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 藤江民作。1994年作のシルクスクリーン作品。

「表現の不自由展・その後」に展示された本作。
下は富山県立近代美術館「’86富山の美術」図録の実物。
藤江 民さんから応援メッセージ「美術はナマモノだ」より)

 白黒作品ということもあり写真では若干見えづらいが、本が焼かれている場面である。

 1986年、富山県立近代美術館で開催された「'86富山の美術」展に藤江は作品を出品したが、出展作のひとつ『遠近を抱えて』が右翼団体の抗議に遭い、美術館は同展覧会の図録を非公開とし、焼却処分とした。美術界では「富山県立近代美術館事件」、法学界では「天皇コラージュ事件」として知られる有名事件である。
 もちろん焼かれた図録には、藤江の作品も収録されていた。それが焚書に遭ったことに抗議して藤江は、図録が焼かれるイメージ画像をシルクスクリーンにして発表したのである。

 本作は富山市舞台芸術パークで開催された『ARTEDGE'94』に出展され、そこでも市からの強い反対を受けたのだが押し切って出展。
 あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」にも出展したが、2022年の「表現の不自由展 東京2022」には出展されていない。

参考リンク・資料:

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/302900_1139857_misc.pdf

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