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第4回:「世界のVIPの指名が絶えない伝説の運転手」タックさんこと、鈴木隆夫さん

Hito TERRACE(ヒトテラス・人照らす)では、私たちが「この人は魅力的だ!」と思ったヒトへのインタビュー動画を紹介しています。その人を突き動かす源=マニアック性と考え、そこを明らかにしていくインタビューです。
この記事を観ていただいた方も元気になるヒントがあれば嬉しく思います!
ナビゲーターは、
(株)プロジェクトプロデュース 代表 亀田啓一郎
ゴールデンフラワーズ合同会社 代表 大井きさこ

が務めます。

すぐにインタビュー動画をみたいという方はこちらから♪ (46分49秒)

第四回のゲストは、鈴木隆夫さん 愛称:Tack(タック)
ビジネス人生の後半、鈴木さんはホテルオークラ、リッツ・カールトン東京、パレスホテル、アマン東京と一流ホテルでの”おもてなし”の仕事に従事した。しかも、各国の要人、大富豪が「日本に行くなら運転手は是非、Tack(タック)にお願いしたい!」と指名されるVIP専属ドライバーなのだ。

ホテルを退職した現在も(2021年時点で66歳)、ホテル時代のお客様の秘書兼、専属ドライバーとしてロールスロイスを運転する傍ら、全国各地や海外で『リッツ・カールトン流おもてなし』の講演活動、副業で写真屋を営み、空き時間には趣味のルアーフィッシングとエネルギッシュに活動している。

このプロフィールを聞くだけでも興味をそそられるが、鈴木さんはおもてなしの領域だけでなく、
・法政大学時代に所属した体育会自動車部では、社会人に混じって全日本ラリー選手権に参加。
・写真では、2008年日本写真家協会会長 熊切圭介賞を受賞。ファッションショーの東京コレクションのオフィシャルカメラマンやアウトドア雑誌、ワイン雑誌などの撮影や取材をこなす。
・ルアーフィッシングでは、ブラックバス釣りのUSオープンに5年連続出場。日本国内では4位にランキングされるまでになる。
というように、取り組む分野でトップレベルを極めている。
今回のインタビューでは、そんな鈴木Tackさんの半生を振り返りながら、彼を突き動かす源を探る!

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みどころ①:接客の原点は幼少期にあった!

<エピソード>
小学校の6年生の時に新聞屋の同級生がいた。新聞を契約してくれた景品として渡す「遊園地の招待券」を友達と一緒に持ち出して、遊園地の入り口で家族連れに安く売ることを思いついた。最初は勇気がいったけど、やり始めると家族連れは喜ぶし、こっちも小学生ながらに結構稼いでしまってやめられなくなった。お金が欲しいというより、あの家族は買うかなあとか思いながら、家族連れとやり取りするのが面白かった。最初の仕事となる車のセールスでも、”けんもほろろ”だったお客さんが、だんだん変わってきて、納車の時は大喜びでまた次も買ってくれるような、お客様の変化を感じることにワクワクしたのと同じだった。
結局、遊園地の人にばれて、首根っこを掴まれて学校に突き出された。父親が学校に呼びだされ、帰り道めっちゃくちゃ怒られるなと思ったら、「お前大きくなったら商売人になった方がいいな」と、それだけ言って終わりだった。それが今でもずっと残っている。
(余談)ちょっと変わった面白い父で、当時モーターショーが人気で休日は混雑して車が見れないから、「お前、具合が悪いとか言って、学校抜けて来い」と言って、学校に車で迎えにきて、平日にモーターショーに連れてってくれた。

★感想★
小学生の時に、自分で考えてアプローチして「お客様が喜ぶ瞬間がワクワクする」という原体験をしているのは貴重だ。また、やり方の良し悪しは別として、その根底ある試みを許容する父親の存在も大きいと思う。おそらく、その心理的安全性が親から担保されていたこともあって、この後、鈴木さんは枠組みを超えた行動にチャレンジすることができたのではないだろうか。

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みどころ②:日産ディーラーに就職。競合車までも売ってしまうトップセールスになる!

<エピソード>
大学OBが車関係に多く就職していることと、最終的に父親が「車のセールスができれば何でも売れるから」という言葉に押され、修行に行くつもりで就職した。優秀な先輩が付いてくれて、その人の言う通りにやってたら売れるようになり、社長賞を毎年受賞できるまでになった。最初買う気のない人が、次第に心が変わり車を購入し、そのファミリーが喜んでドライブに行ったりする姿をみるとすごい楽しかった。
(先輩から伝授された売れる秘訣は、お客様に寄り添い「聴く営業」。詳細は割愛するので、ぜひ動画を見て欲しい!)

