見出し画像

いじめ防止対策推進法のポイント(我が子がいじめ被害にあって思うこと)

こんにちは、HitoniYoriです。

うちは子どもが二人ともいじめ被害により不登校になった経験があります。

今回は、いじめ防止対策推進法の中身のポイントについて書きたいと思います。

なぜ、このnoteを書こうと思ったかは下記の為です。下記を実行するにあたって、少しでも多くの人に「いじめ防止対策推進法」という法律があることと、それがどんな内容なのかを知ってもらう為です。

まず最初にお伝えしたいことは、いじめ防止対策推進法は素晴らしい法律です。

2013年までいじめに特化した法律が無い中で、たくさんの方の尽力で施行されました。

私は、いじめ被害の実情に真正面から向き合い、いじめ防止対策推進法成立の為に奔走された方々に敬意を表します。

このいじめ防止対策推進法は素晴らしい法律なのですが、それがうまく活用されていません。

どんなツールも時代と共に形を変えます。それがどんなに素晴らしいツールであっても正しい使われ方がされていないなら、正しい使われ方がされるように形を変えなければいけません。


このnoteの読み方

時間の無い方やサッとポイントを理解したい方は「いじめ防止対策推進法のポイント」の章の太字だけ流し読みをして気になる太字部分の周りだけ読んで頂いても良いと思います。

いじめ防止対策推進法をあまりご存じない方は、第一章と第二章はとりあえず、考えなくても良いと思います。

大事なのは「第三章の基本的施策」と「第四章のいじめの防止等に関する措置」です。

いじめが深刻化し、重大事態になった方は「第五章の重大事態への対処」も必要になりますが今回はそこまで書いていません。

第六章 雑則はすこしだけ重要な部分がありますが、今回は省きます。

いじめ防止対策推進法とは

いじめ防止対策推進法(以下、推進法と言います)とは、いじめへの対応と防止について学校や教育委員会など、行政の責務を規定した法律です。

まず、全体を把握しましょう。

推進法は下記の6つの章から成り立ちます。

■第一章 総則
■第二章 いじめ防止基本方針等
■第三章 基本的施策 / 第四章 いじめの防止等に関する措置
■第四章 いじめの防止等に関する措置
■第五章 重大事態への対処
■第六章 雑則

いじめ防止対策推進法のポイント

では、ここから推進法のポイントに入っていきます。今回記載したポイントは5つです。

■「第一章 総則」(定義)>「第二条」

推進法ではいじめを明確に定義しています。(たぶん)それまでは軽微なものは「じゃれあい」というような扱いにされたりしていたのだと思いますが、被害児童が嫌だと思ったらそれはいじめと言うように定義しました。画期的なことです。

逆にいうと被害児童が嫌だと思ったらすべていじめになってしまうので、懲罰や処分が組み込まれなかったのかもしれません。

この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

いじめ防止対策推進法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071_20221001_503AC0000000027

■「第三章 基本的施策」(インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進)>「第十九条」

インターネットを通じて行われるものも被害児童が嫌だと思ったらいじめです。最近はLINEなんかが多いのではないでしょうか?

学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。

2 国及び地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。

3 インターネットを通じていじめが行われた場合において、当該いじめを受けた児童等又はその保護者は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第六号に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。

いじめ防止対策推進法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071_20221001_503AC0000000027

■「第四章 いじめの防止等に関する措置」(いじめに対する措置)>「第二十三条」

とくにここの「4」は重要と思います。

学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。

 学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。

 学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。

 学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

 学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

いじめ防止対策推進法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071_20221001_503AC0000000027

■「第四章 いじめの防止等に関する措置」(学校の設置者による措置)>「第二十四条」

教育委員会(学校の設置者は教育委員会です)は学校をしっかり監督し協力しなさいという記載です。

学校の設置者は、前条第二項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、その設置する学校に対し必要な支援を行い、若しくは必要な措置を講ずることを指示し、又は当該報告に係る事案について自ら必要な調査を行うものとする。

いじめ防止対策推進法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071_20221001_503AC0000000027

■「第四章 いじめの防止等に関する措置」(出席停止制度の適切な運用等)>「第二十六条」

ここ重要です。

市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定に基づき当該児童等の出席停止を命ずる等、

いじめ防止対策推進法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071_20221001_503AC0000000027

推進法で改正したい内容?

