HSP/HSCの危機管理能力と恐怖について


HSP/HSCは、「危機管理能力が高い」と言われています。
同時に、「生きづらさを感じる」人が多い、とも。
それは、「危機管理能力があるが故の生きづらさ」なんだと、最近よく感じます。

私は子どもの時から、恐怖を感じることが多くありました。
小学校4年生までニュースは見れませんでした。
お風呂の窓や、窓の外も怖がっていました。
それは、「幽霊が出てきそうで怖い」という恐怖ではなく、「怖い人が入って来るかもしれない」という恐怖でした。
ありえないとは分かっているのですが、「流れ弾が来るかも」と、本気で考えていた時もありました。
今でも、トラッキング現象(コンセントから発火する現象)が怖く、時々コンセントを抜くことがあります。
車に乗りながら、時々よぎる事故への恐怖。
今地震が起きたら?と考えだす頭。

・・・・・・それらは、(過剰なのだとしても、)現実的な恐怖です。「火事になるかも」、「襲われるかも」という思いは、うまく扱えれば、危機に対処できる、良い能力になるはずです。

ですが、ただでさえ敏感でストレスを感じやすいHSPは、疲れたり、過緊張になることで、さらに敏感になりがちです。よって、恐怖を扱うのは、なかなか至難の業になってしまいます。

恐怖の対処法については、いまだにわかっていません。
一つ言えるのは、よく寝ること。寝不足だと、いつもよりも敏感になりがちです。また、「深呼吸をする」というのも、ありきたりですが、効果があると思います。(息もできないほど、恐怖で固まってしまうときもありますが・・・・・・)


対処はまだ出来なくとも、「恐怖は悪いものではない」と知るだけでも、少し楽になるかもしれません。

例えば、私は、小学校1年生くらいの時に、「交通安全すごろく」というものを持っていました。その中に、「近くに人がいないか確認して、家の鍵を開けよう」という言葉がありました。私はそれを読み、「鍵を開ける時は周りを確認しよう」と、決意したことを覚えています。
最近、ネットの動画で、似たようなものを見ました。「家の前まで知らない人につけられ、家に入ろうと鍵を開けたら、侵入されそうになった」というものです。
それを見たとき、「私の意識していたことは、間違っていなかったんだ!」と思いました。

シートベルトなども同じです。バスの高い席のシートベルトは、ほとんどつける人はおらず、つけることが恥ずかしいような気もします。ですが、つけることによって、もし事故があった時に、大けがを負わずに済むかもしれません。(私はこのことを、衝撃映像から学びました)
私はあまり、高い席には座りませんが、下の席に座った場合でも、前の席にある手すりを掴んでいます。

「なんだか近づきたくない人がいる」という嫌な気持ちも、本当にその人が危険な人だった場合は、大正解なわけです。

こうした危機管理能力を、HSPは知らずに育てています。そして、周りはそれほど気にしていないという現実と、自分とのギャップに、劣等感のようなものを感じ、委縮していってしまうことが、多いのではないでしょうか。「自分は小心者なんだ」「気にするのはおかしいんだ」と、感じてしまうかもしれません。

しかし、HSPは、非HSPに比べて、「学べる場所がたくさんある」というだけなのです。学校で、ほとんどの生徒が聞き流しているようなことも、きちんと受け取っています。(そのために、学校や先生の教育と、なかなか合わない、という話はまた別の記事で。)

私は、話している人の目を、ただただじっとみつめて話を聞きます。ある時、話していた人が、「よく聞いてくれているね」と声をかけてくれました。
修学旅行で資料館などに行った際にも、スタッフの方が様々な話をしてくれました。お土産をくれた方もいます。おそらく、他の生徒たちよりも真剣に展示を見ていることが、伝わったのでしょう。
あなたの誠意、優しさに気づいている人は、確実にいます。


決して、恐怖や真面目さは、悪いものではないのです。
苦しいことも、「なぜ自分はこんなに弱いんだろう」と思うことも、あるとおもいます。ですが、それは、必要だからこそ与えられているのです。

資料館の方の話を聞き、自分も伝えたいと思うかもしれない。
あなたが真剣に話を聞いたことで、救われた人がいたかもしれない。
もしかしたら、危険なことに巻き込まれそうだったのに、避けることが出来たのかもしれない。

そう考えると、まだ、敏感さがましに思えてきませんか?

え?突然襲う恐怖はどうしたらいいかって??
・・・・・・どうにかなったらいいですよね、ほんと。
やはりそういうことに関しては、カウンセリングしかないのかな、と思います。(だけど、いかんせん高いっていうのが・・・・・・)
日本でももっと、カウンセリングが浸透していくといいんですがね。

タイトルに恐怖への「対処法」とは書いていないので、セーフということで・・・・・・。

恐怖には必ず、あなたを守るような、誰かを守るような、肯定的な理由があります。
自分のことを、敏感さを、その恐怖までをも、愛せるようになるといいですね。



中園ひと


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