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『部分対象関係から見るDV問題』2024-02-23

※タイトル画像:鳥山明『DRAGONBALL』集英社 より引用。


 少し前に私は、こんな記事を発表した。

 この記事の通り、私は「DVされたーーーー!!えっ?○○が不自然?DVとはそういうものなんだ!女性が被害を訴えてるんだゾウ!!」という類いの話を、信じないことにしたのである。信じられなくなったと言ってもいい。
 要はそうした「DV怪しいけど本当なんだあるある」は、実際にDVあるあるなのではなく、女性のDVでっちあげがバレそうになると不自然な点を糊塗するために女性たちが「私もそういうのありました!」「私も私も!」と寄ってきて嘘松を積み重ねてきた結果つくられたであろう、神話に過ぎない――と考える。
 ほら、フェミによる萌え絵やポルノ叩きが劣勢になると「私も酷いショックを受けました!」「私はこの画像に影響された痴漢に遭いました!」とか大嘘言い出すヤツ、いるでしょ?w

宇崎ちゃん献血ポスター叩きを援護するツイート
https://twitter.com/enjyu100/status/1184911577952047104
高輪ゲートウェイ駅のAIさくらさん叩きに援護射撃するツイート
https://togetter.com/li/1483925

 それと同じ事象が「DV被害者支援界隈」でも起こっているだろうと考えるのはたやすい…….というか、はっきり言ってプレイヤーは丸かぶりなんだから、同じ嘘を吐いてないワケがない。

「逆ベジータ理論」

 特にミームとして拡散したことはないが、私がDV被害者に対する支援者界隈について、勝手に作った言葉がある。「逆ベジータ理論」というのがそれだ。
 本当に私が頭の中だけで勝手に呼んでいた。

 しかし、意味は推測できるだろう。要するに「結婚前は優しかった男が、結婚によって豹変し、DVをするようになる現象」のことを指している。なぜならあまりにも有名なベジータがまさにその真逆の存在だからだ。
 『ドラゴンボール』の内容は今更説明するまでもないことであるが、地球侵略をしようとした悪の異星人であったベジータは、その侵略軍団の大ボス・フリーザが倒れ、地球に住み家族を持つようになってから平穏な日常を過ごしており、地球が危機に陥れば家族を守るために主人公らとともに戦うようになる。後半以降の彼は、ネグレクト親といっても過言ではないとされる主人公・孫悟空よりも、遙かに良き夫・良き父親になっているとファンの間ではもっぱらの評判である。
 原作最終章であるブウ編では、再び純粋に闘いに打ち込むため、敵の魔法使いバビディによる洗脳を自ら受け入れる必要があると判断し実行したほど、彼は「優しくなって」いた。

 こうした、家族を持つことで男性が優しくなる、という人間観はごくごく一般的なものだ。
 実際、遊び人の男などが「あいつも所帯を持てば、真面目に働くようになるだろう」などと言われるなど、昔からこのような人間観は存在していたと思われる。
 なぜなら結婚や子の出生といった人生イベントは、男性にとって家族を養う役割を背負わされるということであり、その役割を果たそうとする動機付けになるからだ。……もちろん、結婚してなお飲む打つ買うに明け暮れ、奥さんに苦労をかけ続けるような、どうしようもない男もいたことはいたわけだが。

 ところが、DV被害女性支援界隈――いや正確には「女性の被害者特権を永続化したい界隈」とでも言うべきか――によると、むしろ逆の現象が多く主張されている。男は結婚すると逆にDVをするようになるらしいのだ。

 これが言われるようになったプロセスを想像するのは容易だ。
 もともとDV被害を訴える女性に対して、そもそもなんでそんな暴力男と結婚したんだ? という当然の疑問が存在した。
 それに対して、男性は結婚すると「豹変」するので、DVを受ける事を予測するのは不可能なのだ、だから女性側に一切の非はない……というカウンターとして、この理論は登場した。
 これが逆ベジータ理論であるが、そもそも主張の目的として、最後の「だから女性側に非はない」というのが肝心な部分であるというのは明白だろう。
 特に赤裸々にこの欲求に忠実に動いているのがこのツイートである。

 Xで「DV 豹変」でXを検索するとこの類いの発言はいくらでも見つけることができる。

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