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能登半島地震義援金用 配信(23/11収録動画)『声の地層』刊行記念 瀬尾夏美さん・一谷智子さんトークイベント「痛みについて語ること」

今回の能登半島の地震を受け、昨年11月に収録した「声の地層: 災禍と痛みを語ること」の刊行記念トークイベントを再び配信いたします。配信は3月31日いっぱいまで視聴可能です。

この配信の売上は日本赤十字社の令和6年能登半島地震災害義援金
(石川県、富山県)へ全額寄付いたします。

視聴のお申し込みはこちらまで↓↓↓↓↓
https://hontohitsuji.thebase.in/items/82080621


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自然災害、戦争、パンデミック…。最新作『声の地層』は、さまざまな痛みの経験を語る人々の言葉と、風景の記録をもとにした一冊です。遠い場所の出来事を、今自分がいる場所とつなぐ。そんな発想で絵や文章を発表してきた瀬尾さんが、本書を朗読し、執筆秘話を語ります。

トークのお相手は、マーシャル諸島出身の詩人による詩集『開かれたかご』(みすず書房)を翻訳した、西南学院大学教授の一谷智子さん。詩集にほれ込んだ瀬尾さんが装画を描き下したご縁で、お二人の顔合わせが実現しました。
なお、この動画は2023年11月に、本と羊で開催されたトークイベントを収録したものです。直接能登半島地震について語っているものではありません。
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本の紹介

声の地層: 災禍と痛みを語ること
瀬尾夏美(著)生きのびるブックス(刊)

声の地層: 災禍と痛みを語ること瀬尾夏美(著)生きのびるブックス(刊)



伝える人と耳を澄ます人をつなぐ、語り継ぎの文学
「すこしの勇気を持って、この人に語ってみよう、と思う。その瞬間、ちいさく、激しい摩擦が起きる。マッチが擦れるみたいにして火花が散る。そこで灯った火が、語られた言葉の傍らにあるはずの、語られないこと、語り得ないことたちを照らしてくれる気がして。それらを無理やり明るみに出そうとは思わない。ただその存在を忘れずにいたい」(はじめに)

災禍と痛みを語ることは、感動的な体験を与えてくれる書籍です。この本は、被災地での実際の経験を基にした物語であり、困難に立ち向かう人々の姿を描いています。

この本には、自然災害によって壊された町や人々の苦しみが描かれていますが、同時に、被災地の人々の勇気や希望も表現されています。作者は、物語を通じて災害の現実を伝えることによって、読者に希望を与えることを意図しています。

この本は言葉の力を最大限に活用しており、読者の心に深い感銘を与えることでしょう。災害の経験がなくても、この本を通じて人々の苦悩や勇気を共感することができます。

被災地の地層を通じて、私たちが抱える痛みや困難を共有し、力強く前に進むことの大切さを伝えるこの本。読者には、希望と勇気を与えることでしょう。

「すこしの勇気を持って、この人に語ってみよう、と思う。その瞬間、ちいさく、激しい摩擦が起きる。マッチが擦れるみたいにして火花が散る。そこで灯った火が、語られた言葉の傍らにあるはずの、語られないこと、語り得ないことたちを照らしてくれる気がして。それらを無理やり明るみに出そうとは思わない。ただその存在を忘れずにいたい」(はじめに)

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◆プロフィール

瀬尾夏美

瀬尾夏美(せお・なつみ):1988年、東京都生まれ。2011年、東日本大震災のボランティア活動を契機に、映像作家の小森はるかとのユニットで制作を開始。2012年から3年間、岩手県陸前高田市で暮らしながら、対話の場づくりや作品制作を行なう。2015年、宮城県仙台市で、土地との協働を通した記録活動をするコレクティブ「NOOK」を立ち上げる。現在は、東京都江東区を拠点に、災禍の記録をリサーチし、それらを活用した表現を模索するプロジェクト「カロクリサイクル」を進めながら、“語れなさ” をテーマに旅をし、物語を書いている。著書に『あわいゆくころ――陸前高田、震災後を生きる』(晶文社)、『二重のまち/交代地のうた』(書肆侃侃房)、『10年目の手記――震災体験を書く、よむ、編みなおす』(共著、生きのびるブックス)、『New Habitations:from North to East 11 years after 3.11』(共著、YYY PRESS)がある。

一谷智子

一谷智子(いちたに・ともこ):西南学院大学外国語学部外国語学科教授。専門は環境文学、核文学、オーストラリア文学。著書に『語られぬ他者の声を聴く――イギリス小説にみる〈平和〉を探し求める言葉たち』(共著、開文社出版、2021年)、『トランスパシフィック・エコクリティシズム――物語る海、響き合う言葉』(共編著、彩流社)、『架空の国に起きる不思議な戦争――戦場の傷とともに生きる兵士たち』(共著、開文社出版)、『エコクリティシズムの波を超えて――人新世の地球を生きる』(共著、音羽書房鶴見書店)、訳書にケイト・グレンヴィル『闇の河』(現代企画室)、キャシー・ジェトニル=キジナー『開かれたかご――マーシャル諸島の浜辺から』(みすず書房)がある。

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