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「ライティングのコツ|「長文」編|8」

前回の記事「ライティングのコツ|「長文」編|7」では、「構成力」を身につけよう、というテーマに沿って、例文をみながらご説明していきました。今回は「構成力」についてお話する最後の記事。

※参考>「ライティングのコツ」は、以下メニューでお届け中です。

● 0)はじめに〜ライティングのコツをお伝えする前に
● 1) 伝わりにくい文章にしないコツ

● 2)人に優しい文章を書くコツ(前後半)
●【 豆知識 】1
●【 豆知識 】2
● 3)「構成力」を身につけよう 
● 4)「構成力」に欠かせない最後のコツ →今回の記事はココ
● 5)言葉の引き出しを増やそう
● 6)信じてもらえる言葉を選ぼう

それでは始めてまいりましょうか。

4)「構成力」に欠かせない、最後のコツ

実はこれまでにお伝えした、構成に大事な3つのコツ
「誰に伝えたい?」「何を伝えたい?」「一番伝えたいのは何?」
のほかにもうひとつ、構成に欠かせない大切な作業があります。それは、

「順番」

どの話を、どの順番ですると、読んだ人にわかりやすく、しかも納得・共感してもらえるか、を考えて書くとよりよい長文になるのではないかと思っています。

例えば、

お小遣いを日払い1000円(原則、出勤日のみ支給)から、月払い30000円にして欲しい、と切に願う旦那さんがいるとしますよね。この夫婦それぞれのメリット・デメリットをカンタンなマトリックスにしてみました。

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旦那さんからみると、お小遣い月30000円ならメリットいっぱい♪です。でも奥さんからみれば、1日1000円なら旦那さんの行動が読めると思っているかもしれないですし(笑)、なにより予算は現状維持でOK。月30000円にしちゃったら予算増です。
しいていてば、奥さんが月30000円にするメリットは、「平日は毎朝きちんと、夫に1000円渡すタスクが無くなる」というくらい。
「いや、予算増えるくらいなら、朝起きてちゃんと旦那に小遣いくらい渡すわ!」って主婦が大半ではないでしょうか・・?

そう考えると、旦那さんがお小遣い月30000円にするという目標は、非常にハードル高そうですよね…。

では旦那さんの立場になって、構成してみましょう。

1:誰に伝えたい?=もちろん、奥さんです。

で、その奥さんってどんな人でしょう?そして夫は?
仮説でいかのような人物だとしますよ。

●夫>
・営業職、会社員。妻(28歳)と、幼稚園に通う息子(5歳)3人暮らし。
現在、結婚7年め。
・いわゆる平社員。ただ、最近異動してきた新しい上司に気に入られ、新しいプロジェクトを任されはじめた。残業や出張で帰宅が遅くなる日も。
・この上司との仕事は楽しい上に、出世(収入増)のキッカケになりそう!なぜなら彼はかなりのやり手で、社長もお気に入り。出世街道まっしぐら。飲みニケーションが好きなこの上司ともっと絡んでいきたい!!でも1日1000円のお小遣いじゃできない…。奥さんもなかなか怖いし言い出せない。
・お小遣いあげてくれたら、毎日家事も手伝うし、子どもの面倒ももっと見るし、もちろん仕事も頑張るのに…!!(悶々)
●妻>
・短大卒業後、飲食店にてホールスタッフ勤務。
・平日は10−14時で近くの喫茶店にランチ配膳のアルバイト中。毎日忙しくしながらも、子育て・家事ともにストレス無くこなしている。旦那の帰りは最近遅い日もあるが、さほど気になってない。それよりもっと仕事頑張って欲しいから…!!
・唯一の心配ごとは貯金。いつか新築のマンションを買いたいとコツコツ貯金中だが、息子の習い事など、なにかとお金がかかるので思うように貯金できない。
・幼稚園に通う息子は平日14時には帰宅。もちろん土日祝日は在宅。自分の勤務時間・収入は増やせない。

貯金は一番気になることですもんねー・・・。

2:何を伝えたい?=奥さんへ伝えたいことです。

・月30000円にしたら、仕事も頑張るし、毎日家事も手伝うつもりはある
・子どもの面倒ももっと見るよ。
・ついでに奥さんは毎朝、お小遣いを渡す手間がなくなるよ!
・ホントは新しい上司が飲みニケーション好き。彼との付き合いを増やしたい
・彼は社長のお気に入り(将来性を感じる)
・彼との仕事は出世に繋がりそう!(我が家に収入増の可能性が…!)

ざっとこんな感じでしょうか。

さて、仮にご主人がなーんにも構成を設計せずに、精神論で頼んだパターンと、誰に、何を、一番伝えたいかを考えた上で、「順番」も意識したパターン、ふたつ比較してみますね

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左は、伝えるべき「誰=奥さん」の課題が見えてない。単にご主人の気持ち、言いたいことを羅列しているだけです。
右は、「誰=奥さん」の課題も見据えた上で、伝える順番も考えています。最初に1000円しかないと、飲みに行けない!って話をしたら奥さん的には絶対アウトですもんね。

つまり、
「お小遣いを月3万円にして」というお願いではなく、
「お小遣いを月3万円にするほうが良い」という提案に共感してもらわないと人は動かないなー、と。

そのためには、誰に、何を、一番に、そしてどの順番で伝えるかって、とても大事。だからこそ「構成力」は「文章力」に比例する、そう言えるなーと、私は考えています。

さて、今回で構成力、についてのお話はおしまい。
次回からは長文によく使う「言葉」について少し考えてみたいと思います


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