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Solaris Analytics

勤務先の会社では、ZFS Storage という製品を担当している。ベースとなるOSには Solaris というUnix系のOSを使っている。Solaris は ZFS Storage と異なり、11.4 以前はシステムの様々なメトリックス (metrics) を簡単に表示する仕組みはなかった。せっかくの機能なのに、日本語の記事も少なく、そっとバージョンアップされている Pythonや Node.js 同様あまり知られていないようなので、Solaris Analytics を改めて紹介してみることにした。

3年前からあります。

Solaris Analytics は3年も前からある。最初の頃と思われる英語の記事は以下のものだ。

http://oracle-blogs-test.compendiumblog.com/solaris-114%3A-brief-introduction-to-solaris-analytics

ZFS Storage にはAnalyticsという機能があって、様々な測定値(メトリクス)をワークシートというグラフの形で見ることができる。たとえば、NFSのリクエストが単位時間あたりに何回届いたかとか、CPUがどれくらい使われているかというものだ。

一方、Solaris には、性能問題や障害があったときにお願いする、GUDSというコマンドラインのツールがあるものの、以前はカジュアルにデータを見ることができるツールはなかった。個人的にはこのあたりの穴埋めになるツールが Solaris Analytics と理解している。

社内では、「統計データをためる場所」という意味で、StatsStore と呼ばれてる。

導入は簡単

詳しいことはマニュアルに任せるとして、基本的には以下の2つを満たせば、統計データを見ることができる。

(1) 必要なサービスが立ち上がっていること。
(2) ログインするユーザーに権限があること。

利用するには、webus/server と system/sstore の二つのサービスが立ち上がっている必要がある。

root@s114-2:/# svcs -a | egrep 'webui|sstore'
online 13:35:49 svc:/system/webui/server:default
online 13:35:54 svc:/system/sstore:default

もし、これらのサービスが見当たらないようならば、パッケージが導入されていない可能性があるので、以下のパッケージが導入されているかを確認してみて欲しい。

root@s114-2:/# pkg list webui-server
NAME (PUBLISHER) VERSION IFO
system/management/webui/webui-server 11.4-11.4.32.0.1.88.3 i--

ログインした雰囲気

ログインをするには、サービスが立ち上がっていることを確認した後、ブラウザで、https://<サーバーの名前あるいはアドレス>:6787/solaris にアクセスする。

スクリーンショット 2021-05-08 14.42.46

ユーザー名とパスワードを入力すると、ダッシュボードが表示され、各々の項目をクリックすると、そのカテゴリのシートが表示される。

スクリーンショット 2021-05-08 14.46.42

スクリーンショット 2021-05-08 14.46.20

右上の「シート」をクリックすると他のシートが表示される。また、「シートの作成」を選ぶと自分なりのカスタマイズしたシートが作成できる。

スクリーンショット 2021-05-08 15.22.17

REST API でデータも取れる

最近のObservatoryツールはあたりまえにAPIが提供されている。Solaris Analytics も例外ではなく、REST API で外部からデータを抽出することができる。

サンプルコードを示すことも考えたが、既に公式から Jupyter Notebook を使ったコードのサンプルがでている。あわせて参考にしてみて欲しい。

参考文献

最後にいくつかの参考文献を示しておく。

Using Oracle® Solaris 11.4 StatsStore and System Web Interface
Adding Custom Data to the Oracle® Solaris 11.4 StatsStore and System Web Interface

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