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マシュマロをできるだけ高く上げる

野底小学校のマーぺ学童クラブ

石垣島北部にある野底小学校は、全校生徒24人ですが、約半数が学童クラブに所属しています。その学童クラブは12月28日が2020年最後だったので、お楽しみ会となりましたが、その催しに講師として呼んでいただきました

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マシュマロ・チャレンジ

これまで何回か担当させていただいた時には、折り紙やポップアップカードなど「平面から立体へ」をテーマにして、一人ずつが作業したのですが、今回はみんなで役割分担して作業するチーム・ビルディングを体験してもらうために、ビジネス研修でもよく取り上げられる」マシュマロ・チャレンジ」に取り組みました

マシュマロチャレンジとは、4人一と組になって、18分間の間にパスタ20本をセロテープやヒモを使ってタワーを組み立て、その一番上にマシュマロを置き、その高さを競うというものです。大切なのは高さではなくて、そのプロセスでいかに4人が役割分担して作業するか、さらにゴールに対してどのように作業を展開するかを短時間で考えるかを体験することだと思います

今回参加したのは、
Aチーム:1〜2年生4名
Bチーム:3〜4年生4名
Cチーム:5〜6年生4名
の12名ですが、年齢を公平に学年混合にしてしまうと、高学年生がそうしても全体をリードしてしまうので、そうならないように学年対抗にしてみました

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チャレンジ・スタート

チャレンジは2回実施しました。所要時間は18分、各チームには、パスタ20本、セロテープ、ヒモ、ハサミ、マシュマロ1個のセットが配布されています

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開始とともに、すべてのチームがタワーの構造を考えるよりも前に、すぐにパスタを数本取り上げて、片方の端をテープで止めて反対側の足を広げて机の上に立てました。ここまでは共通なのですが、その後は高さを保つための色々な工夫が試されていました

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役割分担で特徴的だったのは、中学年Bチームの「セロテープカット係」で、パスタを止めるのに最適な長さを指示され、ひたすらその長さをハサミでカットしていました

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どんな結果になったか

1回目に成功したのは、3〜4年生で構成されたBチームでした。世界の平均が20インチ(約50cm)ですが、それを上回る53cmという高さまで、マシュマロを持ち上げることができました

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このチームの成功の元は、男子一人がテープカット専属、一人の女子がパスタの支え、残り二人がテープ固定とバランス確認と、早くから役割分担ができていました。また最後にマシュマロをセットするのではなくて、初期から一本のパスタにマシュマロを刺したものをタワーにつけながらバランスを見ながら、パスタを補強して行ったのが良かったように思います。マシュマロって軽いと思いがちですが、案外パスタに突き刺すと重くてバランスを崩して垂れ下がってしまうのです

高学年は高さを確保しすぎて、マシュマロを刺した時点で倒れてしまうという結果でした

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いくつか気づいたこと

1)このチャレンジの内容や目的をあまり詳しく伝えなかったこと
  子どもたちでチーム構成をする時には重要かなと思いました。最初に伝えたのは、「マシュマロをできるだけ高く持ち上げたチームが勝ちです」だけです。ヒモを使って天井から釣ればいいんじゃない、という素晴らしい解も飛び出しました

2)1回目の反省をみんなで考える
  最後に倒れてしまって0cmだった低学年と高学年の2チームは、足元をしっかり固めることに気づき、2回目にはパスタ同士で基礎を作り安定させたタワーを作ることができました。建築的ですが、、、

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3)低学年にはもっと工夫が
  1〜2年生で構成されたAチームは、1回目はまだ参加意欲があったのですが、2回目には、すでに飽きてしまって一人しか取り組まない状態になってしまいました。これは、大人の場合にご褒美(賞金)を与えるなどのアナウンスをすると、確実に成功率が高くなるなどの例を見ると、18分後にはおやつ(マシュマロでも良いかな)が食べられるなど、モチベーションを持てるアイディアの導入が必要かなと思いました

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まとめ

今回は、初めての試みだったので、他にもたくさん工夫できることが見つかりましたが、それを次の機会に生かしてみて、またその是非を報告できればと思います。写真を見てお分かりのように、お楽しみ会の会場が音楽室だったので、机がピアノの鍵盤をプリントしてあるものだったり、部屋の中にピアノがあったり、ドラムがあったりと、とてもくつろげる雰囲気が演出されていたことは、環境としてとても良かったような気がしました

さらに、今回は全員が顔見知りのお友達だったことも、チーム編成での難しさがなく、作業開始とともに阿吽の呼吸でスタートできたのですが、これが、知らない子どもたちの混成チームだったらどのような進行になったのかも興味あるところです

学童クラブを担当の父兄からは、この作業プロセスの中に人生そのものが反映されているというコメントをいただいて、18分という短い作業の中で、参加者がいろいろなことを感じてもらえたら良かったなと思いました

東京と石垣島との2拠点居住を始めて20年になります。それぞれの土地と情報との中で人生を豊かにする暮らし方「スマートライフ」を実現しようと試行錯誤しています。それぞれの場所で日常の中に見つけた「暮らし」を発信しようと思います。