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「名言との対話」3月26日。萩原健一「ジェットコースターのような人生だったけども、今後は2人でメリーゴーランドのようなゆっくりした人生を歩みたい」

萩原 健一(はぎわら けんいち、1950年〈昭和25年〉7月26日 - 2019年平成31年3月26日)は、俳優歌手。享年68。

グループサウンズの代表格、テンプターズのボーカルとして「エメラルドの伝説」を歌うなど華々しい活躍をした人である。タイガースの沢田健司研二(ジュリー)と並び、ショーケンとして人気を二分していた。その後、歌手だけでなく、俳優としてもい仕事をしている。『誘拐報道』でニホンアカデミー賞の優秀主演男優賞、『青春の蹉跌』でキネマン旬報ベストテンで最優秀主演男優賞も受賞している。

最期にみたのはNHK大河ドラマ「いだてんーー東京オリムピック噺ーー」の高橋是清役。このシーンは死後に放映された。

めまぐるしい生涯であった。飲酒運転での人身事故、交通事故、恐喝事件などでの逮捕歴。4度の結婚歴(2度目はいしだあゆみ)。一方で、生き方や演技のなどで、同世代や若手の芸能人に対する影響力も大きかった。

私とは同い年でもあり、この人のアップダウンのニュースには時折触れていたが、詳しくは知らなかった。今回ショーケンの言葉を少し知ることができた。

「今、新しい映画の脚本を書いているんだ。何かやりたいなら自分で動かないとね」。自分で動くから、トラブルも多くなったのだろう。

団塊世代よ、脱皮して新しい50代を楽しもうぜ」と語ったが、実際には、10年遅れたようだ。2011年の60歳での4度目の結婚の時には「ジェットコースターのような人生だったけども、今後は2人でメリーゴーランドのようなゆっくりした人生を歩みたい」と語っている。その後は芸能活動をしながら、東洋思想や仏教研究に取り組んだ。

「でも死なんて、メイビー、無になることでしょ。死の世界はホワイト。真っ暗じゃなくて真っ白って感じ。何も残らない。オレにはそれで充分ですよ」と死生観を語っている。

60代の前半にで空海真言宗を語っている。「空海との縁でいうと、20年ほど前に四国88カ所を巡礼しているんです。あのときは66番札所の雲辺寺毘沙門天の前ですごい達成感を覚えてね。オリエンタルなものを直観した。空海を演じる前に、あの感覚を再確認するため、もう一回88カ所を巡ったんです」。そして、「金剛峯寺というか、真言宗側は僕に対してとってもジェントリーですよ。とってもソフトでね。一歩、譲ってくれてます」。東洋思想、仏教、真言宗に心を奪われていたようだ。

「オレの人生は壮大な無駄使いでした」と総括したが、最晩年の10年近くは、落ち着いて、空海との同行2人を楽しんだのだろう。


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