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未来を切り拓く戦略的意志決定をし、挑戦の火を灯せ

成功からの慣性が、イノベーションへの抵抗をうむ

どんな事業や製品も必ずディスラプトされる。だからどんな企業においても常にイノベーションが必要なのだ。

深化は、既存のシステム、製品、プロセスを最適化し、改善すること。安定と利益性を提供する。一方、探索は、新しい領域に進出して新しいアイデアを試し、新しい機会を創出すること。リスキーだが、長期的な生存には不可欠だ。深化と探索のバランスを見つけるのは一朝一夕の仕事ではなく、戦略的意志が必要だ。

しかし、既存の事業が長く続けば続くほど、トランスフォーメーションへの抵抗は強まる。組織が成熟するにつれて、深化への引力が増していく。成熟期の企業はしばしば微増の改善のループにはまり、自分たちの成功の慣性から自由になれない。しかし、まさにこの慣性がより俊敏で革新的な競合他社によるディスラプションに対して脆弱にしてしまう

イノベーションの抵抗に争う戦略的意志が必要

ビジネスリーダーは、このイノベーションの抵抗に対して抗わねばならない。深化の短期的利益と、探索の長期的必要性とのバランスを取らねばならない。直近の利益だけに焦点を当てるのではなく、未来に投資するための戦略的意志が必要になる。

これの良い例がAppleだ。iPhoneの成功にも関わらず、同社はウェアラブルや拡張現実といった新しい市場と技術を探求し続けている。この探索的なマインドセットが、Appleをイノベーションの最前線に保ち、競争優位を維持することを可能にしている。

リーダーは挑戦の火を灯せ

深化への引力、成功の慣性の中で、組織はどのようにして探索の戦略的意志を育むことができるのだろうか?答えは、リーダーによるチームへの挑戦の火を灯す能力にある。

まず、リーダーは好奇心と実験の文化を創る必要がある。メンバーに対して、挑戦し、リスクを取るように促す。アルベルト・アインシュタインはかつて「重要なのは疑問を止めないことだ」といった。安定に対して安寧とせず、常に疑問を持たねばならない。

次に、探索をサポートすることに予算、時間、人員などのリソースを割り当てる。探索は投資を必要とし、リーダーの責任はメンバーの挑戦に対して必要なサポートを提供することにある。

最後に、失敗を成功と同じくらい祝福する。探索には試行錯誤が伴い、すべての挑戦が成功するわけではない。失敗を貴重な学習経験として扱う環境を育てることで、リーダーはメンバーにリスクを取り、イノベーションを促進することができ、メンバーは気軽に挑戦することができる。

未来を切り拓く戦略的意志

決して避けることのできないディスラプションの中で、企業は深化と探索の両方に挑み続けなければならない。これには進化と探索の2つをバランスする戦略的意志が必要であり、成功の慣性に抵抗し、イノベーションの文化を育てることが必要だ。これができれば企業は常に変化し続ける世界で繁栄を続けることができる。


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