【吃音】吃音症状の改善は1日にしてならず

今、すぐにでも流暢に話せるようになりたい!
今、すぐにでも治して!!

こう思う方、こう願う方は多いと思います。
もちろん、こう思うことは決して悪いことではありません。

しかし、改善や悪化に一喜一憂してしまい、それだけで心が疲れてしまう…ということもあるでしょう。

改善していく過程を知っておくと、改善や悪化に一喜一憂することが少なくなる可能性もあります。

心理状態は、ショック → 否認 → 怒り、悲しみ → 適応 → 再起 の過程で進んでいきます。

言語症状は、やる度に改善に向かっていく方もいなくはないですが、多くの方は良くなったり悪くなったりしながらも、少しずつ改善に向かっていくことが多いように思います。

話す上での失敗体験や不快な気持ちが積み重なってくると、吃音症状が悪化していきます。
これは、学習的な要因ともされ、生活してきた中で話す行為・行動と考え方(認知・認識)が悪いかたちで条件付けされてきてしまったものともとれます。
話し方、行動、考え方を良い方向・楽な方向に変えていくためには、これらを練習などで再学習(再教育)していく必要があります。
専門家に一瞬で治してもらうことを期待するばかりで、アドバイスや練習をしても、自身では何もしない、実生活では全く活かそうともしない方が時々いらっしゃいます。
そのような方は、本当の意味で自分自身と向き合おうとしていない場合が多いように感じます。

走ることに例えてみましょう。
あまり良くないとされるフォームで走る方がいたとします。
その方は、速く走れるようになりたいと思う(願う)だけで速く走れるようになるでしょうか。
多くの方は、思う(願う)だけでは速く走れるようにはならないと思います。
正しいフォーム、その人に合ったフォームを知り、今までのフォーム(走り方)とは全く違うフォーム(走り方)を獲得していかなければなりません。
そのためには、実際の場などでくり返し意識づけ・練習・実践をしていくかどうかが大変重要になってきます。

1日(数分~数時間)で何もせずにすべてを理解して、一気に変えられるなら、誰も苦労しません。
今までとは全然違うやり方・動き方に変えていくわけですから、どうしても相応の時間はかかります。

今すぐに何とかしたい、今すぐに改善してほしいという気持ちもわかりますが、「吃音症状の改善は1日にしてならず」です。
まずは、自分自身としっかり向き合ってみませんか。
また、ひとりで行うのが難しい方は、誰かと一緒に行うようにすると良いかもしれませんね。

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