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【川崎駅ランチ戦争】ラーメン威風とのたたかい




完全に出遅れた




その日、私は完全に出遅れた。


土曜12時過ぎ、
晴天の川崎で昼飯を食べる店を探すのはあまりにも遅すぎたのだ。

気分的にラーメンが食べたかったのだが・・・
ヒルメシドラフト1位の天下一品は大行列、
ドラフト2位の天龍も大行列、



そりゃそうだよな( ノД`)



これはヤバい。
このままでは完全にランチ難民に陥る・・・

しかし、こういう時に救世主となりえる店がある。


それが、威風系である。



威風系と言われてもなんじゃそりゃ?と言われるかもしれない。

威風系とは、どこの店も混んでるのになぜか空いてるラーメン店のことである。

威風系ではなく、そのまんま威風の店内を覗くと・・・

やはり、空席がある。この時間帯に空席があることに一抹の不安はよぎった。

だが、空腹には抗えない・・・

看板を見る限り
この店のイチ押しは濃厚味噌らーめんらしい。

濃厚味噌のほか、白味噌、赤味噌、辛味噌、旭川醤油、つけ麺とあるようだ。要するに、味噌メインだけど


辛口、醤油、つけ麺もやってます感。


うん、このポリシーあんのかないのかよくわからん感こそが威風系。

カレーライスや唐揚げ定食もあるラーメン屋ほどではないが、ウチはこれで勝負してる感はない。

そして、威風系は味噌メインな場合が多い。

ご存じのとおり、味噌ラーメンは大跳ねはないものの大間違いもない

そもそも味噌ラーメンはまずく作る方が難しい、それほどに味噌ラーメンは味噌の味。

大きな失敗になる可能性が低いこと、空席が目の前にあること、空腹レベルがマックスであることから、私は今日のヒルメシドラフト外れ1位に威風を指名した。

こちらのお店は店外にキャッシュレス用券売機、店内に現金用券売機が設置されている。

キャッシュレス派の私は外の券売機を利用したが・・・、現金とキャッシュレスのヒエラルキーは無視できない。

店側の立場から考えるとキャッシュレスは手数料を持っていかれる利益率が微妙に低い客。

ゆえに、この配置はキャッシュレス客に対する明確な意思表示なのかもしれない。

時期が酷暑の夏、または極寒の冬の場合、私なら意地でも店内で現金払いするだろうな・・・などと思いつつ、屋外のキャッシュレス券売機で注文。

【注文内容】
・赤味噌チャーシューメン 1,000円
・ライス 100円

「イラッシャマセ~、コチラデオネガイシマス~」

店内に入ると初老の中国系男性が、旧型松屋でよく見かけたU字型のカウンター内から席を指定し、水を置いてくれた。

あ、ここに座れという意思表示ね。

接客は中国系男性、調理は中国系女性2人がやっている模様。

目の前に氷水ポットがあるので安心して水分補給できそうだ。

ティッシュは各席のテーブル下に設置されており、気兼ねなく使用できるのはありがたい。

調味料は、酢、醤油、ラー油、塩、唐辛子、フライドガーリック?
まぁスタンダードであろう。

・・・

ラーメンが到着するまで、私は店内を観察する癖がある。

特に気になるのは客層だ。

ブランディングにもかかわるが、消費者はこのお店の客と自分がフィットするかを無意識に意識している。

要は浮くかどうかだ。

例えば、スタバ。

スタバにはMacを持ち込んでる客&若い女性客がいるあるある、というのが10年前の風潮としてあった。

ゆえに、Macを持っている彼らはスタバに行きたがったし、Macじゃない人たちはエクセルシオールに行っていたかもしれない。

お店の環境が自分もフィットしていて居心地が悪くないかは結構重要なポイントである。

ラーメン店でいうと、いかにも「私はラーメン通です」のような客が大半を占めているかどうか、は重要ポイントだ。

正直に言えば、私はラーメン通ではないし次〇系ラーメン店には行ったことがない。ラーメンに対してそこまで気合が入ってないし、独特のしきたりがある中で滞りなく注文する自信もない。面倒くさくて行ったことがないのだ。

そのため、いかにもラーメン通が通う店なのか、だれしもに愛される店なのか等は、小心者の私にとっては気になる。

ただ、威風は完璧だった。

そもそも


ラメカジ客がほとんどいない


説明の必要はないかと思うが、ラメカジとは「ラーメンガチ勢男性たちのカジュアル」の略である。

ラーメンガチ勢の95%は男性だと思っている。

そして、有名ラーメン屋に寄ってくる彼らのファッションは似ている。

色合いは黒、グレー、濃紺などのパンツと上着を合わせがち。
インナーのシャツはなぜかチェック柄率68%・
無個性と見せかけてめちゃくちゃ個性的である

シンプルに言えば



モテなさそう



ただ、威風の客層はそうではなかった。

私の左側には子供2人&夫婦のファミリー客、対面には昼キャバの休憩時間ですか?と思わせるギャル客、穏やかに笑顔で会話するアラ還夫婦、GUファッションの10代カップルなど、どう見てもラーメンガチ勢ではない。

ははーん、さてはどこも混んでたからここに来たのだな?
ま、俺も一緒だけど

要するに、特に主張や偏りが見られない客層であり、ラーメンガチ勢が足繫く通う店ではない。

言い替えれば


誰もが安心して入れるお店


前向きに考えれば、非ラーメンガチ勢の私も居心地が良い・・・てことだな。

などとくだらないことを考えていると、ラーメン着丼。

こちらが赤味噌チャーシューメンとライスだ。

【食べた感想】
・チャーシューが分厚くておいしい、ライスに合う
・ラーメン普通にうまい
・良い意味ですごい深みがあるわけではないがうまい

普通に旨いがやはり味噌のおかげで味が決まってるしうまい。
ゆえに、「え!?何この味!?」のような感動はない。

調理している中国系女性もどう見ても職人ではないことから、誰が作っても再現できる仕組みのあるラーメンと表現できるだろう。

個人的な意見として「中毒性は高くないけどたまに食べるのは良い」である。

値段に関しては、チャーシューメン&ライスで1000円以内に収まればうれしいところだが・・・

【ラーメン威風 ヒルメシクエスト評価】
・味:7
・ボリューム:6
・雰囲気:6
・コスパ:4
・味の再現性:8

初回なのになんで味の再現性8やねんと言われそうですが、いやこちらのお店は完全に誰でも同じ味が作れる仕組みがあるお店だと思われますので。

どこのお店も混んでいるような状況のときに、いつでもウェルカム感を出してくれそうな威風さん。

プロ野球で言えば、貴重な中継ぎ。
我が阪神タイガースから宿敵巨人に移籍した貴重な中継ぎ馬場投手にはぜひ今後ご活躍されることを祈りたい(阪神戦以外で

ということで、個人的には、安定した味噌ラーメンが食べたいときに利用したいなというお店でした。

ランチ難民に陥りそうな時、腹を減らしながら店を探すのではなく、威風系ラーメンで手を打つと、想定以上に満足することもあるでしょう。

それでは!

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