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【生き物からのラブレター#11】佐渡の海

海の生き物の研究がしたい。そう思っていた私が進学先を新潟大学に決めたのは佐渡に臨海実験所があるからだった。

しかし、当時の理学部生物学科における佐渡臨海実験所での実習は2年次と3年次に1回ずつ。そんなの待ってられない!と思っていた矢先、新潟大生なら誰でも参加できる実習があることを知り、1年生ながらさっそく申し込んだ。

これが初めての佐渡。この後結局2年、3年、そして4年次もティーチングアシスタントとして実習に参加し、毎年佐渡へ渡ることとなった。

佐渡へは新潟駅近くの港からフェリーで2時間。束の間の船旅もこの後待ち受ける出会いへの興奮を盛り上げてくれる。

出港してからしばらくはカモメたちが船の周りをついて来る。かっぱえびせんを手から上手にパクっと食べてくれるので嬉しくなってついつい与えてしまう。

すると、ある男子たちがえびせんを餌にカモメを捕まえようとしているではないか。1人がえびせんを持ち、もう1人が少し手前で腕を広げて待ち伏せる格好だ。

アホか。そんなんで捕まるか。

と思っていたら、本当に捕まえてしまった。。。なんと、カモメもアホだった。。。

素手で鳥捕まえる人初めて見たよ。暴れるカモメに突かれていたけど、大丈夫だろうか。

のんびりと海を眺めていると色々なものが浮いていることに気づく。海藻や流木、そしてミズクラゲ。

一度見つけると次々と目に入ってくる。プカプカと気持ちよさそうだ。

そんなこんなで着いた佐渡ヶ島。何処となく本島とは違う雰囲気を感じながらバスで実験所へ向かっていると、佐渡出身の友人があそこが私の家だよ!と教えてくれた。

なんと、家の背後は断崖絶壁で波が打ち寄せていた。一同唖然。あれ?うちは佐渡でも街中にあるって言ってなかったっけ???

それは彼女の強がりだとしても、島暮らしのダイナミックさを実感することができたのだった。

小高い場所を走るバスの下に佐渡のキラキラした海と実験所が見えてきた。

佐渡の海は透明度が抜群に高い。透明度を測るための白い円盤を海へ下ろしていくのだが、いつまで経っても見えるままだ。30m近くまでいくらしい。

そんな海でこれから始まる実習。

臨海実験所からの美しい夕陽を見ながら胸高鳴らせるのだった。


☆生き物との出会いや体験を綴るエッセイ連載中☆

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