飯田裕幸

吃音相談室Relieve 代表|言語聴覚士。吃音を中心としたことばの相談室・サロンを運…

飯田裕幸

吃音相談室Relieve 代表|言語聴覚士。吃音を中心としたことばの相談室・サロンを運営。その他、児童発達、介護施設、訪問看護等、いくつかの外部機関で勤務・委託。現在は、吃音やことば、いじめ・不登校などへの適切な理解や支援が広がる地域社会の実現に向けての活動をすすめている。

最近の記事

【占い】知りたい内容によって、合う占いと合わない占いがある?!-占いの役割は?種類は?合う占いの探し方-

私は実は、7~8年前頃から個人的な趣味で占いをやっていました。 相談室では、あまり表には情報を出していませんが、占いもやっており、四柱推命とタロット・オラクルを主軸に、宿曜・数秘等を用いています。 占いの希望者は、現在は1ヶ月に1人くらいですかね。 (有料としているからかもしれませんが) 鑑定をさせていただいた人たちからは、「当たってます…」とか「なるほど、だからかー!」とか、様々良い感想をいただくことが多いです。 皆様の中には、占いに興味がある方、興味はあるけど結果を聞

    • 【吃音】「治したい…」の裏にあるもの-吃音のある方や保護者の複雑な心理-

      吃音のある方が抱きやすい心理 まずは、吃音のある方が抱きやすい心理についてお伝えします。 吃音は、直接話してみて初めて分かることも多くあります。 また、同じ状況・場面でも吃音が出るときと出ないときがあり、表面には見えにくいものでもあるため、本人は困難感を感じていて悩んでいるのに周囲は気づいていないということも起こりえます。 吃音のある方自身の中でも、「どうしてなるのかが分からないから怖い・不安…」という方も多いです。 大事なことは、本当の主訴と問題点を捉えること 初回

      • 【吃音に関連するもの】痙攣性発声障害について

        痙攣性発声障害とは痙攣性発声障害(SD=Spasmodic Dysphonia)は、声を出そうとすると、自分の意志と無関係に声帯が異常な動き方をしてしまう状態を指します。 脳の大脳基底核の異常によって起こるジストニアの一種と考えられているが、原因は不明。大きく3つのタイプに分類されます。 ○ 内転型:最も患者数が多いタイプ。声を出そうとすると声帯が過度に内側に閉じようとしてしまうため、締めつけられて絞り出すような声になってしまう。 ○ 外転型:声を出そうとすると声帯が開い

        • 【吃音】対応できる医療機関や言語聴覚士が少ない理由-part 2-

          今回は、対応できる医療機関や言語聴覚士が少ない理由 part 2を書きます。 構音(発音)のアプローチ方法と吃音のアプローチ方法って多分違うと思うし、構音は何となくわかるけど、吃音はよく知らないから手が出せない 最近、このようなことを耳にする機会が特に多くなりました。 実際、構音はできるけど、吃音は分からないから苦手…という言語聴覚士、かなり多いです。 では、構音(発音)のアプローチ方法と吃音のアプローチ方法では、どんな違いがあるのでしょうか。 構音(発音)と吃音で

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          【吃音】吃音症状の改善は1日にしてならず

          今、すぐにでも流暢に話せるようになりたい! 今、すぐにでも治して!! こう思う方、こう願う方は多いと思います。 もちろん、こう思うことは決して悪いことではありません。 しかし、改善や悪化に一喜一憂してしまい、それだけで心が疲れてしまう…ということもあるでしょう。 改善していく過程を知っておくと、改善や悪化に一喜一憂することが少なくなる可能性もあります。 心理状態は、ショック → 否認 → 怒り、悲しみ → 適応 → 再起 の過程で進んでいきます。 言語症状は、やる度

          【吃音】吃音症状の改善は1日にしてならず

          【吃音】対応できる医療機関や言語聴覚士が少ない理由

          当院では、新型コロナウイルスの警戒ステージに応じてですが、基本的には県内・県外問わず相談を受け入れています。 ですが、中には「遠くて通えない」という方や、居住地に近い病院を紹介した方が良いだろうと感じる方がいらっしゃいます。 改善を目指していくのであれば、あまり期間をあけずに定期的に通院するのが良いですし、定期的に通院をするのであれば、居住地に近い病院のほうが通いやすいですね。 私個人のもとにも、勤務先にも、県内・県外問わず、 「吃音を診てくれる病院はありますか?」 という

          【吃音】対応できる医療機関や言語聴覚士が少ない理由

          【吃音】就学前の子の訓練はできない?成長するまで待つしかないのか?

          「まだ小さいから、訓練はできないですし、様子をみましょう」 このように言われた経験のある方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか。 幼児期は、身体・認知・言語・情緒など、全ての面で発達途上にあります。 「滑らかに話す」という能力においても同様です。 そのため、「滑らかに話す」能力がよりよく発達するよう、指導の場や家庭での環境づくりが必要になります。 整えられた環境の中でスムーズに話す経験を増やすことが、スムーズに話すための脳内の神経ネットワークを強くすることにつながり

          【吃音】就学前の子の訓練はできない?成長するまで待つしかないのか?

          【吃音】まだ小さいから、吃音や話し方への自覚がない?それは本当か?

          吃音への自覚がまだないので、訓練は難しい、訓練はできない…と言われましたと、来院された際に教えてくださる方もおります。 では、実際には、就学前の子には吃音や話し方への自覚が全然ないのでしょうか? 答えは NO です。 とある研究で、4歳では80%程度、5歳ではほぼ100%の子が、吃音や話し方についての自覚を少なからず持っているという結果が出ているようです。 2~3歳でも、自身の状態に少なからず気づいている子もいます。 ということは、大人が「まだ自覚は持っていないだろう」

          【吃音】まだ小さいから、吃音や話し方への自覚がない?それは本当か?

