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2024年2月、イスラエル軍は、ガザ地区で初めてAIを活用した軍事技術を戦闘に投入し、現代戦争における自律型兵器の使用に対する懸念が高まってきた。

この技術によって敵のドローンを破壊し、ガザにあるハマスの広大なトンネル網をマッピングする。戦争が長引くにつれ、AIを搭載した照準器やロボットドローンなどの新しい防衛技術は戦場へ投入され、悲惨な時期にあるイスラエルのハイテク産業を潤すことになるのは皮肉なことだ。

「ガザでの戦争は脅威であると同時に、現場で新たなテクノロジーを試す機会でもある」と言うイスラエルの技術者がいる。

「戦場でも病院でも、この戦争では過去に使われなかったテクノロジーが使われている」ことが現状のようだ。現地の民間人は死と苦しみという最悪の状況に直面しているが、その一部は、新しいテクノロジーによるだろう。

2023年12月には、150カ国以上が「兵器システムにおけるAIと自律性」を含む新しい軍事技術における「深刻な課題と懸念」を指摘する国連決議を支持した。この戦争は、空からの攻撃をより容易かつ安価にしたドローンとしても知られる安価な無人航空機の普及によって形作られてきた。

ハマスは2023年10月7日の攻撃で爆発物を投下するためにドローンを使用し、イスラエルはドローンを撃墜するために新しい技術を導入した。イスラエル軍は、イスラエルの企業が製造したライフルや機関銃などの武器に取り付けるAI対応の照準器を初めて使用した。

ハマスは戦場に大量のドローンを投入しているため、この照準器の使用はドローン迎撃に役立っているらしい。ドローンの飛行性能を考えると、人間が撃ち落とすのは至難の業だが、AIにより高速に照準が合うのであれば、人間がすることは銃の引き金を引くことだけだ。カメラのAFが高性能になるにつれ、素人でもピントの合った写真が簡単に撮れるのと同じかもしれない。銃とカメラ、同じような技術でも場面が異なると技術に対するイメージも変わるものだ。

AIやドローンのような新しい技術が投入されることで、防衛力の強化が図られ、守られる命が増える反面、兵器の強化による被害の拡大も同時に起こっている。刀や槍で戦うには、武器を扱う技術が必要で修練をした。しかし、誰でも戦地に行けるわけではなかった。

それが銃の登場で特別な技術がなくとも戦地に出向けるようになり、今ではドローンなどで戦地に赴くことなく戦争ができる時代となった。

技術の発展の闇の側面ともいえる。技術そのものに罪はないが、使う人により善にも悪にもなる。人間の判断こそが技術以上に重要かもしれない。

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