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【イジンデン】イジン紹介 好太王

イジンデンのイジン紹介Part5です。
毎回多くの方々に見ていただき大変嬉しく思います。いつもありがとうございます。

さて、今回紹介するのは好太王です。

個人的に一番驚いた人選が彼です。スターターデッキを開封していく中で「えっ!?」と声を上げてしまいました。
こういう歴史上の人物を取り上げるゲームって、大体ヨーロッパの人が多いイメージがあります。次点で中国・アメリカでしょうか。まあ知名度的にその辺の地域の偉人が選ばれるのは当然でしょう。
そんな中でまさかの朝鮮史からの参戦。驚きました。

名前

彼は世界史・日本史の教科書だと「広開土王」「好太王」どちらの表記も使われていることが多いです。朝鮮では「広開土王」、中国や日本では「好太王」とそれぞれ呼ぶことが多いようですが、詳細は分かりません。実教出版の教科書では、「広開土王」の方が太字になっていました。
どちらの呼び方も、彼の正式な諡(おくりな、亡くなった後のに生前の功績をたたえてつけた呼び名)である「國岡上廣開土境平安好太王」からとられた名前となります。この正式な呼び名はイジンデンのフレーバーテキストにも載っています。
毎回全部の名前を出すと大変なので、この記事ではイジンデンに合わせて呼び名を「好太王」で統一しようと思います。

生い立ち

好太王は、374年に高句麗王家として誕生しました。
世界情勢で言うと以下の通りです。

・ローマ帝国分裂寸前(分裂は395年)
・中央アジアでササン朝ペルシアが活躍
・インドではグプタ朝の領土が最大になる
・中国は三国志の時代が終わり、東晋が勢力を増す
・日本では古墳時代が始まったばかり

そして即位したのは391年。18歳のことです。若いですねえ。

功績

5世紀末頃の地図なので、領域は多少ずれます。ご容赦ください。(画像出典:Wikipedia)

当時の朝鮮は高句麗・百済・新羅が互いに勢力を拡大し戦争していました。これが朝鮮の三国時代です。伽耶(加耶、加羅とも)もいますが、この国は小さな国々をまとめて指すものなので、そこまで大きな勢力ではありませんでした。日本との関わりはかなりあるのですが、今回の主題とはずれるので省きます。
好太王の時代は三国時代真っ只中です。この時代に戦争を積極的に行い、領土拡大を狙いました。
そして395年(好太王22歳のとき)には百済軍を突破して多くの城を築きました。
イジンデンのフレーバーテキストには、最終的に「64城1400村を獲得した」とありますが、それの証拠が今ひとつ見つかりませんでした……。どうやら好太王碑(後述)の末尾に書かれているらしいのですが、ネット上では明確に示された文章は見つかりませんでした。ただ、個人のブログやサイトにはこの旨が記述されているので、どこかしらには文献があるのだと思われます。この記事は教科書とインターネット検索で書いているので、文献を読んで分かったことがあれば追記しようと思います。
2023.7.31追記
wikisourceを見てみました。おそらく以下の部分ではないでしょうか。

凡所攻破城六十四村,一千四百守墓人煙戶賣勾余民國煙。

しかし、日本語訳まではわかりませんでした……。研究してみます。

また、彼が戦ったのは百済だけではありません。それは倭、つまり日本です。
日本は古墳時代、朝鮮諸国と何度も戦っていた時代でした。

世界地図を逆さまにすると、日本列島と朝鮮は意外と近いことが分かるという有名な謎の錯覚(?)です。

新羅に迫る倭軍を退かせるなど、海を渡ってきた倭軍を撃退するという活躍を見せました。

好太王(広開土王)碑

好太王が有名な理由はやはり好太王碑でしょう。

Wikipediaより

息子の長寿王が、好太王の死後彼の業績をたたえるために建造した碑です。
大きさはなんと約6.4m、マンションの2階よりちょっと高いです。
1880年、清の時代に農民により発見され、そこから拓本がつくられるなど研究が進んでいます。しかし、欠落した部分も多く、現在でも不明点が多い碑です。
日本人も調査をしています。明治時代には、陸軍砲兵大尉の酒匂景信が日本人として初めて好太王碑の拓本を持ち帰りました。彼の拓本は改竄・捏造説もありましたが、現在では完全に否定されています。
好太王だけでなく、当時の朝鮮や倭の状況が分かる貴重な碑文となっています。
現在日本の博物館でレプリカや拓本を展示している場所は見つかりませんでしたが、お茶の水女子大学のデジタルアーカイブズで見ることができます。

また、碑文がwikisourceに載っています。本当wiki関連のサイトってすごい。

余談

大阪経済法科大学花岡キャンパス内に好太王碑のレプリカがありましたが、2020年に撤去されてしまったようです。残念……。

参考文献

https://www.i-repository.net/contents/outemon/ir/301/301811209.pdf


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