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『お嬢様ずんだもんはなぜ愛されたか』2024-03-29

 ここ数日「お嬢様ずんだもん」という概念がネットを騒がせている。
 ある女子中学生がX上で、ディズニーに行くためのお出かけ用の服を選んでおり、その服を「お嬢様ずんだもん」と表現し、それを着てディズニーに行った写真を投稿したところ、一部のタイプの女性から理不尽な集団リンチを受けたと言う話である。

 一応説明しておくと、ずんだもんとはSSS合同会社によるキャラクターで、東日本大震災復興支援のために生み出された「東北ずん子」のキャラクターで、彼女が持つ「ずんだアロー」に変身する”魔法少女の相棒の妖精”的な立ち位置である。
 非商用であれば(東北6県に本社を持つ会社であれば商用も)無料で利用可能であるため、YouTubeをはじめ動画サイトなどで広く親しまれている。

小動物バージョン(上)と人型バージョン(下)のずんだもん

 元ポストの写真をみると、吊りズボンとシャツをそのまままお嬢様風のブラウスとスカートに置き換えたような服で、言い得て妙という感じである。

「お嬢様ずんだもん」は当初、非常に好意的な反応を受けていた。いや、最終的にも好意的反応が「一部のタイプの女性」に圧勝してしまったので、結局のところ「大多数の人に受け入れられているものに”一部のタイプの女性"が悪罵を投げつける」という以上の状況ではなかったわけだが。

 元々ずんだもんというキャラクターは、設定上女性ではあるが「なのだ」口調でズボン姿の中性的なキャラクターであり、なんなら動画では男役として扱われることも少なくない。「腰降りヘコヘコずんだもん」などの下ネタミームと関連づけられたりもし、生みの親である榊正宗氏が苦言を呈したことも記憶に新しい。

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