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ジョニーの凱旋

去年の春先に入院していた時、病室でよく見ていたのが「ガールズ&パンツァー」ですが、いまごろになってサントラ盤CDを買い込んで、最近は運転中にもっぱら聞いてます。

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もともとブラスバンドのマーチは好きなので、けっこうご機嫌で聞いてますが、ある時ふと「あれ、あの曲が入ってない」と気づきました。

その曲は「ジョニーの凱旋」 よく覚えてないけど、たしかどっかの学園のテーマで使われていたはずなのに。

ガルパン見てない人のために説明すると、女子高生が戦車で闘うこのアニメで、登場する各学園(女子校ですね)にはそれぞれテーマ曲が振られているのです。当然ながら、すべて吹奏楽マーチ。主人公たちの大洗女子学園のテーマ曲「戦車道行進曲」をはじめ、「パンツァー・リート」(オレ的には「バルジ大作戦マーチ」)とか「アメリカ野砲隊マーチ」「ポーリュシカ・ポーレ」「ブリティッシュ・グレナディアーズ」などなど名曲ぞろい。「ジョニーの凱旋」も、そんな中にあったはず。

「ジョニーの凱旋」は好きな曲なので、ちょっと調べてみたら、あの曲は「劇場版」で大学選抜チームに使われていたんですね。だからTVシリーズのサントラ盤には未収録なんだ。納得しました。

こっちには収録されているらしい。

で、その「ジョニーの凱旋(When Johnny Comes Marching Home)」 ですが、もともとは南北戦争のときに両軍で歌われたという軍歌で、多くの映画でも使われている名曲です。

私がこの曲を覚えたのは。たぶんジョン・フォード監督の名作ウェスタン「騎兵隊」 作中では鉄道破壊のシーンやラストで使われていた気がしますが、私が持っていた(いや今でも家のどこかにあるけど)30センチLPのサントラ盤で一番ラストに収録されていたので印象が強いのかな。

ほかにも「風と共に去りぬ」「西部開拓史」などのウェスタン系の映画で耳にすることが多いのですが、もうひとつ名作映画を挙げれば「第十七捕虜収容所」でしょうね。

ここでは非常に印象的なラストで使われているんですが、この手の戦争映画でもよく聞く気がしますね。

そういえば「騎兵隊」も「第十七捕虜収容所」もウィリアム・ホールデンが主演していましたね。私が映画初心者だったころのヒイキ俳優の一人。まあたまたま多くの映画で見たせいもあるんですが、それくらい50年代から70年代くらいまでは数多くの映画に出ていた俳優だったんですね。いったい何本くらい見たかな?

異色なのは、前にも紹介したことのある「博士の異常な愛情」

キングコング少佐スリム・ピケンズ)が率いる核爆撃機のテーマ。危機が始まると同時に、不気味なドラム連打とともに流れ出して、爆撃機のシーンではずっと流れっ放し。クライマックスでは高らかに演奏されて、キングコング少佐のあの雄たけびとともに、人類の破局を印象づけてくれました。ここでは、非常に怖い曲です。

もうひとつ、私が好きなのは「ダイ・ハード3」

このシリーズは第1作「ダイ・ハード」ではベートーヴェンの第九から「歓喜の歌」、「ダイ・ハード2」ではシベリウスの「フィンランディア」がメインテーマ的に使われてきましたが、3作目ではこの「ジョニーの凱旋」が使われています。連邦準備銀行襲撃という最大の見せ場で響くマーチは、見ていて胸が高鳴ったものです。いや、行なわれているのは犯罪なんですけどね

ということで、聞けばテンションが上がるこの曲なんですが、もともとの歌詞を見ると、そう勇ましいものではないようです。そもそもは戦意高揚のための歌ではなく、出征した兵士の無事の帰還を願う、どちらかといえば平和志向の曲なんだそうだ。

そんな曲が、軍歌となって兵士たちの鼓舞に使われ、やがてドンパチ映画の雰囲気づくりに多用されるんだから、皮肉といえば皮肉な話ではありますね。

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