お客様のご主人と信頼関係ができると、追加で仕事用のライトバンとか、息子が免許を取ったからスポーツカーも一緒に購入したい、というように大きな注文を取ることができた。
時には、若い息子さんが「僕はマツダのスポーツカーが欲しい」というように他社の車を希望する事がある。でもお父さんが「鈴木さんから買いたんだ!」というので、競合の自動車ディーラーに、この車いくら値引きできるかを聞いて注文をとり、お父さんの車と一緒に納車するようなケースが増えていった。
本来は業務以外のことだから上司はいい顔しないが、お客様は喜んでくれる。結婚式の披露宴では、自分の会社だけでなく、競合他社のディーラーからもいっぱい祝電が届いた。

★感想★
鈴木さんは接客時に迷った時は、「お客様にとって幸せな選択はどっちか?」を自らに問いかけ判断するという。その選択が会社の枠組みや決まり事から外れることもあるが、「お客様が喜ぶ瞬間」を優先するのだ。なぜなら、自分自身もワクワクするからだ。このお客様に向き合う姿勢は、リッツ・カールトンでさらに磨きが掛かかり、VIPから指名されるコンセルジュ・ドライバーになっていく。

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みどころ③:生活水準を上げたくて転職するが…

<エピソード>
車のお客宅で裕福な家庭を見て、今の車の営業職を続けても将来自分はこのような生活はできないなと思った。結婚してから特にそう思うようになった。
何人かのお客様から「どの仕事を選ぶかで全然違うから、鈴木君くらい一生懸命やるんだったら、何やっても大丈夫だから他の仕事にも目を向けてみたら」と言われた。ちょうどそんな事を考えている時、ソニープルデンシャル生命からヘッドハンティングされ転職した。
職種は違えど、同じ営業だから楽しんでやっていた。当時のソニーの盛田会長から優秀セールス賞も頂き、当時30代で年収が1000万円を超えた。前職の倍くらいの収入になり、もう頑張らなくていいやと、モチベーションが下がってしまった。数字が伸びないと解雇されるルールは聞いていたが、噂かと思っていたら本当に解雇通告されてしまった。

<その後のキャリア>
・保険の契約者だったコンピューター関連の会社を営む社長に事情を話し、ちょうど社長も来て欲しいと思ってくれていて引き抜いてもらう。海外企業との仕事もあり、慶應義塾大学英語学校に通わせてもらい英語を身につける。営業職として7年勤務して退職。
・アルバイトで社長の車の運転を始める。成田空港でその接客する姿をみたホテルオークラの人が「貴方だったら、うちにきたらもっと稼げるよ!」と言われ同ホテルに入社。
・6年後、リッツ・カールトン東京の開業と共にコンシェルジュ・ドライバーとなる。
・その後、パレスホテル東京、アマン東京開業時の立ち上げに力を注ぎ退職。
自分の価値を認めてくれる人にやっと出会えたと思い、ホテル時代のお客様の秘書兼、専属ドライバーの仕事に就き、現在に至る。

★感想★
鈴木さんは、仕事を選択する判断基準は収入が良いどうかだと言うが、お聞きしているとそれだけではないように思う。これはこちら側の勝手な解釈だが、「お客様が喜ぶ瞬間」のワクワク感が満たされる事も重要な要素だったように思える。生命保険の仕事では大きな収入を得る事はできたが、ワクワク感は少なかったのかもしれない。その後、転職を経ながら、「お客様が喜ぶ瞬間」を味わえる接客・おもてなしの仕事へといざなわれているように思える。

みどころ④:営業、接客、趣味でも、トップレベルを極めてきた、鈴木さんの極意と原動力

「仕事を選択する判断基準は収入だ」と言う、その真意は「自分の価値に見合ったフィーを求めたい」という自信の現れなのだ。自動車ディーラーの営業職としてスタートし、転職を経ながら自分を磨き、トップレベルの業績を残し、自信をつけながらキャリアを積み重ねてきたからこそ言えることだ。それは趣味の分野でも同じだ。
では、どのように自分を磨き、自信をつけてきたのか?
この部分をインタビューで掘り下げると、鈴木さんらしい表現でその極意を語ってくれた。

<極意その1>
普通の人たちはここで諦めるだろうなという時に、冷静になって「俺は違う」と自分に言う。

みんなが諦めるところで、ちょっと頑張って頭ひとつ出る。どんぐりの背比べからちょっと頭ひとつ出る事の積み重ね。これが自信につながって「俺はすごいかもしれない」と思うようになった。営業場面でも、釣りでももう一回投げてみる、女の子にアタックする時も同じかな(笑)。やってみたらうまく行っちゃったから、これはパターンなんだと思った。これは簡単なことなのに、なんでみんなやらないのかなと思う。

<極意その2>
全身全霊でやるのが好き。でもずっと全身全霊でやると疲れる。相手に一生懸命さをわかってもらう、出しどころがある。
『人生の最も苦しい いやな辛い損な場面を 真っ先きに微笑を以って担当せよ』これは自宅近くの玉川大学の正門にある石に刻んである創立者の小原総長の言葉。これは座右の銘。