          【吃音】吃音のある人は、障害者なのか?個性なのか?

          障害者とは? 障害者についての定義は、下記のように記されています。 「障害者」とは、障害者総合支援法によると身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があり、障害および社会との関わり方によって生活や仕事に制限を受けている人とされています。 吃音のある人は、障害者なのか? この内容からみると、「生活や仕事に制限を受けている人」ということですので、吃音の症状がある=障害者とはいえないのではないかと思います。 インターネット、文献、書籍などでは、「

          【吃音】吃音のある人は、障害者なのか?個性なのか?

          【吃音】10月22日は『国際吃音啓発の日』

          10月22日は『国際吃音啓発の日』 この日に向けて、この日に合わせるようにして、様々な団体や個人が、吃音の啓発活動(記事投稿や研修会など)を実施しており、吃音について学べる機会、学べる場が増えています。 昔と比べると、吃音に関する情報が新聞やテレビなどのメディアに取り上げられることも増えてきて、『吃音』という言葉が少しずつ知られてきているのはとても嬉しいことですが、情報の量や種類が増えていることにおいては、メリット・デメリットの両方があると思っています。 <メリット> 様

          【吃音】10月22日は『国際吃音啓発の日』

          【リハビリテーション】練習・訓練をすること自体が目的になってはいけない-本来の意味を知ることの重要性-

          『リハビリテーション』というと、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による機能訓練をイメージする方が多いことと思います。 『リハビリテーション』とは、WHO(世界保健機関)によれば「能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するための、あらゆる手段を含む」とされており、概念としては幅広く、人がその人らしく生きるということを目的としています。 また、『リハビリテーション』の目的は「全人的復権」とされており、もともとはラテン語で、re(再び)+habilis(適する)

          【リハビリテーション】練習・訓練をすること自体が目的になってはいけない-本来の意味を知ることの重要性-

          【吃音】合理的配慮と障害者手帳について

          合理的配慮 2016年から「障害者差別解消法」が施行され、不当な差別的扱いや合理的配慮についての内容が記載されました。 これは、吃音においても有効で、障害者手帳を持っていなくても、この法律の対象となります。 ● 不当な差別的扱い:本人の同意なしに、発表などをさせない、発言や音読の順番を飛ばす、など ● 合理的配慮をしない:助けを求めたり、配慮についてのお願いをしているにも関わらず、手助けや配慮をしない 幼稚園・保育園、学校、会社などに、合理的配慮をお願いしていくことがで

          【吃音】合理的配慮と障害者手帳について

          【吃音】切れ目のない支援と保健・教育分野への介入・連携の重要性

          『家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクト~障害のある子と家族をもっと元気に~』  発達障害をはじめ障害のある子供たちへの支援に当たっては、行政分野を超えた切れ目ない連携が不可欠であり、一層の推進が求められているところです。  特に、教育と福祉の連携については、学校と児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所等との相互理解の促進や、保護者も含めた情報共有の必要性が指摘されています。こうした課題を踏まえ、各地方自治体の教育委員会や福祉部局が主導し、支援が必要な

          【吃音】切れ目のない支援と保健・教育分野への介入・連携の重要性

          【吃音】二次的障害:社交不安障害、対人恐怖症

          社交不安障害、対人恐怖症(SAD) 吃音の症状が進展(悪化)するとみられてくるもの(二次的障害)として、社交不安障害、対人恐怖症があります。 これは、吃音のある方の約50%に合併するとされています。 社交不安障害、対人恐怖症の症状は、「外的要因」がきっかけになり、神経質な性格、感情、症状に対する誤った考え方などの「内的要因」によって、ますます強くなってしまいます。 【 外的要因 】 恥ずかしくショックな出来事がきっかけとなることが多い 【 内的要因 】 不安や緊張などの感

          【吃音】二次的障害:社交不安障害、対人恐怖症

          【吃音】吃音の特徴を知る

          吃音には、特徴となる症状・状態があります。 それが以下のものです。 ○ 話し始め(の音)で言葉が出にくいことが多い ○ 言いやすい言葉と言いにくい言葉がある(決まった苦手な音がある場合も多い)→ あ行から始まる言葉が特に苦手な人は多いです ○ 調子が良いときと悪いときがある(吃音の波) (吃音の症状には波があり、軽くなったり重くなったりを繰り返すのも特徴です。ことばがスムーズに出ないときもあれば、すらすらしゃべれるときもあります。) ○ 歌ではどもらない ○ 一緒に同じ

          【吃音】吃音の特徴を知る

          【吃音】不登校・休職や吃音の急激な悪化を防ぐために-各年代におけるリスクとマネジメント-

          「朝の健康観察で、返事をするときに毎回言葉が出なくて…学校に行くのが嫌になってきてしまって、今は学校を休んでます」 「電話対応や朝礼のあいさつで毎回どもる。毎日の不安も大きくて、薬(抗不安薬や睡眠薬)を服用したり、精神科で診断をもらって現在は休職しています」 吃音のある学生や社会人で、日常生活に大きな困難を毎日のように感じて、不登校になったり、休職をされる方もおります。 また、不登校や休職まではいかなくても、予期不安がとても大きくなったり、何かのきっかけで吃音が急激に悪化

          【吃音】不登校・休職や吃音の急激な悪化を防ぐために-各年代におけるリスクとマネジメント-