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顧客と向き合うことだけが、イノベーションに繋がる道となる

『今のマーケットで1位になれないなら新たな軸を作りその軸で1位になりなさい』という考えがはっきりしている

真ん中に消費者を置こうと常に言い続けている

P&G流マーケティングの極意とは? 現役マーケ統括とOBが語る

変化の予兆は常に顧客にある。未来は必ず顧客が起点にムーブメントが起きて、変化していくのだ。

その変化の予兆を捉え、そこに対して顧客が予期せぬ形でアプローチし、それが浸透した結果として、社会変革が起こる。それこそがイノベーションだ。だから顧客に徹底的に向き合う。

顧客と向き合うためには顧客との接点は重要だ。しかしそれはバリューチェーンの中で接点があるだけでは足りない。イノベーションにはそれでは足りないのだ。

よく大手企業は「顧客との接点がある」と言う。しかし本質的に持っていないことが多い。量販店を通じて販売しているケースなどは顧客接点はないに等しい。それではイノベーションに至ることはできない。

顧客と直接対峙して、顧客の実像を知り、行動を知り、考えを知り、判断基準を知り、悩みを知り、課題を知る。顧客のリビングがありありと頭の中に浮かぶまでいっていなければ、顧客との接点があるとは言えない。徹底的に向き合っているとは言えない。

そこまでして顧客と向き合うと、ふとした瞬間に変化の予兆に出会うことができる。その変化の予兆を捉えて最初に動くからこそ、イノベーション後のゲーム・チェンジした世界で、マーケットのマジョリティをとることができる。イノベーションの前後においては「ファースト・ムーバー・テイクス・オール(最初に動いたものの総取り)」だ。

サーフィンに例えればわかりやすいだろう。陸にあがって波待ちをして、波に乗れることはあるだろうか。もしギリギリ間に合って乗れたとしても、それはすでに波が流れた後の余波でしかない。波を乗りこなすためにこそ、沖に出て波を待っていなければならない

その波待ちの行動の1つが「顧客と直接対峙して、その声を聞く」ことだ。イノベーションは、クレバーでオシャレな活動ではない。そういうのは意識高い系に任せておこう。イノベーションとは泥臭く人間味のあるウェットな活動の中からしか生まれ出でないのだ。

顧客に徹底的に向き合い、顧客の行動を理解し、心理を捉え、その中にある潜在的な課題が明確になったとき、そこにイノベーションの閃きが起こる

 消費者ニーズを徹底的なリサーチで深掘り、市場を特性に基づいて細分化(セグメンテーション)。どこの市場を狙うか(ターゲティング)、その市場でどんな立ち位置を取るか(ポジショニング)を固め、商品開発に移る。基本の工程を忠実に繰り返し、成功を収めてきたという。

 企業がP&G流に学ぶべきは方法論やフレームワークではなく、消費者心理を徹底して追求しようとする飽くなき探究心なのかもしれない。



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