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日産ディーラーの同僚が、まさに、これを実践する人だった。2番手じゃだめ、真っ先にやるのがポイント。余裕かまして微笑みながらやる。それをみていた。
「こいつは、ただものじゃない!」と周囲が思う。
リッツ・カールトンではお客様の喜ぶことは何をしても良かった。これをやっていったら大成功間違いなかった。人の心を掴む秘訣だが、頭でわかっていても、実際に行動できるどうかに違いが出る。

<極意その3>
オーラのすごい、地位の高い、威厳があって強面の人には、「普通の運転手じゃないぞ!」と目で魔法をかける。

具体的には、そんな人と接する時、自分の身内や親友の生まれ変わりだと思って話をする。もしくは、『相手は気付いてないけど48時間後に命を落とすことが決まっていて』と勝手に妄想して、日本での残りの時間はこの人がしたいことを全部させてあげようー、そういう気持ちと目付きで接すると「なんだこいつ!?」と思う
手品と同じで繰り返していくうちに自然にできるようになる。これはすごく効く!
でも本質は、お客様から言われたことに対して期待以上のことをすればいいだけ。一つのことで気持ちが通じると、急に相手が懐に入ってきて、こっちも懐に入りやすくなる。

<極意その4>
背伸びしているうちに背は高くなる!「かっこいい自分」を追求する!

・全然実力はなかったが、学生の身分で社会人に混じってレベルの高いラリー選手権に出場した。周りから危ないからやめろとか言われたけど、車も違うし、スピード感や運転技術も違う。なによりかっこいい、憧れてたから突っ走った。そして、後から実力がついてきた。
・自分の釣りの腕前では、アメリカのトーナメントに出場するのは無理と尻込みしていたが、「今行くと釣り業界でリーダーになれるよ」と釣り業界の会長が後押ししてくれた。その結果、日本国内では4位にランキングされるまでになった。
・写真家協会で熊切圭介賞を受賞した時も、自信はなくても「俺の写真は世界一」と言いながら「大丈夫、そうなるから」と思ってやっていたら本当にそうなった。世の中甘くみてるかもしれないが、「思い続ければ現実化する」とよく言われるが、本当に叶っていった。なんだ、ハッタリでも自信をもてばいいだけじゃん!(笑)と思うようになった。
・慶應大学の英語学校も辛くなってやめていく人が多かった。最後は70人が12人になった。自分も挫折しそうになったけど、英語ができるとかっこいい!という動機でやめなかった。
・実際に英語を喋れるようになるのは、釣りでアメリカのトーナメントに行った時から。外国人と接することへの抵抗感がなくなり、元大統領でも同じ人間だと思えるようになり、VIPでもフレンドリーに接することができるようになった。すべてはつながっていて、努力は何も無駄になっていない。
・結局、頭一つ出ようと努力し、背伸びをしてチャレンジするのは、「みんなから、タックさんかっこいいね!」と言われるのが快感だから。

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【インタビューを終えて】

Hito TERRACEとして、鈴木隆夫Tack(タック)さんのマニアック性(=その人を突き動かす源)を改めて言葉にすると、
・「相手が喜ぶ瞬間」を目にしたい!
・人並みでは嫌、自分はかっこよくありたい!

という欲求なのかもしれない。
インタビューを通して感じることは、鈴木さんのコメントには着飾った言葉がない。人間の生々しい本音をストレートに発している。
かっこいい! 収入が増える! 女の子にもてる!
その動機に嘘がないから嫌味がなく、本気でやっていることが伝わってくる。


「かっこいい」と思う自分とは?と問いかけると、
「自分の姿に高揚するかどうか、興奮するかどうかなんだ」
「今でも歳を忘れて、もっと自分は進化しそう、もっとできそうだと思っている」
と言う答えが返ってきた。
そんなかっこいい自分になるために、みんなが諦めるところで、ちょっと頑張る。
最初は身の丈よりも立派な服を着て見せても、後から合わせていく努力する。
その労力は、鈴木さんにとっては苦ではないのだ。

最後に、
「おもてなしをできるようになるには具体的に何から始めたらいいですか?」
という質問を講演会でよく受けるそうだ。
その際にはいつもこのように回答しているとのこと。
「まず、自分の隣にいる奥さんや旦那さんを笑顔にさせること」
「それができないのに、他人へのホスピタリティなんておこがましい」
「自分自身もそう思い、奥様に接するようにしたら、夫婦仲もよくなった」
「大切にする人はそばにいる」

やっぱり、テクニックは色々とあれど、「相手が喜ぶ瞬間」を目にしたいのだ!

ナビゲーター 亀田啓一郎 大井きさこ

ヒトテラスバナー

ぜひ、自分を突き動かすマニアック性ってなんだろう?という問いを持ちながら、このインタビュー動画(46分49秒)をお楽しみください!! 
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