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政治資金の透明化とデジタル化

自民党安倍派の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑。
「政治資金はきちんと(政治資金報告書に)記載するのがルール。記載をしていないということは法律にも違反することで、なかなか申し開きできないということになる」
指摘したのは、河野太郎デジタル大臣。

群馬県主催のフォーラムに出席された際も記者団の質問に対し
「デジタル庁としては総務省と連携し、政治資金の透明性を高められるよう、できることをしたい。」
と発言されている。

現在でも総務省サイトでは「政治資金関係申請・届出オンラインシステム」を用意し、インターネット上でいつでも簡単に提出できるようになっている。
極論、深夜でも早朝でも自宅からでも申請・届出ができる。「会計帳簿・収支報告書等作成ソフト」も総務省のHPからDLでき、素人が見ても至れり尽くせりだと思える。

ここまで用意されていて報告書を提出しないのは悪意があるとしか思えない。国税庁サイトで「政治資金パーティーと適格請求書について」と題した消費税の情報が公表されているが、この中の回答で「政治資金パーティーの会費は、消費税は不課税として扱われるものであり、インボイスを交付する必要はない」といった内容のものがある。

一般国民にはインボイス交付を促すが、政治資金には適用されない。

「政策活動費」や「組織活動費」には使い道の報告義務もない。

政治家のお金に関することを調べれば調べるほど、報道される内容はすべて政治家本人の悪意が原因であることは自明である。この政治資金などのお金の流れを透明化できるのだろうか。

「デジタル庁としては、総務省と連携して」という河野太郎デジタル大臣の発言に対して、「どのような連携をすれば透明性が高められるとお考えか」と質問をしたい。

デジタル庁は行政の様々な分野に食い込み、デジタル化による作業の効率化、情報の見える化を行っている。政治家のお金に関する情報の見える化に成功すれば、歴史上最もクリーンな日本になるだろう。

インボイスのような制度も課税対象になるから意味があるが、そもそも課税対象にならないのであれば意味がない。「政策活動費」なども使い道の報告義務がないとなれば、誤魔化すことすらしなくてよいので、やりたい放題である。まずは法律の改正が必要である。

罰則がないと正しいことができないのは、子供扱いしてるようで情け無い気分にもなるが、そこまでしないといけない現状が目の前にある。デジタルによる情報の見える化も難しいが、政治家のお金の授受に焦点を当てるなら、政治に関しては貨幣使用を禁止し、デジタル通貨の利用など痕跡が残るものに移行してみてはどうだろうか。

ブロックチェーンなどにより貨幣より安全性は高まってきている現代であれば夢物語ではないはずである。手渡しのような方法で授受すれば誤魔化すことはできるが、痕跡が残るデジタルであれば少なくとも授受を誤魔化すことはできない。ハッキングしてデータ改竄までする輩が出れば、別の法律で取り締まれるし、専門のハッカーでもなければハッキングできるものでもない。

SFになってしまうが、紙幣にGPSやICチップを入れてしまえば、お金の物理的な動きを追うことはできる。現実的に聞こえない話に思えるだろうが、現状はそこまで深刻なのである。

デジタル庁が政治資金の透明化を図るのであれば、システムだけでは無理である。システムを扱うのは人間であり、その人間がシステムに従っていれば、ここまで大きな問題になってはいない。

デジタル庁ができるのはデジタルを利用して情報の見える化ができる環境を作ることである。これは河野太郎デジタル大臣も理解しているが故に「総務省と連携して」と発言されたはずである。しかし、環境がなければ、何もできないのも事実だ。
法律とデジタルの両方から環境を整備し、政治資金の透明化を一日も早く実現して欲しい。

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