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〜書き残したあの風景〜【羽幌線三泊駅】

【写真集 P.076 羽幌線三泊駅】

先日、札幌へ来た帰り、足を伸ばし
留萌本線へと向かった。

4〜5年振りだったろうか。
単行キハ54系に揺られ、かつてより寂れ、盲腸線となってしまった
留萌本線往復の旅を楽しんだ。

終着の留萌駅。かつてその先には、二つの線路が伸びていた。
(古くは天塩鉄道を含めた三つの路線)
南へ向かう増毛までの路線と、北は宗谷本線の幌延へと向かう羽幌線だ。

私が何度となくこの地を訪れていた昭和60年代。留萌は日本海側、今はオロロンラインと呼ばれるエリア最大の街。札幌から直通の急行列車も往来し、駅は主要駅然とした活気と風格を兼ね備えていた。

かつての栄華を偲ばせるのは、おそらくその駅構内の広さと、現在の輸送量には似合わぬ駅舎の規模であろう。

駅改札を抜け、漂ってきた駅そばの香りに誘われ、この駅で有名な「にしんそば」を食べ、その先にあった羽幌線の記憶へと想いを巡らせた。

留萌駅を出て市街地を抜け、海岸へと向かう羽幌線の最初の停車駅は
「三泊駅」であった。写真集に掲載した写真は、夕方の幌延行きに乗車し、
窓越しに撮ったものだ。

夕日の斜光に照らされて、オレンジ色の車体が映えるキハ22の向こう、
数人の高校生が家路へと向かう、懐かしい風景。

気づけばもう、35年以上前、遠い羽幌線のワンシーン。

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〈羽幌線 三泊駅 1987年3月30日廃止〉

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