我が子がひどいいじめにあい、その後の行政の対応もずさんで、いじめ防止対策推進法なんて誰も守っていない。意味のない法律と思い、子どもの人権を守る為には改正すべきと思いましたが、誰も守らないだけで、内容じたいは素晴らしい法律なので、ここを改正したいという部分は思い浮かびません。

しかし、無理に気になる点をあげるとすれば、下記でしょうか。

■全て大人視点、いじめ被害児童の深刻な状況の理解に欠ける

 子どもの視点を取り入れるべき、子どもの人権を考えるなら子ども主体の意見を取り入れるべき。

■厳罰化も必要と思われるが道徳教育の明記が少ない。ほぼ下記だけ。もっと子ども自身によりそって子ども自身の意識を高める施策が必要。子どもは守られるべきものでありながら人権の主体です。

「第三章 基本的施策」(学校におけるいじめの防止)>「第十五条」

学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない。

いじめ防止対策推進法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC1000000071_20221001_503AC0000000027

■いじめ加害児童と被害児童にしか言及していない。周りではやし立てる児童(観衆)とみて見ぬふりをする児童(傍観者)に対しても組み込むべきと思います。(傍観者もっ頃に傷を負っている可能性があるため)

観衆や傍観者を罰しろと言っている訳ではありません。傍観者もいじめの構造の一部を担うということを児童本人に認識して欲しいのです。

■加害児童の出席停止について明確な基準を設けて欲しい

「第四章」>「第二十六条」の「当該(加害)児童等の出席停止を命ずる」とあるのに実行されたことがほとんどない。

とある市のいじめ議会で出席停止の質問があったが、「該当しない」との回答があったとのこと。

なぜ、該当しないのか?加害児童を出席停止に出来る勇気のある人がいないのであれば法律で明確に基準をつくるべき。

みなさんのご意見

Xのリプライで貴重なご意見を頂きました。

日ノ澤 和子さん

日ノ澤 和子さん(@u1ye3AMyq074727)です。

日ノ澤さんは「被害児童が嫌だと思ったらいじめ」といういじめの定義を、もっと明確な定義の方が良いのではないでしょうかと(控えめに)おっしゃられています。

いじめ加害者も自分を守ろうとするので被害者にひどいことをしても被害者が嫌だと言わなかったら、それはいじめではないという論法を使うかもしれないから ということのようです。

そうであれば、逆にこれをやったらいじめだから止めなさいの方が被害児童を守れるかもしれませんね。

いじめの定義を変えることの必要性を感じます。「当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」の部分は被害児童生徒の心に寄り添った部分でありながら加害児童生徒に利用される部分でもあると感じます。私は主犯の取り巻きから「お前がいじめって言ったら俺たち加害者にされちゃうからそうなる前に絶対殺すからな。」「自殺する前に『いじめはありませんでした』ってここに書けよ。」「お前の存在が心身の苦痛だから加害者はお前。」と言われました。いじめかどうかが被害者次第で決まる今の定義だと余計に被害者が追い詰められる場面が0になることはないと考えます。大人の犯罪と同じように、「何をしたらいじめになるのか」を明確に定義された方が今の定義よりも適切だと今の私は考えています。

Xのリプライ

考えさせられる内容ですので、ぜひ読んでください。

 ↓

日ノ澤 和子さん(@u1ye3AMyq074727)から追加のリプライです。
下記とのことです。最後まで控えめです。

より良い具体的解決策の妨げになっては悲しいです。あくまで私の私見でありその他のご意見やお考えを否定するものではないです

Xのリプライ

他にもご意見を頂いています。

冨永良喜さん

冨永良喜 / Yoshiki Tominagaさん(@YujLFgyjRJ5SI29)です。ありがとうございます。

次期学習指導要領改訂(2027年決定)で、心の健康授業を全学年で年間5~10時間できるようにしてほしい。そして「いじめ犯罪防止対策推進法」に改正し、心の健康授業でいじめ・犯罪防止授業ができる国にしてほしい。

Xのリプ

デンマークが取り入れているいじめ対策(Fri for Mobberi(いじめからの解放))に似ています。

大変すばらしい内容ですので読んでみてください。
 ↓

以上です。



よろしければ支援をお願いします。 頂いた支援は今後の活動に役立たせて頂きます。 イジメ被害児童やその家族の支援活動の為に使わせて頂きます。