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本間至恩の左足:2022 J2 第11節 アルビレックス新潟×V・ファーレン長崎

交代直後のファーストプレイで圧巻の左足クロス。

高木の基本に忠実な「ボールに近い方の足で蹴る」ボレーも非常にテクニカルだが、ご飯何杯でもいけるのは至恩の左足クロスである。

昨シーズン終盤は怪我で試合に出れないままシーズンフェードアウトした至恩だったが、今シーズンはスタメンで出ても途中交代で出ても輝いていて、いよいよ原石がピカピカの宝石になってきた感がマシマシ。

左足から繰り出されるピンポイントクロス

至恩の代名詞は左サイドから切り込む右足カットインになるが、あまりにも特徴的すぎて相手チームに対策されまくって行き詰まりを感じずにはいられなかったが本人もそれは十分把握していたようで、新たな武器として手にしたのは左足のクロスである。

前節の先制ゴールも左足クロスだったことから偶然ではなく必然のプレイと認識しなくてはいけない。

昨シーズンはアルベルト監督に左足も使えるようになれと言われていたようなプレイを見せることもあったが、なかなか壁を破ることができずにいた。見ている方も正直もどかしさを感じていた。

あれから10ヶ月、我々は悩みなど微塵も感じさせずに左足を振り抜くオレンジの背番号10を目撃している。

誰もが警戒する右足のカットインを封じるために守備が至恩の右足を切れば深く持ち込んでからの左足ピンポイントクロスが上がるし、左足クロスを警戒した状態で潰せるほど至恩の右足カットインは鈍くない。

完全なる超二択を圧倒的優位な状況で繰り出せることができるようになった俺たちの至恩。素晴らしい!最高!

個人的には両足でカットインもシュートもできる三戸の方がトータルのクオリティが高いのでは?と思っていたこともあったが、今となっては両者がそれぞれのストロングを持ったオンリーワンの存在。

右サイドでニャブリする三戸は相手チームからしたら非常に厄介だろうし、左サイドで圧倒的なドリブルと強力なサブウェポンのクロスを備えた至恩は誰にとっても脅威となる。両ウィングにイケてるアタッカーを備える新潟。

これからの至恩予報

今後しばらくは至恩の左右完全超二択に各チーム振り回されることになると思うが、新潟にとっては至恩が進化することでコーナーキックの頻度も増えるはずで、そうなるとデザインされたコーナーキックを駆使できる新潟のストロングをさらに強めることができる。

至恩の左足クロスは必ずしも綺麗に上がる必要はなく、守備に当たってコーナーキックをゲットできればOKという場面も増えてくるんではないだろうか。そして、コーナーキックをゲットするために「守備に当てる」至恩のプレイも見ることができるようになるのではないだろうか。

フィジカルを持っていないチームは新潟コーナーキックに対してマンツーかマンツー+ゾーンで守るしかないが、その守備方法は新潟コーナーキックが最も得意とする守備方法である。この試合の先制ゴールも相手はマンツー+ゾーン守備で、見事にみんなニアに釣られてフリーの藤原MOM魂のダイビングヘッドである。

(なお、この試合の長崎のコーナーキック守備はちょっと特殊で、ゾーンベースの部分マンツーマンみたいな形。ゾーン配置からキックされたと同時に数人がマンツーマンで捕まえるというもの。長崎がいつもこうなのかどうかは知らない。長崎はフィジカルを持っているんだから普通にゾーンで弾けば良かったような?と思ったけど意図は解らず。ゾーンだと思わせといて新潟にデザインさせない狙いとかだったんだろうか?)

守備に当ててコーナーキックゲット以外にも右足カットインを止めきれずに堪らずファウルしてしまいPKゲットとかもあるだろうし、左足クロスを警戒させてからの右足カットインから右足シュートを叩き込むとか、守備が至恩に常時2人を付けて徹底マークするけど至恩以外の誰かがフリーでボール受けるとか、そんなこんな我ら新潟サポーターが一番見たい景色をたくさん見せてくれるんじゃないだろうかと期待せずにいられない。

新潟の至宝、本間至恩に今後も大注目です。


「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。