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お盆が終わりました

入寺・住職になってはじめてのお盆が終わりました。

昨年は前住職が亡くなられて、お盆のお参りは、初盆のお宅を代務住職のむりょうさんがお参りしてくれました。
このコロナ禍で、ギリギリまでお参りするかどうか、悩みました。
2年も住職がお参りしないのは、ご門徒との距離が確実に開いてしまいますし、かといって、ご高齢の方が多いご門徒のお宅に伺うのはどうか。。。40数軒ですので、各お宅に、私からお電話をして、直前で中止にするかもしれないことと、上がらせて頂く際は、アルコールでの消毒を行うことと、お茶のご接待はご遠慮させていただくことをお話しました。

8日に遠方のお宅を2軒、13日と14日でお参りをさせていただきました。読経だけで帰らせて頂くつもりでしたが、このコロナ禍でのいろんなことについて、お話を伺いました。また、冷たいペットボトルのお茶や栄養ドリンクをもたせてくださったり、季節の野菜を頂いたりしました。あらためましてありがとうございました。
僧侶になって、30年。いろんな気づきがありました。備忘録として、いくつか。

こういうときだからこそ、誰かと話をしたい、誰かに話しを聴いてほしい。

ワカモノには、LINEやTwiterがありますが、トシヨリはどうなん?ということです。特に独居や高齢者だけのお宅。デイサービスは再開しましたが、地域の活動はストップしたままです。テレビでは、情報の薄いものが繰り返し。不安が増幅します。畑や田んぼのこと、病院や学校のこと、お仕事のことを伺がったり、お盆の仏事のお尋ねや、中には堰を切ったように、抱えてらっしゃる不安をお話される方もいらっしゃいます。
リモートでの学校の授業への不安、事業の見通しが立たない不安、持病への不安、遠方の家族が帰省できず会えない不安、そして自分が亡くなってからのことへの不安。ぼくに答えを求めてらっしゃるわけではなく、ただ「聞いてほしい」ということだと思います。これからずっと続く関係ですので、折々でお話を「聞く」ことが、ぼくの一番の役目だと感じました。

お寺から情報発信するには、軸足が大事。

隔月でお配りしている寺報は、みなさんよくご覧になってくださっています。お若い方からご高齢の方まで。難しい仏教の専門用語をなるべくなくして、地域のこと、社会のこと、生活のこと、この時代を生きることについて、仏教ではどうみるのか?ということを書いています。
仏教のお伝えするにあたって大事なことで、「応病与薬」ということばがあります。周りのお坊さんは、とかく「ウェブだ!」「YouTubeだ!」「SNSだ!」と仰ってます。それも正解。でもそれ以上に、ご門徒(檀家)との対面コミュニケーション、地域でともに生活しているという安心感を共有することのほうが大事だと思うんです。暑い中境内を掃除してますと、ご近所のご門徒から差し入れがあって、それをいただきながらお話をしたり、取った草・掃いた落ち葉を畑で焼いてくださったり、頂いた野菜で漬物をつくったお話をしたり・・・この延長線上に、ソーシャルメディアやウェブでの展開があると確信できました。仏法は魔法じゃなくて、漢方薬のようなものですね。同じことの繰り返しが大切ということですね。

古くて新しい取り組みも、大事。

今年は前住職がお参りされていたような日程で、各お宅をお参りさせていただきました。13日〜15日で40数軒。今年のように40度になるときついですが、読経してお話して、で朝から夕方までで回れる戸数です。
ただその間、妻(坊守)と娘が留守番をしてくれていますが、年に1度しか帰省・お参りにお越しにならない方もいらっしゃって、ずっと会えないかたもいらっしゃいます。ご家族連れでお参りにお越しになってるのに、お話もできません。今年は子どもさん向けにお菓子のセットとお念珠を用意しました。お寺に来たらお菓子がもらえて、子どもも親も祖父母もみんなニコニコになりますね。感染対策でお茶はペットボトルのものをお持ち帰りいただきました。
ということで、「来年の話をすると、鬼が笑うそうですが、鬼も笑う2021年にしましょうね。」というマクラで、8月の第1週の土日で、お盆のお参りに伺うことと、13日〜15日は、お寺でお待ちすることにします。みなさん概ね了承いただきました。お盆の飾り物(お供え物)はどうするのか?という質問もありましたが、お仏壇の掃除と、お花をお供え頂いて、いわゆるお盆の飾りやお供え物は、浄土真宗とは違う、地域の風習なので、各ご家庭でいままでどおりして下さい、とご説明しました。

長雨で、梅雨明けからお盆までの期間が短かったですが、地元の造園会社さんに境内の植栽を剪定して頂き、裏庭は、就労支援施設の利用者さんに草をとって頂きました。またお盆に間に合うように、庫裏(住居部分)の水回りの改修ができました。あらためましてありがとうございました。
夏の疲れは、時差でやってくるようで、ここ数日、だるさが残っています。また「特定多数」の方とお会いしたお盆ですので、1週間はなるべく自宅にいて、おとなしくしていたいと思います。
お盆が終われば、すぐに「お彼岸」。彼岸会法要が終わったら、次は御正忌報恩講。何かが終われば、何かが始まる。。。毎日の時間を大事にすこさないといけませんね。




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