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「未顧客理解」の読書感想文~前編

「未顧客理解」の読書感想文です。

要約だけで書くことが多かったので、連載にします。
後編ができたら、こちらにも後編のリンクを貼っておきます。


本の要約

消費者はそのときの状況で購入している。理由はあとづけ

消費者は、購買のたびに毎回サイコロを降っている。つまりそのときの状況や文脈次第で選んでいる
→それに気づくことができれば、その場そのときの文脈→行動、という規則性に基づいたパターンが行動の本質に近い

リピート促進は、ロイヤリティーや満足度を高めるゲームに見えて、実は浸透率を増やすゲームである

未顧客の定義

どんな企業の商品でも、市場の大部分は
・買ってくれないノンユーザー層
・買ってくれても1,2回程度のライトユーザー層
が占めている

→これらに該当する顧客を「未顧客」と定義する


既存顧客向けの施策ではだめなのか?

例:
・すでに、何回も買ってもらう顧客に、追加でもう1個買ってもらう
・今まで買ってくれなかった顧客に、新しく1回買ってもらう
「総購入回数×平均単価」とかけ算をすると、合計もどちらも同じ。
→既存顧客のリピート率を高めるほうが、コストが低く売上UPを狙えるということで称賛されるが(1:5の法則、5:25の法則)、そこまで一般化できる話ではないという論も。
→新規顧客を増やしたほうが、ブランドの成長に直接影響を及ぼす(浸透率)

売上やシェアが増えるときは、必ずライトユーザーが増える
「負の二項分布」のグラフで表される


なぜ未顧客理解が必要なのか?

未顧客を取り込まないと、ブランドが成長できないから(負の二項分布)

何をすれば、未顧客を獲得できるのか?
ブランドと結び付くCEPを増やす。ブランドへたどり着く確率を高める

未顧客をどう理解すればいいのか?


未顧客理解の5原則

1. 文脈と意味の再解釈: 文脈が変われば意味も変わり、意味が変われば価値も変わる
例)
・2016年サンフランシスコ美術館で眼鏡を置いた作品
・1970年代石をペットとして飼う(ペットロック)

ほかにも…

2. 市場の再解釈: 未顧客は本来闘うべき市場わ見通すためのレンズ
3. ターゲットの再解釈: 行動の背後にある欲求、抑圧、報酬から顧客の合理を理解する
4. ベネフィットの再解釈: ブランドの特徴、未顧客にとっての報酬=文脈最適のベネフィット
5. ポジションの再解釈: モノの売り方ではなく、モノが使われる行動の増やし方を考える。人の行動は、行動が先にあって理由はあとづけ。だから原則1や3が必要なことが分かる。


人の行動を再解釈する

「こうした状況に置かれた人はどういう合理でものごとを捉えるだろうか」
→クリエイティブブリーフを作成してみる

真に理解すべきは人ではなく、「その場そのときの状況次第」の方
→未顧客の場合は人ではなく、文脈をターゲットにする
商品を利用するきっかけとなるシーンやタイミングをCEP(カテゴリーエントリーポイント)
CEPをたくさんつくり、ブランドへの入り口を増やしていく

▼売上の地図の著者、池下さんも同じことを提唱しています


新商品やニッチなポジションを確立している場合、
ブランドのどんな側面が価値として受け入れられているか(P)→それはどのようなジョブを持った人か(T)→その市場規模はどれくらいか(S)の順で考えてみる


認知率や配荷率は低いのに、購買頻度は理論値を上回っている場合は、ポテンシャルがあるニッチにいる→
「悪いニッチ」=自分でブランドを市場の隅に追いやっていることに気づかず、ウチはニッチだと勘違いしている

例: 一部の層にしか受け入れられないポジションを確立した状態では、新たに浸透率を高めることは容易ではない(以前のUSJ)

合わせて読みたい


CEPポイントの話に関連して。

ほか、参考


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