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がんと『運』その2

同じ抗がん剤治療を受けても、効果が出る人とでない人がおり、
どちらになるかは『運』の要素が大きいのではないか
『運』であれば、あきらめるしかないかというとそうではなく、運の方程式に則って『運』は鍛えることができそうだというのが前回のお話しでした。
今回は、抗がん剤治療を受けていく中で、実際にどうすれば良いのか?というお話しをしていければと思っております。
今回もどうぞよろしくお願いいたします。

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▼おさらい
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『運』の方程式とは
幸運=(行動×多様+察知)×回復
とのことでした。
変数は、「行動」「多様」「察知」「回復」の4つです。
これら4つの変数のうち、一つでもあげることができれば、少なくとも現状よりは『運』が良くなる、つまり抗がん剤治療が成功する確率が上がると言えます。
もちろん4つ全てを上げていくことが最終目標となると思いますが、まずはどれか一つを選んで、そこを重点的に改善していくことを考えてもらえると良いのかなって思います。
どれを選べば良いのか迷うかもしれませんが、著者のオススメは、「最も自分に足りていない部分」「苦手な部分」からだそうです。
本書には24の質問に答えることで自分に足りていない部分がわかるようになっておりますので、ご興味がございましたら本書を手に取っていただき、自分発見していただければ、より効率的になることでしょう。

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▼行動
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「行動」とは、行動する、チャレンジする回数のことです。
成功率が1%という難しい仕事にチャレンジした場合、もちろん1回では99%失敗するのですが、2回目では99×99≒98%と成功率が2%まで上昇します。100回チャレンジできると、その成功率は60%を超え、459回目で99%に達するとのことです(本文より)。
抗がん剤治療においては、奏効率50%くらいとして考えると、1回目の治療で効果が出なくても、2回目の治療まででは75%、3番目の治療までで約90%の方に効果が出る計算になります(そんなに単純な話しではないことは重々承知しておりますが・・・)。
つまり、1回目の治療がうまく行かなかったからと言ってそこであきらめてしまうのではなく、次こそはと信じて治療を継続していくことが、『運』を引き寄せるに大切とであるということですね。
もしどの抗がん剤でもダメだったら???
その時は放射線治療を検討してみたりなどはあるでしょうし、がんと共存しながら楽しく過ごす道を模索してみたりなどもあるかと思います(こちらは次の多様にも通じますね)。
「行動」に際してもう一つ重要なことは、選択した治療一つ一つをしっかりと継続することです。続けていたら効果が現れたかもしれない治療を、副作用などのため効果が出る前に中止してしまった場合、チャンスが1回減ってしまいます。
そうならないために、副作用対策にも「行動」(試行錯誤)が必要です。副作用としての「吐き気」がつらいなどの場合、吐き気止めを色々試してみることもできますし、食事を工夫してみる、食べるタイミングを変えてみるなどなど、チャレンジすべきことはたくさんあります。
チャレンジ回数を増やすことで、成功をたぐり寄せる。
地味ですが、確かになぁ~って思いました。

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▼多様
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「多様」とは、色々なことという意味です。
そんな事知っているよと言われそうですが、知っていることとできることはまた別のもの。
副作用が大変という方の多くが、同じループにはまってしまっていると思います。
抗がん剤治療の副作用は、毎コース同じように出ることが多いです。点滴後1週間くらい経つと数日間必ず下痢をするなどですね。
副作用としての下痢の場合、ロペラミドという下痢止め薬が良く処方されます。しかし、それではあまり良くならない方も結構存在します。
「下痢が大変なので、下痢止めを処方してもらったのは良いが、飲んでもあまり良くならない。ガマンするしかないのだろうか?」という質問を受けることはとても多いです。
1回飲んで効果がなかったから、この下痢止めは効かないと考えて、飲むのをやめてしまう方の多いこと、多いこと。
また、本当に効果がなかったのかと思ったら、飲んだ後下痢の回数は減ったとのことで、効果がないイコール全くないわけではないことも多いことに気づかされます。
回数を増やして飲んでみる。もう少し早めのタイミングで飲んでみる。何日か続けて飲んでみる。食べているもの、飲んでいるもので下痢の原因になってしまっているものがないかチェックしてみて、もしあればそれをしばらく止めてみる等々。
下痢に対してあきらめる前に、やってみる価値がある方法は結構たくさんあると思います。
そのような多様な対処をしないで困っている方、やってはみたもののそれでも改善がなく困っている方、どちらもいらっしゃると思いますが
いずれにしても困って担当医に相談してみた結果、
「下痢止めはもう十分使用しているから、それでも下痢がひどい場合には抗がん剤を減らすか、別の抗がん剤に変更するしかない」と言われて、やっぱりガマンするしかないかと思ったという話しもよく聞きます。
何も患者さんだけが悪いわけではなく、担当医もその副作用への対処方法のバリエーションが少なかったりしてしまうこともしばしば副作用が大変になってしまう原因になります。
病院でできること(薬を出すなど)と家庭でできること(食事の工夫など)は重ならないので、お互いに対処方法に多様性を持たせることができれば、どれかは「当たり」ます。
その結果、その副作用で困ることがなくなり、ひいては副作用で抗がん剤治療を止めてしまう事を避けることができることにつながります。

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▼小括
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「行動」と「多様」はかけ算になっています。
行動回数が1回でも、多様性を増やす(例えば3個)ことで幸運度がアップします(1回×3個=3)。
また、「行動」が1から2回に変われば、「多様」の内容が同じ(さっきと同じ3個)でも、幸運度はアップします(2回×3個=6)。
このように試せば試すほど、倍々になっていくことを勇気に変換して、どんどんトライしていってみませんか?

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▼その3に続きます・・・
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長くなってしまったので、今回もまたいったんこの辺で終わりにしたいと思います。

『運の方程式』の残りの変数ふたつ。
「察知」と「回復」に関しては次回詳しく考えていきましょう。
ブログの更新が遅いから待ってられないよ~~という方や
また『運の方程式』に関して、もっと詳しく知りたいという方やご興味をもたれた方がおりましたら、下にリンクを貼っておきますので、現物をご購入の上ご一読いただけますと嬉しいです。

『運の方程式』 鈴木祐著、出版:アスコム
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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