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アルコール抜き飲料の可能性

ヴェリタスブロイというノンアルコールビールがある。

ひょんなことから、知人に教えてもらい飲んでみたのだが、これが非常に旨いノンアルコールビールなのである。なんでもドイツで作られている、ノーアルコールビールで、そもそも製法が日本のそれらとは違うようなのだ。

通常のビールはノンアルコールビールとして生成されるようなのだが、このヴェリタスブロイは通常のビールを作った後にアルコールを抜くという製法だという。

そのため、ビールとほぼ同じカロリー、そしてプリン体なども含んでいる。しかしこのビール、非常にうまい。ビールからアルコールを抜いてもビールと変わらぬ風味・香り・苦味があることに驚く(それなのに添加物不使用らしい)。日本メーカーのノンアルコールビール人工甘味料の口に残るベタベタとした甘みや苦味、風味の欠落した軽さがお世辞にも美味しいとは言えず、麦茶や烏龍茶を飲んでいる方がマシと感じていた。それだけに驚きであった。そしてこのアルコール抜き飲料というマーケット非常に大きいのではないかと気がついた。


禁酒を初めて約一ヶ月半。体はお酒を飲まないことにはだいぶ慣れてきた。しかし正直に言って食事の時少し物足りないことがある。特に居酒屋などで周りの人がお酒を飲むような、飲食店に行ったとき、特に感じる。

お酒を飲みたい、アルコールを摂りたいという欲求ではない。食事をしながらお酒がないと何か物足りない感じがするのである。そんな時このヴェリタスブロイを飲んでみるとその物足りなさを感じることが一切なかったのだ。

恐らくだが、コレは食事の味覚のバランスの問題なのだと思う。居酒屋など夜の飲食店で出されるような食事は、お酒を飲みながら食べられることを想定し若干塩味や油を濃く・多くしていることが多い。そのためお酒がなければ物足りず、ノンアルコールビールにある苦みや風味が、食事とよくバランスするのではないかと思う。

肉料理を食べた時も、別にアルコールを取りたいわけではないけれど、赤ワインの渋味、苦味、風味、香りを感じながら食べたいと思う時がある。
丁寧に精米された純米吟醸や、辛めの日本酒なんかは美味しい料理を食べた時に口にしたいと思うことが多い。
食べた後のウイスキーもしかりである。

そんな時に、ヴェリタスブロイのようなアルコール抜きワインやアルコール抜きウイスキーがあったら、どうだろうか。新鮮な刺し身とアルコール抜きの日本酒なんかも飲んでみたい。

若者の間ではお酒は飲めないわけじゃないけど飲まないという人は結構いるし、ノンアルコールのバーなども生まれている。世界に目を向けてもアルコール離れは進んでいる。世界的ワインの産地である現在フランスやイタリアでも若者のワインの消費量が非常に減ってきているそうである。それはやはりアルコールが与える体への影響を感じ始めているからだそうだ。

そんな状況でも「アルコールは摂りたくないが、料理と一緒にお酒の持っている味を楽しみたい」と思う人はいるのではないかと思う。

アルコール抜き飲料というジャンルができれば常に大きなブルーオーシャンが広がっているのではないかとヴェリタスブロイを飲みながら感じるところなのである。ヴェリタスブロイがどのようにアルコールを抜いているのかは詳しく分からないが、おそらくとても可能性のある技術や分野だと思うので自分なりに少し勉強してみようと思う。


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