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創業時の強い味方!日本政策金融公庫の創業融資(新規開業資金)とは?


(1)はじめに

創業時に直面する大きな課題の一つが資金調達です。
事業を軌道に乗せるためには、十分な資金が必要不可欠ですが、初期投資や運転資金の確保に頭を悩ませる起業家は少なくありません。
そんな時、頼りになるのが創業融資です。特に、日本政策金融公庫の創業融資は、多くの起業家に利用されています。
本記事では、日本政策金融公庫の創業時の融資の特徴などについて解説します。

(2)創業融資とは

創業融資とは、事業を始めるための資金を借入れることを指します。
銀行や公的機関が、事業計画の内容や借入人の信用力などを審査し、融資を行います。創業融資には、事業の種類や規模、借入人の属性などに応じて、いくつかの種類が用意されています。
通常の融資では、過去の借入金返済状況、現在の財務状況や担保状況などが特に重視されますが、創業融資では、事業計画の実現可能性や市場性なども含めた将来性も重要なポイントとなります。

(3)日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫は、国が全額出資する政府系の政策金融機関です。中小・零細企業向けの事業資金の融資を行っており、創業融資にも力を入れています。

日本政策金融公庫HPより抜粋

例えば、日本政策金融公庫の創業融資(新規開業資金)制度の概要は以下の通りです。

  • 利用可能な方:新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

  • 融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)

  • 金利:1~3%

  • 返済期間:設備資金20年以内、運転資金10年以内(据置期間5年以内)

日本政策金融公庫の創業時の融資は、金利も比較的低く設定されており、返済期間も長いため、創業初期の資金繰りの負担を軽減できます。

(4)経営者保証

借入に際しては、経営者保証(個人保証)を求められることも珍しくありません。個人保証は、万が一にも事業が失敗した場合、経営者自身の個人資産に影響が及ぶリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。
しかし近年、政府の方針として、個人保証を不要とする融資制度が増えてきています。個人保証のリスクを理解した上で、可能な限り個人保証を不要とする融資制度を活用することが賢明です。

経営者保証問題については、以下の記事を参考にしてください。

(5)創業時に融資を利用するメリット

創業時に融資を利用するメリットはを大きく2つ紹介しますが、特に、資金面での安定性は、事業を成功させるための重要な要素です。

①資金面の安定性
一つ目は、資金調達の安定性です。
創業時は、収入が不安定なことが多く、資金繰りに苦労することがあります。融資を利用することで、一定期間の資金を確保できるため、事業に専念できます。

②事業計画の精度向上
二つ目は、事業計画の精度向上です。
融資を受けるためには、事業計画書を作成する必要があります。事業計画書を作成する過程で、事業の課題や目標を明確化できるため、事業の成功可能性を高めることができます。

(6)創業融資時のポイント

創業時の融資を受けるためには、以下の点に注意が必要です。

1.現実的な事業内容と取引先の提示
創業融資の審査では、具体的な事業内容や実際に取引可能な取引先などを事業計画書に記載することも重要です。事業計画書の内容が客観的に見て妥当性があることが求められます。

2.明確な資金用途の提示
資金用途を明確に示し、必要に応じ、見積書などの証明書類を用意することが必要です。資金用途が不明確だと、審査に通らない、あるいは融資額が減額される可能性があります。

3.説得力のある資金計画の立案
創業後の売上、仕入れ、経費などのお金の流れを明らかにし、返済見込みのある説得力のある資金計画を立てることが重要です。

4.自己資金の用意
一般的に、自己資金比率が高いほど、融資は受け易くなります。
また、直近半年分の通帳がチェックされ、計画的に自己資金を貯めているかなど確認されます。

5.事業計画書の詳細な作成
事業計画書には、創業の動機、経営者の経歴、商品・サービス、取引先・取引関係等、借入状況、必要な資金と調達方法、事業の見通しなどを詳細に記載します。
特に、事業収支をしっかり試算し、客観的な市場データや収益のシミュレーションを入れるなど、数値の根拠を明確に示すことが大切です。

6.創業する事業の経験値のアピール
創業する事業と同じ業種の仕事をした経験があれば、それをアピールすることが有効です。事業経験は返済能力を判断する上で重要視されるポイントの一つです。

7.信用情報の管理
融資審査では、経営者のクレジットカードやローンの借入状況、税金や公共料金の延滞の有無などの信用情報がチェックされます。支払いの遅延や滞納は信用を損なうため、日頃からしっかり管理することが重要です。

8.面談の入念な準備
融資担当者との面談では、創業計画書をもとに、資料からはわからない融資希望者の人柄や熱意など定性的な部分が見られます。事業計画の内容を自分の言葉で説明できるように準備しておくことが大切です。

このように、事業内容や資金計画の妥当性、自己資金の準備、信用情報の管理などの多様な観点から、しっかりと、創業時融資のための準備を進めることが重要です。

(7)個人信用情報に留意

将来の創業融資を想定した場合に、今、特に気を付けるべきは、"個人の信用情報"です。クレジットカードの利用や消費者金融からの借入状況、税金の滞納など、資金管理には細心の注意を払いましょう。
また、仕入先や得意先など関係者とのネットワークをあらかじめ構築することも有効です。積極的にネットワークを広げることで、事業計画書の説得力や事業の成功確率向上にも寄与します。

(8)まとめ

創業時の資金調達では、創業融資の活用が有効です。特に、日本政策金融公庫の創業時の融資は、起業初心者にとってチャレンジし易い制度設計となっています。
融資を活用することで、当面の事業資金を確保でき、事業の成功可能性を高めることができます。
創業を目指す方は、必要に応じて、外部の専門家の力も借りつつ、日本政策金融公庫の創業融資(新規開業資金)を検討してみてはいかがでしょうか。

お読みいただきありがとうございました!
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