ドックン、ドックン、ドックン、
ドックン、ドックン

これが最後の夜。
これで最後の夜。

これが最後のごめんなさい。
これで最後のごめんなさい。

これが最後のありがとう。
これで最後のありがとう。

なんだ……。
人生は一瞬の夢だったんだ。
あんなに心配しなくてもよかったんだ。

なんだ……
なんにも起きない１日でさえ、
かけがえのない１日だったんだ。

ドックン、ドックン、ドックン、
ドックン、ドックン

これが最後のキス。
これで最後のキス。

これが最後に見る月。
これで最後に見る月。

これが最後の日。
これで最後の日。

なんだ……
最悪でさえ、ジョークだったんだ。
もっと冒険してよかったんだ。

なんだ……
毎日が日曜日のように、生きて、よかったんだ。
鼻歌歌って、生きればよかったんだ。

ドックン、ドックン、ドックン、
ドックン、ドックン

なんだ
最初に言ってくれよ！
最後は思い出しか、
持って帰れないって。

なんだ
最初に言ってくれよ！
最後に残るものは、集めたものではなく、
与えたものだって。


なんだ
最初に言ってくれよ！
どんな夢を叶えるより、
キミが笑ってくれてる方が幸せだったなんて。

最後の夜、
君はその後悔で泣いたんだ。

最後の夜、
君はその後悔で泣きじゃくったんだ。

最後の夜、
君は膝を崩し、濡れた床を叩きけたんだ。

そして、宇宙に頭を下げて頼み込んだんだ。

もう一度、
もう一度だけ、
やり直させてください、と。



その願いは……


届けられた……。




そして、キミは２度目のキミを今、
やってるんだ。


ドックン、ドックン、ドックン、ドックン、

大丈夫。
２度目の最後の夜、
君は笑っているよ。


大丈夫。
２度目の最後の夜、
キミの心は晴れてるよ。