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【ひつじが月報】2020年7月

7月21日頃から「そろそろ月報を……」と意識の片隅に置きながら、あれよあれよと日が進み、梅雨も明けて8月がきてしまった。きてしまったものはしょうがないので、ざっくり今月を振り返りたい。

7月は梅雨も梅雨といった感じで、なかなかに激しい雨の日が多かった。ひつじがは最上階(2階建の2階)にあり、かつ天井が抜けていて屋根ダイレクトなので雨音もダイレクトに聞こえてくる。ずっと聞いていたおかげで最近では降り始めのタイミングや、おおよその降水量まで分かるようになってしまった。ひつじがの周辺地域は幸い大雨によるトラブルはなかったものの、ひつじがの店内は雨漏りでてんやわんやしていた。「雨がバケツを叩く音って風流ですね…」と言葉を絞り出してなんとかしのいだが、しのげていたのかはわからない。

余談はさておき、今回もトピックスで7月を振り返る。

0円本屋の進捗

営業再開以降、実験的に始めている0円本屋。企画の概要は先月の月報に書いたので割愛するが、日毎に関わってくださる方が増えていて、結果的に本も日毎に様変わりしている。

本を持ち帰られた方が後日別の本を持ってきてくださったり、県外から郵送で本を提供してくださる方がいたり、「自分が大好きな本を誰かにプレゼントしたい!」と購入した本を未開封のまま置いてくださった方までいた。0円本屋に新品が並ぶ日がくるなんて。

持ち帰った本を読んでその感想を話しに来てくれる方や、周りにいる本好きの方々に紹介してくださる方もいて、単純な本のやり取り以外での繋がりも至るところでじわじわと見え始めた。この実験をいつまで続けるは未定だけど、いっそそのまま続けてもいいのかなと最近ちょっと思い始めている。

匿名文通

今のひつじがは諸々にゆとりがあるので、いろんな企画(とまではいかないような小さなアイデア)を細々と試している。匿名文通もそのひとつ。

企画概要はこちらのnote記事を参照いただきたいが、企画をはじめて3週間で、現在お手紙のやり取りがはじまっているのが14組。すでに30人弱が匿名の文通を誰かとしている。想像をはるかに上回る参加率とマッチング率。

お手紙は店内で書いてもらってるが、最初はワイワイ言っていた方も一発書きの文章(それも知らない人相手)を考えるのに次第に集中していき、気づけば黙々とペンを走らせている。複数の方が同時に手紙を書いている時に入って来たお客さんからは「試験中ですか?」と言われた。

お店に来店していること以外の共通点が隠された人同士でのやりとり、参加されている方の感想を聞く限りでは面白いとのこと。また「匿名であること」を活かした遊び方なんかも生まれていて、それもまた面白そう。今後やり取りをしている人が偶然居合わせるなんて状況も出てくるかもしれないので、その時に表情に出さないように気をつけたい。

第2回ひつじが文学賞作品応募受付中

7月、ひつじが文学賞の受付期間に突入した。現時点での動きはほとんどなくて、とはいえ去年開催した第1回も終盤(特に最終日)滑り込みでいっきに作品数が増えたので、今年はどうなるか様子を見ている。

今回はシティ情報ふくおかさんやミッケ!フクオカさんのご協力もあって、受賞作品を外部媒体(雑誌とWEB)で掲載させてもらえることになった。

応募受付期間はまだ残り2ヶ月あるので、日頃文章を書かれている方もそうでない方もぜひお気軽にご参加ください。(あとおそらくまだ全然認知されていないので、回りの方々へ拡散していただけるとものすごくありがたいです…!)

雑感

前月に引き続き7月の店内は基本的に凪いでいて、そうでなくても席数を減らしているのでその分余裕がある。その余裕を使って小さなことを色々と試したし、今しばらくはその状況が続きそうなので引き続き色々と試そうと思っている。

とはいえそれはひつじがを構成する小さな小さな一要素でしかなく、扱い的にはお店での過ごし方を面白がってもらうための隠し味みたいなものである。

……全然隠せてない。

SNSでは企画系に焦点を当てている分そちらが目立つけど、実際の店内はそれら諸々の企画に参加される人よりも、読書をされる方やお酒を飲みながらお話される人のほうが圧倒的に多い。そうやってブックバーひつじがを《ブックバー》として利用してくださる人たちがいるおかげで、こちらは安心してブックバー以外の使い方を試すことができる。ものすごく良いバランス。

そうやって店内でのバランスを常に取りながら、同時にお店の外側にある世界とのバランスも日々意識している。今の状況だから特別にではなくどんな状況であっても場を運営している以上考えねばならないことだと思う。

場合によってはまたしばらくお店をおやすみするかもしれない。その連絡も急になるかもしれない。そのぐらい日々ギリギリでぐるぐる脳みそを回している。