鈴木松尾

読んだ本の感想文を残していきます。どなたかの疑似体験になればありがたいです。 小説は…

鈴木松尾

読んだ本の感想文を残していきます。どなたかの疑似体験になればありがたいです。 小説はこちらで公開しています(無料)。 https://kakuyomu.jp/users/nishimura-hir0yukl/works

最近の記事

太陽がいっぱい(パトリシア・ハイスミス)を読むと、メメントモリを疑似体験できる

太陽がいっぱい(パトリシア・ハイスミス)の読書感想文です。3点に分けて書きます。タイトルの意味は3に書いてあります。ネタバレを含むのは2からです。 1.きっかけ 2.あらすじ見るならどこ? 3.メメントモリを擬似体験する、とは。 1.きっかけ  2000年の上映開始のときに映画館で観ました。面白い映画だったので原作が気になり21年間が過ぎてました。本は近くて遠い。読書はたまに修行、たまに娯楽、たまに一日のメイン。 2.あらすじを見るならどこ? ①私の検索では見当たりま

    • 推し、燃ゆ(宇佐美りん)を読んだら、凄まじい文句が返って来た

      「推し、燃ゆ」の読書感想文です。4点に分けて書きます。タイトルの意味は3にあります。 1.きっかけ 2.あらすじと解説を読むならどこ? 3.感想(ネタバレ含む) 4.備考 1.芥川賞受賞を文芸誌で知っていつか読もうと思っていました。タイトルが良いですね。  紗倉まなさんの「春、死なん」も同じく黙読したときに感じる「響きの良さ」がありますね(未読)。 2.この作品に関してはあんまり参考になるサイトは見つけられませんでした。  凝っている解説サイトはあるんですが、凝り過ぎ

      • ライ麦畑でつかまえて タイトルの和訳の謎、と隠し味

        ライ麦畑でつかまえて(J.D.サリンジャー)を読みました。5点に分けて書きます。隠し味は4に書いてあります。 1.きっかけ 2.あらすじと解説を探すならここ 3.面白かったところ  ①厨二が良い感じ  ②フィービーがかわいい 4.タイトルの隠し味 リンク有り(カクヨム、無料) 5.備考 1.お馴染みの「攻殻機動隊SAC」です。  作中にかなり引用されています。本書自体も登場します。 2.あらすじと解説はここ  Wikipediaさんは良いです。  ブログの一記事として感

        • 近代能楽集(三島由紀夫) を読んで「だから何?」は練習できない好意だと、知る

          近代能楽集(三島由紀夫)の読書感想文です。5項目に分けて書きます。タイトルの意味は4の最終行にあります。もし面白ければフォローお願い致します! 1.きっかけ 2.あらすじと解説を探すならここ 3.面白かったところ 4.だから何?の答え 5.備考 1.攻殻機動隊 SAC 2ndGIGをきっかけに読みました。 2.あらすじと解説ならここ ①本書巻末の本人によるあとがきが良いです。ドナルド・キーンさんの解説も付いています。 ②やはりWikipediaさんは優劣ですね。 ③あと

        太陽がいっぱい(パトリシア・ハイスミス)を読むと、メメントモリを疑似体験できる

        • 推し、燃ゆ(宇佐美りん)を読んだら、凄まじい文句が返って来た

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          一九八四年(ジョージ・オーウェル) を読むと「とりあえず」が言えなくなるかも。

          一九八四年(ジョージ・オーウェル)481頁の読書感想文です。6つに分けて書きます。 ※とりあえずが言えなくなる理由は4の②に書きました。 1.攻殻機動隊SAC_2045をキッカケに読み始めました。1stシーズンの終わり三話ぐらいに小説として出て来ます。来月11月に総集編映画が上映される前に読み終えようとしたのがモチベーションでした。 また、作中の「ビッグブラザー」は攻殻機動隊SACの第二十一話でも環衛星通信傍受網として出てきます。かなりの縁語。本作を読み終えてからたまたま

          一九八四年(ジョージ・オーウェル) を読むと「とりあえず」が言えなくなるかも。

          砂の女(安部公房) を読んでブラック会社に居る理由を知った

          「砂の女」の読書感想文です。6点に分けて書きます。 1.人がブラック会社に居続ける主な理由とは何か(答えは5にあります)  この作品を読む前は、退職を決める情報とか言い出す勇気、の不足と思っていました。 2.この作品を読んでバイトしていた頃を思い出します。  連日、創業祭の準備でタイムカードに退勤の打刻をしてから残業している店長が妙に生き生きしていると感じた時、とか「社員が白を『黒だ』と言えばそれは黒なんだよ」と訳知り顔で話すバイトリーダーを見た経験、を思い出しています。

          砂の女(安部公房) を読んでブラック会社に居る理由を知った

          ソフィーの世界 に答えがあると思って

          私が大学受験浪人していた時に出版された本で、何年かに渡り何度も挫折して、読むのを連続して中断していた本です。以下6点に分け書きます。 1.作中のたとえ話が難しかった・・・  挫折の理由です。西洋人と私東洋人の文化の違い?年齢の違い?読解力の差?色んな要因があるかも知れませんが、作中で出してくれるたとえ話が全く馴染めませんでした。最初にこの本を手に取ったのは「現代文」を受験の得点源にしていた頃でした、のでかなりショックでした。 2.この本を読み始めたときの、あの期待!  今

          ソフィーの世界 に答えがあると思って

          「伊豆の踊子」を読んだら最後に

           伊豆の踊子の読書感想文です。最後の船内エピソードが後を引いてます。  問題はこの作品の最後にあります。  踊り子とのお別れにさみしさを感じている主人公「私」が、東京に変える船内で悲しみに暮れていたところ、同じく東京に受験に向かう少年が「私」に親切にしてくれているシーンがあります。物語でいう最後の最後です。「私」は彼の優しさに素直に受け入れる心境ではあるのですが、「私」はその彼の学生マントの中に「もぐり込んで」彼の体温に温かみを感じながら泣くだけ泣いて、物語は終わります。

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          アルジャーノンに花束を を読んでみたら

           高校生のとき、  クラスのバスケ部のモテる男子が手にしているのを見て、「カッコつけだなぁ」と思って読まなかった本です。当時の私は、海外の本は「24人のビリーミリガン」で挫折していたので読まないとしていましたが、同じ作者とは思いませんでした。そしてその彼がオシャレの一環でそのハードカバーをカバンから出し入れしていると思い込んでいたので、私がこの本を買って読んでいたらマネしたことになる、として手を出さなかった本です。  何で今になって手を出したかというと  「アルジャーノ

          アルジャーノンに花束を を読んでみたら