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恋愛は楽しくて嬉しくて辛くて哀しいもの(カッコつけました)

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彼女に一目惚れして、彼女と一緒に棲んで、彼女が突然出て行った主人公の話です。ひとむかし前に書いたので多少古い表現がありますが、見て見ぬふりをしてください。ふふふと楽しんでいただけ… もっと読む
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記事一覧

小説≪1・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・1≫

 彼女と初めて出会ったのは、繁華街にあるこじゃれた居酒屋だった。明日は海の日という夕方。…

KUBOTAAKIRA
1年前
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小説≪2・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・2≫

その店を再び訪れたのは1週間後だった。居酒屋に1人で行く勇気はない。ファミレスにも牛…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪3・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・3≫

ぼくらが3度目に会ったのはその日の夕方だった。 いつもは長くて長くて仕方ない仕…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪4・なっちゃんとすごしたあの暑い夏の日々・4≫

→→→眼下に広がる夜景は自慢でもあった。ぼくは四季で変わる風景の違いーライトアップされ…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪5・なっちゃんとすごしたあの暑い夏の日々・5≫

 めざめると目は赤く腫れあがっていた。あかない目をこじ開け、コンタクトをむりやりねじこん…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪6・なっちゃんとすごしたあの暑い夏の日々・6≫

→→→ぼくの上に四つんばいになった彼女は顔をすいっと近づけた。真顔で。なにもせずに、ぼく…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪7・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・7≫

→→→現地産の高い調味料を何回か購入し味を覚えると、近所のスーパーに市販されている材料を買い配合をあれこれ考え再現した。けれどお米だけは代用が効かなくて、ジャスミン米やタイ米を買わざるを得なかった(粘りの少ないそれらに比べて日本米は粘りがでてしまうため、同じ料理を作ったつもりが別物になってしまったことがあった)。どう?試行錯誤のすえ、いちからつくった料理になっちゃんは、上手にできてるね美味しいわとほめてくれたり、おみせのはもっとすっぱかったわとアドバイスしてくれた。また、が

小説≪8・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・8≫

→→→それだけで笑顔になれた。暑いというだけでいらだち、おなかの大きな野良猫を追いかけま…

KUBOTAAKIRA
2年前

小説≪9・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・9≫

→→→彼女との楽しい毎日を誰かに話したくてしかたなかった。けれどぼくには友人らしい友人は…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪10・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・10≫

→→→きっとそれがのろけに聞こえたのよ。そのひと、彼女がいる?うまくいってる?自分の恋愛…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪11・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・11≫

 ふたつあるブランコにふたり並んで座り、それを漕いだ。ブランコは子ども専用なのか小さくて…

KUBOTAAKIRA
2年前
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小説≪12・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・12≫

駅前から僕のアパートに続く上り坂の傾斜は8度。標識に書いてあるからまちがいない。おま…

KUBOTAAKIRA
2年前

小説≪13・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・13》

→→→けれど彼女との恋愛には妥協も我慢も許容も必要なかった。なっちゃんとの恋愛は前者だっ…

KUBOTAAKIRA
2年前

小説≪14・なっちゃんとすごしたあの夏の暑い日々・14≫

→→→なっちゃんは、ごめんねと本当に申し訳なさそうに謝った。そしてからだを起こし、ぼくを抱きしめ、頭をなでてくれた。彼女のやわらかで甘い匂いがぼくをつつみこんだ。たくさんの嫌な過去が解けて消えてくれそうだった。 「あなたを傷つけようとしていったわけじゃないと思うわ。若いころって相手の気持ちなんてほとんど考えずに、思いつきで言うことのほうが多いと思う。あんまり気にしないことよ。女の子の方が精神的に大人のことが多いし」 トラウマになったあの言葉。あの日からぼくは性交渉がこわく