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5月に読んだ本感想まとめ

今月は積読解消月間と決めて、本をざくざく読んでます。

本来なら1冊ごとに紹介したいところですが、ブックカバーチャレンジの中に埋もれそうなので😅まとめていきます。

①『断片的なものの社会学』岸政彦

「ふれる社会学」イベントでのトークがとても面白かった岸さん。タイトルに「社会学」とあるけど、知識不要で、小難しくなくするする読める。自分と照らし合わせて考えつつ、社会の様々な人に想像がめぐる本。

コロナの状況下で読むことで、さらに思考が深まる気がした。

②『愛と家事』太田明日香

「よい移民」イベントなどでいつもお世話になっている、フリー編集者・ライター・日本語教師の太田さんの本。地方出身の太田さんが、娘として、妻として、女として経験した葛藤が綴られ、とても身近に感じた。カナダに移住後の価値観の大転換は、私にも経験がありとても共感。

ずっと家にいる今、「わたしはもっと愛と家事を切り離したい」の一文にハッとなった。

③『台湾生まれ 日本語育ち』温又柔

こちらも「よい移民」イベントで興味深いお話をされていた温さんの著書。
幼い頃、台湾の両親とともに日本に移住した温さんの、生い立ちと言葉、台湾-日本の関係などが語られている。

両親と違う言葉で育つとはどういうことか想像した。もし隣の国に生まれていたら、自分にも起こったかもしれないことだと。

私は夫と2か国語を行き来しながら会話しているので、完璧に国語が話せなくても、その人の表現をそのまま愛せばいいんだと安堵できた。

④『迷子のコピーライター』日下慶太

以前、関西ライターズリビングルームにゲストで来てくださった、電通社員で商店街ポスター展の仕掛け人・日下さんの人生と仕事の記録。

この本もめちゃ面白かった…!
学生時代の旅や家族の話、様々な経験と出会いがすべて仕事に繋がっていく感じ。今の自分の状態に当てはめて、今後どう生きるか、仕事するかのヒントをもらえた。

⑤『BL進化論 ボーイズラブが世界を動かす』溝口彰子

今回、唯一面識のない著者の本。Twitterで「教科書指定されているため、学生向けに21日まで半額」と流れてきて「でも学生以外も買えます」とあったので即買い。

森茉莉の小説に始まり、ポーの一族やジルベープなど70年代BL開祖から2000年代の進化型BLまでの歴史を、当時の社会背景・LGBTQ事情・フェミニズムも絡めて評論。

またBL以外に「映画における男性同性愛の類型」の考察や、欧米でベストセラーになったゲイ文学の作者が女性と分かった時にバッシングされた話なども興味深かった。

「BLは他の出版業界と異なり、編集者も描く人も読者もほぼ女性」という事実はこの本を読むまで当然のこととして意識していなかった。90年代の思春期をBLとともに過ごした私にとって、「既知の文化の再発見」ができる面白い教科書だった。

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