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風のことを書いた本

以前に管理していた「風のゆんたく」という私のブログからの移行記事の続きです

風のまつり(2010年12月07日)

椎名誠「風のまつり」を一気に読んだ。

小説など5年に一度くらいしか読まないのに、なぜか「風の、、、」というだけで、アマゾンでワンクリックしてしまった。

どうせ、また「積ん読」で、そのままになるだろうと思っていたのに、何かに取り憑かれるように、2日間で読み終えた。

南の島が舞台になっていること、その情景をここ石垣島に置き換えてみると、文字で風景が記述できることに少し驚いてしまった。

椎名誠の手に掛かると、風景だけではなく、そこを通り過ぎるちょっとした風や台風のような激しい風が、音や匂いを伴って通り過ぎるようだ。

「かざぐるま」が、私の次の課題になった。

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これ以外にも、椎名誠の文庫には「風のかなたのひみつ島」という池間島を含めた日本の8つの島の訪問記もあって、その視点の面白さに惹かれる

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「風車」や「かざぐるま」については、現在、調査・勉強中

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風の御主前(2014年7月23日)

石垣島の自然を知る上で、この小説はとても重要だということが、読み終えてやっと分かった。14年目にして初めて石垣島のこの100年あまりの歴史が分かったような気がする。風の御主前(かぜのうしゅまい)とは、気象観測所の主人とでもいう意味。

小説の内容は、石垣測候所の所長を務めた岩崎卓爾に関するもので、石垣測候所に赴任してから亡くなるまでのエピソードが書かれたものだ。そもそも岩崎の名前を知ったのは、庭で鳴いていた小さな蝉を見つけて、その名前を知りたくて調べたところ、これが「イワサキクサゼミ」であることが分かった時だった。

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岩崎という昆虫学者が発見したんだろうなぐらいに思っていたのだが、やがてそれが石垣測候所の所長だったことが分かり、どんな人物かずっと興味を持っていた。それが、今年の春になって石垣島の友達のブログでこの本の表紙が紹介されており、そこに岩崎卓爾の名前があったので、すぐにAmazonで取り寄せた。すでに絶版なので中古しか無く、確か68円程度だったと思う。その後、文庫サイズのものも出版されたようで、とりあえず両方購入した。

「風」とは南の島を語るのに常に伴う気象現象であり、風土であり、人々の生き様であることが読み終えるとよく分かる。久しぶりに感動したこの本の記述に従って、当時の島のことを現地で振り返ってみようと思う。

生涯を石垣島の台風観測に捧げた岩崎卓爾をトレースすることも私の生き甲斐になるかもしれない。

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風に聞いた話(2021年〜)

その後、興味があって読み始めたのが、琉球列島に伝わる風の名前や気象に関わる話題を、写真と文章で構成された美しい本「風に聞いた話」ですが、これは2021年の現在、読み進めているので、いずれ、ここでも紹介しようと思います。

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東京と石垣島との2拠点居住を始めて20年になります。それぞれの土地と情報との中で人生を豊かにする暮らし方「スマートライフ」を実現しようと試行錯誤しています。それぞれの場所で日常の中に見つけた「暮らし」を発信しようと思います。