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台湾建築雑感

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建築設計・工事監理・コンサルタント業務を通して感じた、台湾人の考え方を紹介していきます。建築に関する設計と施工業務というのは、国が違うとこんなにも異なるのかということを知っていた… もっと読む
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記事一覧

【台湾建築雑観】音に対する感覚

日本から台湾に来ると、生活する際の音に対する感覚の違いに気がつきます。これは、基本的に住…

【台湾建築雑観】台北の洪水対策

台北では、過去恒常的に洪水の被害がありました。この土地には基隆河、大漢溪、新店渓の3つの…

【台湾建築雑観】避難階段の規定

台湾で建築の実務をやっていると、日本と同じ様な建築法規体系の中に、いくつか日本と異なるも…

【台湾建築雑観】施工図の概念

日本での設計業務は大雑把に言うと、次の様な経過をたどります。 基本構想 基本設計 確認申…

【台湾建築雑観】symmetry or asymmetry?

台湾の住宅の設計を見ていて、今は慣れてしまいましたが、当初とても違和感を感じていたことが…

【台湾建築雑観】家賃が安すぎる!

僕は、台湾で日系ディベロッパーの建築コンサルタントの仕事をしていますが、その中で感じてい…

【台湾建築雑観】頭の固いインフラ設備関連会社

台湾人に、日本人はよく"頭コンクリー"と馬鹿にされます。融通が利かない、フレキシブルな発想ができないという認識を、多くの台湾人が日本人に対して持っています。 ここでは、逆に日本人が見て台湾の建設システムはここが"頭コンクリー"だと思うことを書いてみます。それは電気会社、ガス会社、水道会社のインフラ設備関連会社に対してです。 機械設備編で書いてきたことと重複しますが、こうまとめてみると、台湾のこれらの公共インフラの会社が共通に持っている課題が見えてきます。 【水道会社】 台

【台湾建築雑観】囤房族とは

8月の聯合報にあったこのヘッドニュースの、"囤房族"という用語に目が留まりました。房が部屋…

【台湾建築雑観】設備工事(その五)

今回は、電気工事について説明します。 台湾の電気設備工事はおおよそ日本と同じなので、最初…

【台湾建築雑観】設備工事(その四)

今回は、空調設備工事について説明します。 住宅用に用いる空調設備は、日本でも台湾でも同じ…

【台湾建築雑観】設備工事(その三)

今回は、台湾のガス工事について説明します。 台湾では設備工事について建築ライセンス申請時…

【台湾建築雑感】台湾建築師の歴史(その四)

「誰是建築師? 臺博館辦展回顧二戰後臺灣現代建築師制度的演變」の展覧会の内容に基づいた、…

【台湾建築雑感】台湾建築師の歴史(その三)

「誰是建築師? 臺博館辦展回顧二戰後臺灣現代建築師制度的演變」の展覧会の内容に基づいた、…

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【台湾建築雑感】台湾建築師の歴史(そのニ)

「誰是建築師? 臺博館辦展回顧二戰後臺灣現代建築師制度的演變」の展覧会の内容に基づいた、台湾の建築師の歴史を説明する第二回です。今回は建築師の法制度の整備と資格試験について説明します。 前回の説明は、下記のリンクでご覧ください。 3-2 誰が建築師になれるのか 「現代の教育が、基本的に専門的な能力を持った人材を育てることを重視しているため、「学歴」を有する教育制度を整備することがまず必要になりました。中華民国政府の定めた《技師甄錄學程》を見ると、高等教育を受けた学歴を持