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【暗黒舞踏派ガルメラ商会】

 横尾忠則氏作のシルクスクリーン作品(1965年)。
 アサヒビールの広告に着想を得て製作されたとのことで、中央と左右下に朝日のデザインの他、バラの花、小鳥、女性の像などが描かれている。横尾氏は本作以外でもしばしば朝日のモチーフを用いている。

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 あいちトリエンナーレ2019内で開催された「表現の不自由展・その後」に出展。同展に出展された作品の中では製作年が群を抜いて古く、また左派的な思想に基づく作品がほとんどを占める同展のなかで、拒否理由のほうが左派系である唯一の作品でもある。
 
 本作が問題視されたのは、作品の発表から50年近くも経った2012~2013年である。
 というのは本作の抗議ポイントはいわゆる【旭日旗】問題なのだが、旭日旗は近年まで問題となるデザインではなく、2011年に【韓国】のサッカー選手が「国際試合中に猿の真似をして日本人選手を侮辱した」ことを咎められ、「観客席に旭日旗があったからだ」と言い訳したことに端を発し、「旭日旗は日帝の軍国主義で許しがたい」ことに韓国が路線変更したものである。
 その直後の2012年にはじまったニューヨーク近代美術館で「TOKYO 1955-1970:新しい前衛」展に出展した際、在米韓国人団体が「旭日旗と類似したデザインが軍国主義的」と抗議したが、抗議自体が会期終盤に行われたためもあるのか、作品は最後まで展示を続けられた。

 なお「表現の不自由展・その後」にはもう1点横尾氏の作品が出展されており、【ターザンの雄叫び】というラッピング列車のデザインである。

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