ちょっとひとつ例題です。以下の文章を読んで、何を感じますか?
例1) 商品の説明文で
「 これはいま、とても注目を集めているすごい商品なんです」
という文章
例2) 求人広告等で
「 当社はとってもアットホームな会社です」
という文章
例文1では、商品のすごさをうたっています。例文2では、アットホームさをウリにしています。ただ、どれも「本当なのか?」と、思いませんか?その根拠はどこにも無い。そこにあるのはよくある言い回しだけ。だから響かないんですね。
ではちょっと変えてみますね。
例1)商品の説明文
「 これはいま、とても注目を集めているすごい商品なんです」
⬇
「これは開発に3年、研究費に1億円をかけて生まれた商品なんです」
例2)求人広告等で
「 当社はとってもアットホームな会社です。」
⬇
「 当社では上司を役職で呼ばず、“○○さん”と敬称で呼んでいます。」
「すごい」「アットホーム」という抽象的な情報を、具体的な事実に書きかえてみました。あっ…、上司を「○○さん」と呼ぶくらいじゃアットホームとは言えないですかね…。そこはご容赦下さい。
つまり、言いたかったのは
「 すごいな 」と思った話こそ、「 すごい 」とは書かない、ということ。
書き手が「 すごい 」と感じた「 事実 」を書いて、読み手に「 すごい 」と言わせる文章がいいなと。
商品チラシを目にしたカスタマーが、「へーすごいな」と、ぼそっと呟く。求人広告をみた求職者が、「へー、アットホームなんだな」と、心の中で思う。
そんな風にリアクションしてもらえる文章って、きっと良い文章だと私は思います。これは長文であれ、広告であれ、きっと同じことかなと。
読み手にきちんと情報が伝わる文章になるといいですよね。
はい、今回2回に渡って「言葉」について考えてきました。次回からはまた新しくテーマを変えてお届け致します!
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