Oracle Cloud Infrastructure というクラウドのサービスがある。勉強のために使っていたのだが、無償枠とかいろんな関係で、1月分の利用料が「1円」だった。今回は、クラウド自身の話ではなくて、「どうやって1円を決済するんだろう？」という自分の疑問が解決したお話。

世の中のお金の払い方

いろんな商品やサービスを買うと、さまざまな方法で代金を支払うことができる。現金、銀行振込、クレジットカード、デビットカード、お商売なら小切手（こぎって）や手形（てがた）もあるかもしれない。お金の支払いや受け取りを行い、売り手と買い手の間で貸し借りなしにすることを決済と言う。

現金やクレジットカードは決済するための方法だが、それとは別に、「いつ」支払うのかという問題がある。事前にお金を預けておいてそこから引いてもらう方法、商品購入やサービス利用のたびに支払う方法、さらにはある程度の期間の代金をあとでまとめて支払う方法などがある。

個人が使うクラウドのサービスやソフトウェアのサブスクリプションは、ほとんどクレジットカード決済で、Oracle Cloud Infrastructure （以降 OCI ）の私の個人の契約もそうなっている。[^1] 「使った分だけの支払い」（Pay as You Go）[^2]という という契約だが、利用代金は１ヶ月単位で取りまとめられ、請求される。

1円請求

バラバラなタイミングでバラバラなサービスを利用する自分の使い方では、月末に利用料がどれくらいになるかを正確に見積もるのは結構難しい。さらに、キャンペーンでもらったクレジット[^3]があったり、ある程度使用しないと料金が発生しないサービスもあるので、さらに予測がつかない。

そうは言っても使った覚えのないものにお金を払いたくはないわけで、何をどれくらい使ったかを時折確認をしている。すると、ある時、1円だけ代金が発生していた。「一体何に使ったんだ？」という素朴な疑問。

OCIでは、「請求とコスト管理（Billing and Cost Management）」から、「コスト分析（Cost Analysis）」 を見ると詳細を見ることができる。（私の環境は英語だが、言語を切り替えれば日本語で表示されるのでご安心を）
表示したい期間などを指定して「適用（Apply)」を押すとレポートがグラフとともに表示される。

 なお、「予測を表示（Show Forecast）」をチェックすると、未来のコスト予測を表示してもらえるが、当然発生していないコストなので、あくまでも参考程度だ。

上のグラフは締日以降に表示したものだが、確かに、1円未満を使い続け、結果月末の合計が1円ということのようだ。

心配

「1円なんてクレジットカードで払ったことない」と思った私はちょっと心配になってしまった。なぜなら、カードの支払いでは、支払った先のお店が負担する「加盟店手数料」が発生するからだ。加盟店は、一般に数％程度は負担する。
つまり、「1円」がちゃんとカード会社から請求されたとして、素朴な疑問は「カード会社からOCIに支払うのは1円未満になる」ということだ。一体「1円未満をどう決済するのか？」という疑問である。

どうやらポイントは、加盟店は「利用の総額を請求する」ということのようだ。つまり、総額に対しての数%であれば、1円に満たないお金の請求は発生しにくく、発生しても1円未満は丸めれば良いので問題はない。当然の話なのだが、「他のサービスを利用する人でトラブルになった人もいる」とネットで漏れきいていた私は、当初そこまで頭が回らなかった。

そうこう言っているうちに、1円の請求書がメールで届いた。

無事に（？）カード会社からの請求も来た。

この後「実は払えませんでした！」とかいう話があったほうが面白いとは思うのだが、今のところ、何もない。多分支払日に他の諸々の支払いと一緒に払って終わるのだと思う。

脚注

[^1]: なぜ勤め先のサービスなのに個人のアカウントを持っているかという話はそれだけでもう一本記事が書けそうではある。
[^2]: なお、サービスをうっかり止め忘れると良い目のアフタヌーンティーくらいの費用は簡単に吹っ飛ぶので、ちゃんと止めましょう！
[^3]:  ここではサービスの代金を支払うために使えるポイントのようなものと思ってもらえれば良い。

参考文献

• 日本銀行「決済とは何ですか？」

• 三井住友カード「クレジットカード決済の仕組みとは？メリットや手数料についても解説」（PR記事だが、解説がわかりやすいので採用した）

• 三井住友カード「クレジットカード決済の手数料を徹底解説！種類や仕組み、利用者に発生するケースも紹介」（PR記事だが、解説がわかりやすいので採用した）