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パリのハイライン

パリ3日目。今日もまた深夜1時半に起きる。同じく時差ぼけで朝4時には起きている娘と6時に朝食をとり、8時ごろ外に出る。今日は娘をパリの学童 (Centre de Loisir)に入れるべく、15区の学校を訪れるのだ。

まず日本人がパリ公営の学童に入れるのか、という疑問があったので、数ヶ月前にパリ市に問い合わせてみる。答えは特にノーでもなく、当日学童に行って申請書をもらうように言われる。アパートから歩いて約20分、第一希望の学童が行われている小学校があった。ここの学童は英語で行われるとウェブ上に書いてあったので、期待大。しかし訪れると、「学童はやってない、学校は工事で閉まっている」と言われる。ウェブの情報と違うじゃないか!と思いつつ、初回でうまく行くほど甘くはないと経験から知っている。取り直して第二希望の学校へ。こちらの学童はフランス語で行われるようだが、柔軟性のある子供なら言語の壁を超えてうまく溶け込めるかもしれない。

第二希望の学校は嬉しいことにちゃんと開いていた。しかし学童の統括者らしき人と話したところ、「パリで学生をしていないなら、入れない」と言われる。残念。確かに外国人が夏の間だけパリ公営の学童に入るなんて、虫のいい話だったかもしれない。

当初からフランスの学童に行きたくない、と言っていた娘は安堵の様子だ。代わって私は今後3週間どうやって娘と過ごそう、と悩む。自分の時間などほぼ無くなるだろう。慌ててパリのサマーキャンプ的なものを調べてみるが、ニューヨークと違い、そんなものは殆ど存在しない。

気を取り直して昼食をとった後、友人から「なんちゃってハイライン」と教えられていた近くの遊歩道に行く。友人は以前ニューヨークの南西にある空中遊歩道、ハイラインの近くに住んでいたのだ。プティット・サンチュール Petite Ceinture(小さなベルト:パリ全体をぐるっと囲むベルトを想定してその一部という意味らしい)と命名されたこの遊歩道は廃線となった鉄道路線を再整備して作られたもので、長さ36km。ハイラインやより有名なパリの「プロムナード・プランテ la promenade plantée」より規模は小さく、壁にも落書きが残っていたりラフな感じがするが、味はある。

後々には15区にあるアンドレ・シトロエン公園とジョルジ・ブラッサン公園を繋ぐ遊歩道となるらしい。1970年代に廃線となった鉄道はシトロエンの工場とジョルジ・ブラッサン公園の辺りにあった屠殺場の間を走っていたとか。19世紀のパリの歴史に俄然興味が湧く。

遊歩道の東の果て

疲れて重い足取りの娘とゆっくり歩いて、約1時間半。遊歩道の西の果てまで辿り着く。そこから地上に降りて、アンドレ・シトロエン公園に向かう。

遊歩道から見える著名な建築家が建てたっぽいアパート

喉が渇いたので公園内のカフェで一休み。公園の中心にある芝生のエリアは水路で囲まれ、一度外側を歩くと、ぐるっと回らないと芝生側に辿り着けない。外側の面白い建築に惹きつけられた私たちはそのまま外側を歩き続け、公園の外に出る。

アンドレ・シトロエン公園 芝生の外側

帰り道にパン屋でバゲットを買う。出来立てのバゲットが熱くて感動。

帰宅してしばらく、まだ夕方6時だというのに眠くなる。今日もディナー抜きとなりそうだ。

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