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いろ衣都つむぎ ~不思議なことも起きるから~

わたしは3月に、電子書籍 Kindle版で、絵本を出版しました。
わたしは、昨年の8月から、就労継続支援B型事業所へ通っていて、そこで絵を描いて、社長が出版してくださったのです。
障害者のための働く場所ですが、B型はA型とちがい、雇用契約も結ばないし、A型は最低賃金が保証されていますが、B型は工賃もわずかです。
でもA型でわたしはやっていけませんでした。効率を求められ、苦手なこともやるしかなくて、体調をくずしてしまいました。
そこで、事業所をいろいろ探し、いまの事業所にたどり着いたのです。
わたしは手芸ができればいい、と考えていたのですが、初めから、絵を描いてみないかといわれ、色鉛筆で、花かごを描きました。
絵を描くのは大好きでした。
でも、そんな、人目に晒していいほどうまくもありません。
だけど、社長が絵本描いてみませんか、というので、わたしは、いずれ絵本にしたかった童話を見せました。
それが「光のしごと」です。

この世に生まれた光は、自分にしかできない仕事を見つけなさいと、「朝」にいわれ、それを探しに街へいきます。そこで見つけた人たちは、幸せそうではなかった。光はみんなのためになにかしたい、と願います。

このお話に絵をつけること、難しかったです。まず、光をどんなふうに表そうかと、悩みました。
いろいろ考えた末、女の子の姿にすることにし、画材はパステルと色えんぴつを使いました。
画材を決めて描き始めると、夢中で描きました。
すべての絵を描いて、社長にわたし、あとのことは、社長がすべてやってくれました。
そして、出版されたのです。
なんだか、夢のようでした。自分の本がこうして売られているなんて。
文章も絵もかくことが好きだったけれど、こんなかたちで作品が世に出るなんて。
この事業所に通っていなければ、起きなかったことです。社長がイラストレーターなのですから。
なにかに導かれるように、ここまできたなあと思います。
不思議なことでもあります。ど素人が本を出したのですから。
わたしの絵は決して上手ではありません。
だけど、わたしが、この本にこめた想いを受け取ってくださるかたがいればいいなあと思います。


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