『段ボール授乳室事件:千田有紀の文章を検討する』2023-09-29

乞食におにぎりを恵んであげると、
 1度目は礼を言うが、
 2度目は塩加減に文句を言い、
 3度目にはおかずを要求する。

 島根県川本町の道の駅に、強化段ボールでつくられた簡易な授乳室が寄贈されたという記事に、フェミニスト達がまたぞろ噴き上がった。それを見て私が思い出したのが、この格言?であった。

 【千田有紀】などは口を極めて罵っている。
 彼女は2018年、実際には炎上していなかった【「キズナアイ」のノーベル賞まるわかり授業】の炎上を捏造した人物である。

 彼女はこの授乳室について、こんなことを書いている。

なにしろカーテン一枚の向こうがそのまま、人でごったがえすであろう道の駅の店舗である。

段ボール授乳室が、撤去されるであろうわけ―あまりに貧困な「子育て支援」

 ……はて、道の駅って一般的に、そんなに人で「ごったがえ」しているものなのだろうか? 

「道の駅」とはそもそも、休憩できる場所の不足した一般道路に休憩所を設ける趣旨で作られているものである。人でごったがえすような場所なら道の駅そのものの設置必要性が低いし、寄贈を受けたのは島根県各地の道の駅である。全国都道府県人口ワースト2位の、田舎のイメージが強い県に必ずあげられるところだ。私も2度ほど(一度は出張、一度は観光で)行ったことがあるが、県庁所在地である松江市の中心街でさえのどかな田舎町といった風情の地域である。
 加えて、1993年以降に正式登録が始まった、ジャンルそのものが比較的新しい施設だ。それほど多数の来客がある施設ならこのような移動式のものを設置するまでもなく、すでに立派な授乳室があるのでは? 

 千田氏が罵っている松江市内の道の駅とは「道の駅 秋鹿なぎさ公園」という施設である。

Googleマップより

 松江市内ではあるが中心街からはもちろん離れた、宍道湖の北側中央付近にある場所だ。拡大すると多少の周辺施設はあるものの、すぐさま森林部と田畑が広がっている。もともと休憩施設の不足している場所に置くべきなのが道の駅だから適切な立地と言えるだろう。格安でカヌーやヨットが体験できるという売りはあるが、人でごった返すのかは甚だ疑問だ。

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