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【読書感想文】美容は自尊心の筋トレ/長田杏奈(またまた怒りについて)

一つの事を考えていると、別の本でも類似案件に当たる事ってよくありますよね。今回長田さんの本でも怒りについての文がありました。とても納得する文章なので長いですが引用してみます。

ご機嫌や前向きを浅瀬で実践しようとすると、喜怒哀楽に優越をつけて、喜楽は全面支持して、怒哀をなかったことにする方向に行きがちだ。けれど社会では、大声をあげて怒らなければ変わらないこと、身も蓋もなく泣き叫んで初めて辛さに耳を傾けてもらえる場面がある。感情を押し殺して我慢をしても根本的な解決にならず、未来永劫問題先送りで次世代に引き継ぐことになる。かつて誰かが本気で泣いたり怒ったりしたからこそ、基本的人権や平等や選挙権、美味しい空気や水など、知らず知らずに享受しているいろいろな恩恵があることを忘れずにいたい。

さすがプロ。表現が適格です。

この本を読んで思うのは、長田さんは本気で美容の力を信じているのに、美容が「若さ」や「モテ」等の偏見で語られる事に心底怒っている感じがします。美容を好きであればあるほど、この矛盾に対する怒りは抑えがたい事が想像できます。

やはり「心の底から湧き出てくる感情」がポイントなのではないかと最近思うのです。

ここで思い出したのは、享受しているいろいろな恩恵の女性の選挙権はそう言えばGHQから頂いたものだったなぁ、という事。
我々日本人女性は心底怒る事なく選挙権を頂いてしまった(心底怒った方もいらっしゃったと思いますが、選挙権を奪取できる程多くはなかったのでは、と思います)。そして日本の男性政治家は心底怒られる事なく選挙権を渡している。

先日どこで読んだか忘れてしまったのですが、「日本人女性は真面目だから、男女に関わらず仕事が出来そうな人を政治家として選ぶ」というような文書を見ました。
確かに日本人女性は選挙権を持っているのですから、本気で日本において女性政治家を増やそうとするのであれば、女性は女性の政治家に投票すれば1度の選挙で女性政治家を半数まで持って行く事が可能ですよね。
その後の日本政治がどうなるかはわかりませんが、少なくとも政権交代ぐらいインパクトがありそうな面白い案だなぁ、と思いました。


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